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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕〔ガールズラブ要素〕〔残酷描写〕が含まれています。
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日本の反転

作者: 夜に咲くZero
掲載日:2023/02/24


突如、日本人の性別が反転した。男は女へ、女は男へ成ったのだ。


その影響は、強烈だった。


まず、子供を産む男女が急激に減少。


次に、家庭の大黒柱である男性が、女性に成ったことにより、給料が激減。


一時的に、元男性は、給料はそのまま。元女性の給料も、急激に上げるわけにはいかず、やはりそのままだった。


国は、早急な法律改善を必要とした。


しかし、今の日本の体制では、早急な法律改正は出来ない。


日本中が混乱し、滅亡するかに思われた。


しかし、一人の男(元女)が大統領に成り、変わった。


日本を、根本から変える!


彼の演説は巧みで、力強く、情熱的だ。民衆は、変わることを望み、彼を信頼して支持した。


そこからは、日本人の適応は迅速だった。


まず、男女の給料が平等に成った。男性と女性の給料の平均値を、基本的な給料として、支払うように整備したのだ。


次に、人工授精のその先、SF映画でよく見る、試験管ベビーの早期普及に急いだ。


次に、20歳以上の男女に、卵子、精子の提供を義務付けた。


このように、様々な政策で人々は普段の生活を取り戻すのに、3年を必要とした。


法律改善自体は、早くに完了していたが、それでも人々の意識は中々に変わらなかったのだ。


男が女に、女が男に、当時の日本の混乱は凄まじいモノだった。


これは、生活を取り戻した人々の日常の話だ。













僕の性別が反転したのは、中学一年生の頃だった。


正直、興奮した。


いや、そういう興奮じゃない。僕は、その頃中二病を発症していたからだ。


自分が特別になったように感じた。


毎日、中二病のような日記を書いた。


3日で飽きたけど。


髪は、すぐに短髪に変えた。


結構毛量があったし、案外スッキリして良かったと思っている。


性転換して、一番変わったのは、身長だろう。


女から、男に変わって、ぐっと身長が伸びだ。


始めは、歩きづらかったけど、すぐに慣れた。


でも、女の時に僕よりも身長が低かった女友達が、男になった途端、僕よりもずっと身長が高くなって、少しガッカリした。彼女よりも、身長が高いことは、密かに僕の誇らしい所だった。


それに、いつも彼女は僕に抱きついていたけど、大きくなった途端、まっすぐに向いて見えるのが彼女の平たい(元から)まな板だなんて、とても変な気がした。


ただ、クラスで一番身長の高い女の子が、逆に低くなっていたのは、面白かった。僕よりも低くて、勝った、と密かに思った。


それから、色々あって、僕は、一人称を、自分の名前から、僕に変えた。


この一人称を、案外僕は気に入っている。今の世代の人たちは、僕、という元女が多いようだった。


僕は、合唱部に所属していたけど、ソプラノ担当だった。暫くして、声が出にくくなった。声変わりだった。なんだが、気持ち悪いなぁ、と思った。


その後、アルトにパートを移した。高い声が出なかった。いや、この場合は、バリトンと言うのか?性別が混乱していて分からないけど、取り敢えず、女性のパートの名称を使っていた。


そして、今、僕は18歳になっていた。そして、恋人もいる。あ、言っておくけど、異性の恋人だよ?つまり、見た目は女で中身は男。その子は、心が女なら、別に良いよ、とかよく分からない考えの持ち主だ。


あ…でも、元とはいえ、同性の姿をした人間を好きになるなんて、僕も変なんだろうか?と、思ったりもしたが、見た目は異性同士で付き合っている人も、結構多い。


もちろん、見た目も中身も同性で付き合っている人も多いけど。実は、元男子の方がその傾向が強かったりする。


小学生の時点で、BLを好んでいた僕は、あれは、百合だから、違う。と、思っていたが、最近では、それを元に戻して、男同士の姿で恋愛している所を想像するのが、見た目女の子同士のカップルを見つけた時の日課だ。


「何みてんの?」


彼女が聞いてきた。


「カップル」


「何が楽しいの?」


「想像するのが楽しいから」


「ふぅ〜ん…」


彼女は手に持っているスマホに目を落とす。


「また、乙女ゲーム?」


「うん。参考にしてる。」


「参考にしなくても、かわいいし、カッコいいよ?」


「…あっそ」


彼女は素っ気ない返事をしたが、僕には分かっている。髪の襟足をクルクルと手で巻いている彼女は、照れている。


僕が、ふふっと、声を漏らすと、彼女はジト目で見てきた。


その目も好きだ。


容姿も仕草も体型も服装も、僕が女の子立った時の理想だった。


だけど、今の体には満足している。


元肥満体型から、スラリとした細身に成れたからだ。


彼女は、彼女なりに髪型も、化粧もしていて、オシャレだ。


彼女も自分の体に満足しているなら、僕も嬉しい限りだ。


「ニヤニヤしないで」


彼女のジト目に、ちょと癖に成りつつある自分がいた。

 

まぁ、それは兎も角。


日本はまだまだ、存続し続けていくのだろう。いくら変化しても人々は適応していく。それは、生命の定めで、運命みたいなモノだ。


…うん。格好は付けたものの、実際はどうなるかなんて、誰にもわからない。


僕にとっては、この楽しい日常が続いてくれれば、それでいい。

  

そう思って優しい気持ちで彼女を見つめていた。


すると、彼女はむくれた顔で、僕よりも少し早足で進む。


僕は慌てて、彼女を追った。


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