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       2 警察担当者の来訪

 警察官が来訪して来た。火事現場での人命救助に対する感謝状と金一封らしい。ルシアとマリエールに感謝状が読み上げられ、金一封と共に渡された。

         2  警察担当者の来訪


 マリエールは学院での学習の予習をしていると来客の知らせがあった。ルシアかなと思ったが、ルシアにしては早い気がする。大抵ルシアは午後来る。マリエールにしても午後行く。午前中は何かと忙しい。疑問に思いつつ、客間に行くとルシアは居たが、ルシアの父親とマリエールの父親と知らない人がいる。知らない人が挨拶する。まだ若い女性だ。

「私は、国軍の警察官、シルビアといいます。先日王都内で起こった火災で、家一軒が全焼したにも拘わらず伯爵子息、令嬢の活躍で人災は防げ、被害が最小限に抑えられ貴族の尊厳も保たれた事により、警察庁長官からの感謝状と2人にそれぞれ金一封が出されれたのでお持ちしました。」

シルビアはルシア、マリエールの感謝状をそれぞれ読み上げ、金一封も手渡した。そしてこれはあまり例のない事で、単に貴族が市民を助けただけでなく、危険を顧みず命がけで被害を止めた事、しかも10歳の少年少女の行動であった事、売名行為ではなく名も告げずに立ち去った事、その貴族を褒め称える声が広がった事が今回に繋がったのだそうだ。

「現場にいた市民の発言によると、お2人は魔法使い、迷う事なく、存命中の2人がいる二階に突入したと聞きました。シールドで身体を覆い、救出した2人にもシールドがなされていたと聞きました。突入はフライが使われたようです。迷いなく二階に突入した事から感知魔法が使われたと思われます。助け出された後フィールが掛けられました。今後必要だからと金銭も渡されたそうです。その様な魔法と人を思う人材を警察は求めています。実は富豪の娘を狙った誘拐事件が起こっています。警察は娘の命を重視せず、犯人の捕縛する予定ですし富豪も警察に伝えたと言う事は娘の命よりも金が惜しいと言う事ですから、助けなければならないと言う事はないのですが、もしも娘を助け犯人を捕縛、殺害出来るのであれば協力頂きたいと思いますが如何でしょう。」

2人の父親達は、貴族として警察への協力は吝かでないが、富豪の娘を助ける手立てなどないし10歳の息子や娘が偶々人命救助に成功したからといってそんな危ない仕事に引っ張り出すのは納得行かない。という意見だった。

 シルビアはルシアとマリエールに意見を聞いた。マリエールは、

「犯人の捕縛は出来ないです。殺傷を前提として、偶々命があるかも知れない程度の攻撃でいいなら可能だと思います。ただ犯人がどれほどの力があるか不明ですから、殺すつもりで対応しないとこちらの命が危ないです。私もルシアもC級冒険者です。オーク程度は倒せますが、対人戦は未経験です。オーク以上の力のある人間だと自信が有りません。娘さんの命は保障しかねます。」

ルシアも同様に言った。2人の親達は唖然とした。シルビアは、

「もちろん、警察も態勢を組むし、あなた達に危険が及ぶ様な事はないわ。あなた達の魔法の力を貸して欲しいだけよ。それで納得して貰えれば具現化な話をするけれど、いいかしら。」

4人の誰からも反対意見は出なかった。

 人命救助の魔法を評価されて、富豪の娘の誘拐事件への協力の打診があった。正直生け捕りは難しいと応えた。

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