7 魔法取得
幻覚、催眠などは、これまでマリエールが知っていた魔法と別な体系の魔法だ。人間の脳に直接働き掛ける。
7 魔法取得
マリエールは、ルシアが帰った後も魔法に取り組んだ。出来ない魔法ではないと思うが、引っ掛からない。マリエール達がやって来た魔法とは違う系統の魔法らしい。似て非なるものらしい。いろいろ試してみる。魔法を感じる角度が違うようだ。マリエールの魔法は6大魔法の延長線上の魔法だが、これは違う観点から生み出された魔法らしい。
「別の視点、催眠や幻覚、恐らくは人の感覚を管理する魔法。6大魔法が事象から発する魔法とその延長なら、これは頭の中で起こる事を操る魔法か。考え方を変えてもう一度やってみよう。」
考え方を変えてやってみたらすんなり出来た。違う系統の魔法だ。出来たが実験体は必要だ。催眠や幻覚、その返しが出来た。他の禁書の内容もこの系統の魔法だ。精神支配や精神の操作等危険な魔法が多い。幻影や夢を見せる魔法もある。人の考えを読み取るテレパスもある。怪盗ロイドもこの書を読んでいる。これらの攻撃を受けると想定して作戦を立てなければならない。ルシアと確認して実験して、シルビアさんに連絡しよう。予想以上に大変な事だ。取り敢えずこの本を2冊複製しよう。
夕食時事の重要性を領主に話た。国王を精神支配されたらこの国は終わりだ。怪盗ロイドはその方法を知っているかも知れない。国王に知らせ、シルビアさんを呼んで欲しいと伝えた。領主は、
「それ程の陰謀とは知らなかった。直ぐに対応しなくてはなるまい。早馬を用意する。マリエールも禁書を持って出掛けるぞ。ルシアにも連絡が必要だな。」
伯爵は国王に謁見を求める書状を書いて早馬で持たせた。シルビアの立会も求めた。ルシアとその父親の伯爵にも国王謁見の立会を求める連絡をした。マリエールは禁書を持ち、父親の伯爵共に登城した。
マリエール達は、王室に案内された。既に国王、シルビア、ルシア、その父親の伯爵がいる。国王は、
「大変な事が判ったようだな。詳細を聞かしてくれ。」
マリエールは禁書を取り出して、
「この禁書に書かれている魔法は、これまでの魔法とは違います。催眠や幻覚を起こす魔法は、これまでの6大魔法、またはその延長の魔法ではなく、人間の脳に働き掛けて、催眠や幻覚を起こすのだけでなく、人間の支配や操作、テレパスも可能にする魔法です。国王陛下が精神支配を受けたらこの国は終わりです。」
参加者は唖然とする。その中ルシアは、
「催眠や幻覚、その返しは解明出来ました。来週の公爵家の襲撃の阻止は可能です。しかし、そうなると相手は禁書の内容を理解している事が知れます。相手は禁書の内容を知っている可能性が高いです。要人の精神支配や操作を狙う可能性があります。返しの方法は多くの人に知らせるべきです。そして禁書を悪用している人物の捕縛、拡散していないかの確認が必要だと思います。」
取り敢えず、公爵家への催眠や幻覚の襲撃は防げるにせよ、敵には奥の手があるという事だ。国王陛下は、
「マリエール、ルシア、催眠や幻覚の返しはあると言っていたが、精神支配や操作の返しはあるか。そしてシルビア、禁書の閲覧から洗い出せ、王宮魔導師に怪しい者がいないか確かめよ。」
マリエールとルシアは直ぐに確認しますと返事し、シルビアは直ぐやりますと応えた。
この魔法は危険だ。精神支配や操作も出来る。マリエールは父親の伯爵を通して国王に謁見を求めた。