再びの出会い
クロノ森林。モンスターも出現する危険な森だ。
この森の中間にある大きな湖の畔にセイルの家はある。
「眩しっ...」
雲1つない青空から降り注ぐ日光が湖の水面に反射し、キラキラと輝きを生み出していた。
何てことはない、いつも通りの日常だ。
だが、セイルは何か不思議な違和感と嫌な予感を抱いていた。
違和感を具体的に言うならデジャヴ。
そして嫌な予感と言うのは...
「っ!!」
セイルは咄嗟に後方へ跳躍する。
すると、先程までセイルが立っていた地面には鋭利なナイフのような羽が何枚も刺さっていた。
少しでも反応が遅れていたらセイルの魂はこの世とおさらばしていたことだろう。
「.........」
セイルの視線の先にいるのは全身を白銀の鱗に包まれ、光を反射して不気味に光る刃物のような白銀の翼、こちらを睨む深紅の目。
この付近には生息していない翼龍種に分類されるモンスターの中でも上位に君臨する者。
そして、その名に古代の英雄が用いた伝説の武器の名を持つ"英名持ち”が一頭、白刃龍クラウソラスそのものだった。
確かめるまでもなくわかる圧倒的なまでの実力差。
だが、そんな絶望的な状況でもセイルは恐怖など感じていなかった。
「俺は....こいつにここで勝ったことがある...?」
そう。先程から抱えている違和感だ。
そんな記憶などないのに、体はクラウソラスとの戦闘を覚えている...?
そして、クラウソラスの羽が再びセイルへ放たれる。
だが、飛来するはずであった羽は突如現れた光の球により無力化される。
そして、光の球の正体が徐々にその姿を現し、やがて一人の少女となる。
「ボクが助けてあげる!」