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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
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"收监"

掲載日:2026/08/05

カーテンの隙間からの

きらきら陽射しが眼に飛び込んで来て、眼を覚ます


少し埃と(かび)っぽいけど、柔らかな布団が躰に乗って居るのが解る

知らない家のベッドだった



明瞭にならない意識の中で、赤児の様に不思議そうに陽光を視詰めて居ると

部屋のドアを開けて男性が入って来た



「あ、起きたんだ」


優しそうなお兄さんだ


手にした銀のトレイには珈琲と、一皿のサンドイッチが載って居る

僕の分だと云う事だった



「貴方は………?」


食事のあと

完全に順番を違えてしまったが、僕は当然の疑問を口にした


お兄さんは最初、完全に質問の意味が解らないのか、表情の無い顔と、何処を視て居るのか判然とし無い視線で其れを聞いて居たが、大きく間を開けてから考え込み始めると「ああ、そういう事か」「記憶が………」と呟き、直ぐに優しい顔で僕を抱き締めた



「僕は、君のお兄ちゃんだよ」


躰の抱かれて居る所が、暖かくて安心する

其の所為か、少しずつ眠たくなってきた



「───眠くなったのかな?」


「もう少し休むと良いよ」


そう云って僕の額に口付けると、兄は部屋を後にした


去り際に、お兄ちゃんは部屋に施錠をした様だった

其の時になって気付いたが、窓も、外側で取っ手が針金でぐるぐる巻きに固定されて居た

理由は解らなかった




───数日経った


解った事が有る

食事には必ず、『眠くなるもの』が入って居る


そうでもないと説明が付かない

僕は一日の大半を、眠りながら此の部屋で過ごして居る


お兄ちゃんは、僕に手錠を掛ける様になった

食事の時は外してくれるのかと思ったら、そう云う訳でもなく、代わりにお兄ちゃんが僕に食べさせて呉れた


もう一つの解った事として、お兄ちゃんは心の底から……僕の事が好きみたいだった


其れは『家族』とか、そう云うのでは無くて……好きみたいだった



或る日

其の日は、朝から兄が機嫌が良さそうだったので、僕は遂に「ねえ」「そろそろ、外に出てみたいんだけど………」と、僕は恐る恐る兄に申し出た



途端

鼻に硬いものが激突して、僕は訳も解らないまま、ベッドの後ろの壁に頭を打ち付けた


鼻を両手で押さえようとすると、其れよりも早くお兄ちゃんが僕の胸くらいの位置に馬乗りになり、拳を滅茶苦茶に何度も顔へと打ち下ろして来た



「やめ…………」


『やめて』と言おうとした口に拳が振り下ろされ、僕は舌を強く噛んだ

口の中が溺れる位の血で満たされ、殴られ続けてる事もあって、僕は直ぐに窒息して気を喪った



一瞬の暗転のあと

眼を開くと、兄はさめざめと泣いて居た



「ごめんね」


お兄ちゃんが云う



「でも兄弟は絶対に一緒じゃないと駄目だから、君は此の部屋に居ないと駄目だし」


「僕は、君のお兄ちゃんだから」



お兄ちゃんはたまに、僕には意味が解らない事を喋る


詳しく聞こうとすると感情的になるし

僕は『此れ以上怒らせたら、殺されるのかも知れない』って思ったので、聞かなかった



今度、僕の両足を切るのだと兄は云って居た


理由を聞くと、「悪いことをしないように」という事らしい


確かに、僕はもう此の部屋が嫌だった

逃げたかった


あの人は多分、本当は僕の兄なんかじゃ無い




兄が部屋に入って来た


手には(のこぎり)を持って居る

「もう逃げないと」「殺される」

そう思い、僕はベッドから飛び出すと、走って兄に躰当たりをした


ぶつかった衝撃で鋸が兄の顔に当たり、兄は顔を押さえて苦しげな声を漏らした

其の指の隙間から、紅い血が沢山溢れて居て


僕は怖くなって廊下に飛び出した



部屋の外に出て、僕は言葉を喪った

廊下には数え切れない人数の、足のない男の子が、血に塗れた姿で音を立てて這いずり回って居た


虚ろな表情の少年たちが、僕を視て集まって来る

近くの何人かが僕の足首を掴み、僕は転倒した


背後からは、べちゃ、べちゃ、という足音が聞こえて来る

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