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第23話☆【準決勝第1試合】萌えあがれ我(わが)が罪業の(ざいごう)焔(ほのお)

ついにアルステリアと戦うことになったはるな。ボクベー先生(ウラノーマ)のおかげで罪属性の神階魔法、究極魔法が使えるようになり、依然と比べて見違えるような力を得たはぐれホームレス魔法少女の一世一代の戦いが始まる……!

 

 こんにぢは……

 どうも、はるなです。今日はいつものテンションでお話しすることができません★なぜなら、これから、いよいよ、アルステリアさんと戦うからです★ここまでは、相手にも恵まれたりして勝ち上がってきたワケですが、今回の相手は、メロお姉ちゃんを氷漬()けにし、ウラノーマの刀と心を()り(ホントにそうかはわからんけど)、アクラさんを準々決勝(じゅんじゅんけっしょう)でボコボコにした天才魔法少女。過去にあった他の大会で優勝したこともある(ぴりんからの情報)、若くしてすでに賢者(けんじゃ)クラスの実力を持つ超強敵(ちょーきょうてき)なのです★

 

 3億円のためもありますが、氷漬(こおりづ)けになったメロお姉ちゃんを助けるためにもこの戦いは何がなんでも負けられないんです★★さすがにプレッシャーがパネェんだわ★★


 『さあ! いよいよいよいよ準決勝っ!! ここまで圧倒的な強さで勝ち上がってきた天才魔法少女アルステリアさん、それに立ち向かうのは今大会最大のダークネスホース!! 味知(みち)の魔法を使う謎多(なぞおお)きの魔法少女、はるなさんの対決!! これは、ひじょーに面白いマッチングです! わたしの胸もドキドキ高鳴っているぞっ!!』


 歓声がひときわ大きいです。

 はるな、人生最大のちやほやタイム到来(とうらい)☆☆これは、持ち上げすぎんなと言うより普通に(うれ)しい気持ちが大きいな☆☆応援は(パゥワー)、少し緊張(きんちょー)()けて勇気(ブレイブ)()いてきました☆☆



挿絵(By みてみん)

 「はるな、君がここまで来る事を、私は信じていたよ」


 「負けたらメロお姉ちゃんを元に戻してくださいね!」


 「わかっているさ、約束は守る。しかし、メロウも

良い仲間(なかま)と出会ったものだ」

 

 「相変わらず保護者目線(ほごしゃめせん)ですか? アルステリアさん、しょーじきに言いますけど、その全体的に上から目線で話すクセ、気を付けた方がいいともいますよ」


 「ははっ、そうか。指摘(してき)してくれてありがとう。どうも私は他から距離(きょり)を取られやすいけど、そう言うことなのかな。うん、以後、気を付けるようにするよ」


 態度(たいど)はアレですけど、そんな悪い人ではない感じなんですよね。まあ、魔法少女で悪人(あくにん)なのはたいへん問題があるわけですが。


 『お待たせしました! それでは!! 試合開始です!!』


 いよいよですね。


 「スティーマ・ラータ!」


 開始早々杖を召喚して本気(ガチ)モードなわたし☆☆すぐに距離(きょり)をとって動きを見ます☆☆アルステリアさんが遠近(えんきん)どちらの攻めもできるタイプなのはわかっているので、最初にどちらで仕掛けてくるかを見定めなくては行けません。


 「自分から仕掛けて来ないか……ならば、こちらからいくぞ! 〈アイス・ランチャー〉!!」


 おお、とがった氷のかたまりを生み出して、連続して発射してきました。ただ、これは前の試合でミサイルやビーム砲が飛んできたのと比べると怖くありません。あの時も使った〈スタックレファリー〉を今回も展開(てんかい)させます。


 「なるほど、ヴィーナスを倒したカウンター魔法か! けれど、そうそう同じ手は通じないよ、はるな君! 〈ディスペル・ライト〉!!」


 アルステリアさんの左手から放たれた光の波動。それが私に降り注ぐと、魔法の盾はシュウゥと消えてしまいました。これはいわゆる☆☆


 「魔法解除魔法(まほうかいじょまほう)!!」


 「その通り! 光属性のわりとポピュラーな魔法だと思うけど?」


 「まーた上から目線でしゃべってますよ! 知ってます、知ってますよ!」


 くそが★★これだと補助系魔法を使う選択肢が選びにくいじゃねーか★★ぐぬぬ、これは攻めたほうがよさそうだ★★ならば★★


 「(たましい)舵取(かじと)りをはじめますよっ!! 〈ソウル・ディレクション〉!!」


 「んっ、辺りが薄暗くなる? この魔法は一体……?」



 ふふっ、どうやら知らないようだなあ☆☆この魔法はぁ、周辺を罪属性効果を高める空間に変えるフィールド魔法ぞ☆☆


 「ならば、〈アイスソード〉を出しておくか……」


 「させるかっ!!」


 「私の(ふところ)に飛び込む!?」


 氷の(つるぎ)を作り出す時にできる僅かなスキ、そこを両手に発生させたどす黒い(つめ)〈ベインクロー〉で斬り込みます☆☆むこうが偉そうに看破(かんぱ)してくるならこっちだってしてやるってもんだぁ☆☆


 「そりゃそりゃそらそりゃー!」


 「(はげ)しい攻撃をする! やはり、君はただものではないようだね! だが!」


 「わわっ!?」


 とんがったつららが目の前にスッと出てきて、危うくめんたまに刺さりそうになったよ★★とっさにイナバウアーしてかわしたけどこれはヒヤリハット案件ですわ★★


 「反射神経(はんしゃしんけい)も優れているか!」


 「ほっ、ほっ、すばしっこさなら自信あります!!」


 「だが、こちらも遅れは取らぬ! 〈アイスフロート〉!!」


 足元に氷の板を出し、それに乗るアルステリアさん。すると、氷の板は浮遊し、バックゥーなフューチャー映画に出てきた未来型スケートボードみたいになり、アルステリアさんを乗せて戦場を走り出しました☆☆サーフィンみたいにムーンサルト移動まで出来ててくっそ楽しそうじゃんよ☆☆まあ、こっちも同じ芸当はできます☆☆ここからはスピード勝負だ☆☆


挿絵(By みてみん)


 「ぐひゃっ!?」


 「とう!」


 「くわっ!?」


 あー、厳しいわコレ★★やっぱり経験の差がでてしまう★★こっちの攻撃は全然当たらないのに向こうの攻撃はかなり正確です★★突撃がメインだからダメージが小さめなのだけは不幸中の幸いですが、このまま翻弄(ほんろう)されてバンバン食らいまくったら形勢(けいせい)は悪い方にかたむく一方★★早いけど使うしかないか★★


 「えーい!! 現れよ、全てを掴つかむ暗黒の両腕(りょうわん)《ネクロハンド・アトモスフィア》!!」


 「なにっ!?」


 ムッキムキの2本の腕が地上から伸びてきてアルステリアさんをガシッと挟みました☆☆氷の板はあっさり粉々になり、そしてさらにアルステリアさんをムギュッと握りつぶそうとします☆☆死の商人さんも1回プギャー(^д^)したくらいですから、流石は究極魔法(アルティメットスペル)といった感じです☆☆


 「ぐぐっ!!」


 「観念してください!! そのままだと死にますよっ!?」


 「ギブアップしたら止められるのかなっ!? これは!!」


 「あ、いや、無理です」


 「それなら、仕方ないね!! 《プリズマテック・ヘッジホッグ》!!」


 バジャー!!

 

 うひゃっ!? う、腕が爆発四散(ばくはつしさん)した!? いや、なんかアルステリアさんが光るウニみたいになってるぞ!? うわわっ!!


 「〈アイスニードル〉!」


 「〈スタックレファリー〉!!」


 カンカンカンカンと氷のとげがシールドに当たります。とっさに魔法展開(まほうてんかい)できて良かったです。小粒だけどまともに当たれば五体無事で済むかアヤしかったよ★★にしても究極魔法すらこんな簡単にぶち破るとは天才魔法少女おそるべし★★


 あ、そうだ!

 攻撃が止まるあたりで(たて)をパージしないと、〈ディスペル・ライト〉で無効化されちゃいますね! 溜まりきらないけどカウンターのカウンターです!


 「いけぇ! 〈シールドパージ〉!!」


 ヴィーナスの時ほどじゃないもののビームキャノンレベルの光線が発射されました。これが、アルステリアさんの周囲にハリなしになって展開されたままの結界にブチあたりパリンと破壊しました。


 「瞬時(しゅんじ)にここまで判断して切り返してくるなんて、君は面白い!」


 「ふぅ、ふー、ふぅ」何とか攻撃の手が止まった★


 「だが、まだまだこちらにもカードはあるよ」


 「ふぅほぅ……神階魔法は、まだ使わないんですか? あのときメロお姉ちゃんを氷漬けにした、あの魔法ですよ!」


 「? 使ってほしいと催促(さいそく)するの?」


 「どうせ、どっかでは使われることになりますし! さっさと使ってくれたほうがいいですね!」


 「ほう」


 ここで挑発。あえて、挑発です。

 これで、アルステリアさんが神階魔法を出し(しぶ)ったら、成功。時間稼ぎもできますし、魔法力は限りがあるので雑な魔法で消耗戦を狙えます。


 ただ、もう一つ。

 アルステリアさんが誘いに乗った場合。

 これも、成功なのです。


 「何とかできると言うのか、君は」


 「はい!」


 「フフッ……良いよ! お望み通りにしようじゃないか!!」


 詠唱(えいしょう)をはじめたアルステリアさん。

 ほん少しだけスキができますが、仕留めるには足りない。

 ここで、わたしがするべきこと、それは!


 「〈ガバメント・コート〉!!」

 「魂まで凍りつくがいい! 神階魔法(しんかいまほう)《ミリオンリバース・アブソリュート》!!」


 !!!!?


 あ、声が、出ない。

 もはや、いつものノリでは、いられません。


 魔法により体を罪属性のバリアで(おお)いましたが、もう数分も持たない。このままだと、意識を失い、全てが氷漬けになって生命反応が止まる。


 はやく、なんとかしなくては。

 いや、なんとかなるから、わたしはこの状況を選んだのだ。


 三億円。

 3億円がほしい。

 さんおくえんを手に入れてビンボー生活に別れを告げる。


 金欲は汚いもののように言われることもあるが、何が悪い。欲の無い人間に何ができる。わたしが、ここで負けるわけにいかない理由であるのならば、それは清々しいものだ。


 ああ、金のためなら、寿命も捨ててやる。

 どんな手も、泥臭く使うさ。

 はるな、一世一代(いっせいいちだい)の、大博打(おおばくち)です。



 神階魔法 《プロミネンス・タルタロス》 !!

 対象は、自分自身(わたしじしん)!!!



 「なにっ!? これは!?」



挿絵(By みてみん)


 アルステリアさんの(おどろ)く声が聞こえました。

 それは、そうでしょう。氷は地獄の(ほのお)(またたく)間に溶けたのですから。そして、この炎の中でも、生きているのが、わたしです。


 「《ミリオンリバース・アブソリュート》を打ち消すなんて、今まで見たことがない」


 「そうかもしれませんね!」


 「黒い炎の中から無傷で出てくるとは、はるな、君は一体どれほどの力を!?」


 説明しよう☆

 罪魔法〈ガバメントコート〉は、体に罪属性の膜をはることで魔法耐性(まほうたいせい)をあげるほかに、罪魔法を無効化する効果があります。そのため、神階魔法の《プロミネンス・タルタロス》でも罪魔法なら無効化できるとわたしは踏んだわけです☆ただ、実際に試してはいなかったので死ぬかもしれないイチカバチカの賭けだったわけですが、予測が当たって良かったです☆☆失うものがほぼ無い無敵(むてき)の人だからできる芸当(げいとう)だよ☆☆


 「さー覚悟してください!!」


 「つっ!!」


 神階魔法で、アルステリアさんはかなり魔法力(まほうりょく)を使ったようです。更に今の攻撃が決まらなかったのは、予想外だったのでしょう。よーし、いつものキャラに戻って勝負を決めるよ☆☆


 「今日2発目の《プロミネンス・タルタロス》!!!」


 「あっ!! ああっ!? うわああああ!!!」


 アルステリアさんが地獄の炎に包まれました☆☆

 あ、でも、これ死んじゃうヤツでは★★

 なんとかギリギリ耐えてくれ君ならできる★★


 「はあっ、はあっ」


 う、うおおっ!? マジで耐えた!!

 服はボロボロで瀕死間違(ひんしまちが)い無しだけど、生きてる!!スゲーや天才魔法少女!!


 「ま、まだだ……」


 「アルステリアさん!」


 「〈アイスソード〉」


 氷の(つるぎ)を生み出し、ヨロヨロと迫ってきます。

 満身創痍(まんしんそうい)なのに、執念だけで体を動かしている感じたよ★★


 「私……は……」


 はるなとの距離が5メートルくらいになったところで、アルステリアさんはヒザから(くず)れ落ち、力尽(ちからつ)きました。


 『こ、これは、これはすごいっ!! あの無敗常勝(むはいじょうしょう)のアルステリアさんが、真正面から(たた)き伏せられたっ!! 勝者ははるなさん、はるなさんですっ!! あらかたのよそうを(くつがえ)し、見事厳(みごときび)しい戦いを制しました!!!』


 予想外でワルウゴザンシタNE☆☆

 それはともかく、やったー!! 勝ったー!! 3億円まであと1人!! 勝利のガッツポーズです!!!


 沸き起こる歓声がすげえ☆☆

 あじわったことない高揚感でゾックゾクだよ☆☆

 

 パチンコで

 当たったとき

 の比ではない


 はるな(たましい)の俳句もキレッキレですわ☆☆


 これで約束通りメロお姉ちゃんも……あ、ヤベ。アルテリアさん失神してる。まさか、このまま死んだりとかしないよね? ね?

 

☆☆☆☆


 結局、大ダメージを受けたアルステリアさんの意識が戻ったのは試合から3日後のことでした☆☆メロお姉ちゃんをもとに戻すための魔力が復帰するまでにはさらに時間がかかるようで、閉会式の後になるとのこと★★★★ちと心配だけど、今は優勝することに専念ですね☆☆


さー、待っとれや3億円☆☆

次の相手おボコして、絶対いただいちゃるからな☆☆

これで貧乏生活とも別れやで☆☆☆


……あ、なんかナニワ感が出てしまいました☆てへっ☆彡






 

 


 

 

 


 

 



 


 





いよいよ次回は決勝戦!

はるなは優勝して3億円を手に入れられるのか……変なフラグ立ってそうだけど(ボソッ)

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