水火焔氷雷雷 チャット編
あけましておめでとうございます。
今年も本編たる『悪の組織とその美学』をよろしくお願いします。
さて、毎年恒例にしたいオマケコーナーではありますが、今回は《第281部分 それは、聖なるチカラ その1》辺りのネタバレを含みますので、読む際にはご注意ください。
──精霊界。とある魔改造された特殊空間にて。
▼ ウェンディ 様、ゾーラ 様、ユキヒメ 様、いふいふ 様がログインしました。
ゾーラ:ゴラァァァァァ! ノアァァァァァァ!! 出てこぉい!!
ユキヒメ:ここに来れば出てくるって聞いてはるばるやって来たんやで! 神妙にお縄につきぃや!
いふいふ:我々とて荒魂ではありません。貴女が事情の説明と打開策を講じると言うのであれば情状酌量の余地は残してあげましょう。なんなら弁護精霊もコチラで用意する所存であります。
▼ ノア 様、ミソラ 様がログインしました。
ノア:なんなの騒々しい。
ミソラ:みんなやっほー!
ウェンディ:いきなり怒鳴って申し訳ありませんが、コチラとしても急を要する案件ですので……。
ノア:はいはい、契約者付きの精霊が4柱も殴り込んできたら一大事ってのは分かるわよ……。で、何事?
ゾーラ:何事? ではないぞノア! 貴様……いや、貴様の主が何をやらかしたのか分からんのかッッッ!!
ミソラ:あんっ、耳がキーンってしたわ……。
ノア:五月蝿い、というのは同意ね……。私は常にアイツの傍にいるわけじゃないんだから、ツカサが何をしたのか……ウェンディ、説明してもらえる?
ユキヒメ:おうおうおうっ!? テメー久々に会ったのにまともな挨拶も無しに話を続けようとか、いい度胸じゃのうっ!?
ノア:……えーっと。貴女は確か、セルシウスの一柱……だったかしら?
ユキヒメ:せやで! こンの同期組ん中で一番大精霊に近いモン言われてたウチのコト、忘れたとは言わせへんで!!
いふいふ:ユキヒメ。まだ気付いていないようなので一言付け加えておきますが、ノアは既に大精霊に成っていますよ。
ユキヒメ:大精霊ノア様ナマゆーてすいませんっしたーっ!!
ミソラ:関西風のイキリから速攻の手のひら返し土下座……。アタシがあの域に達したのはおそらく足利が征夷大将軍になるよりも前ッ!
ノア:いふいふって、もしかしてイフリートのあの子?
いふいふ:あっ、はい。お久しぶりですノア様。長らくお会いできませんでしたが、この度の昇華おめでとうございます。
ノア:あら、ありがとう。……アナタ、お堅い感じをしているのにその名前とのギャップは卑怯じゃない?
いふいふ:お嬢様の名付けですから。私は気に入っていますよ。
ミソラ:わーい、いふいふぅ~!
いふいふ:はい、挨拶代わりのグーパンチ☆
ミソラ:ごふぅっ!(綺麗な『く』の字を描きつつ吹っ飛んで壁に激突後、陸に打ち上げられた魚のような瀕死具合でピクピクしている)
ゾーラ:相変わらず、ドMには厳しいな!
いふいふ:求められたら応えるのがモットーですので。
ノア:悦ばせてどうするのよ。しばらく付きまとうわよアレ。
いふいふ:いえ、私はあの子の相手をしているので。……ウェンディ、状況の説明をお願いしますね。
ウェンディ:……あ、子守りに回ったと?
ゾーラ:なんて的確な邪魔者の足留めだ……!
ノア:ほら、ウェンディ。緊急事態なんでしょう?
ウェンディ:そう、そうなんですよ! 貴女の契約者がなんか……『気を送る』? 等と言って私達の契約者へと接触し、そこで……
ユキヒメ:緑光輪の女神ルミナスティアーのチカラが送り込まれてきたんや!
ノア:……
ノア:…………ふっ……くくっ……………
ノア:あーっはっはっはっはっはっはっ!!
ノア:あのヘタレのツカサがっ!?
ノア:女装姿とはいえ異性に触れて!?
ノア:自身のエネルギーを相手に注ぎ込んだの!!?
ノア:あの子、秩父山中で死にかけた影響で体内にルミナスエネルギーが充填されてる事も気付かずにっ!?
ノア:もうただの人間から片足踏み外した状態で境界線の上でタップダンスorブレイクダンスを踊っているのに!?
ノア:まだ自分が正常であると思い込んだまま他所様を巻き込んだのォ!!?
ノア:[以下、約5分間もの笑い声]
◇
ユキヒメ:……あー、そろそろええか?
ノア:ふっ……くくくっ………。ええ、そうね、ごめんなさい。まさかそんな事をやる程の度胸があの子にあると思ってなくって……。お腹よじれる……ううっ……くくっ……。
ノア:はぁぁぁあああっ……ケホッ……。アナタ達には一大事よね。女神のチカラの一端とか受け取っても、ただの人間には毒にしかならないんだから。
ユキヒメ:せや。だから前任者たる大精霊ノア様のお力添えをお願いしたくてなぁ。
ゾーラ:お前、俺の主になんかあったらタダじゃおかんぞ!
ノア:アナタ達で消化できないのが原因のひとつじゃない?
ゾーラ:ぐっ……ぬぅぅぅ………!
ウェンディ:ノア!
ノア:はいはい、分かったわよごめんなさいね。アスカとルナ、それにマクスウェルの欠片を制御するので精一杯なのは理解しているから。
ユキヒメ:……それで、何とかなるんか?
ノア:なんとでもなるわよ。例えば……そうねぇ。追加武装としてチカラを消費するのが一番じゃない?
ゾーラ:そんなもの作っている暇がッ!
ノア:そーれ。
▼ ノア 様より、四柱様に《黄金の緋角》が譲渡されました。
▼ プレゼントボックスをご確認ください。
ユキヒメ:あーん? ……なんや、これ。
ノア:私がアップデート中にツカサにプレゼントしようとして作ってた外装のパーツよ。
ノア:実際はもうそれ以上の適合素材でカシワギが作ってしまったから、日の目を見ることなく箪笥の隅に仕舞っておこうとしていた下位互換品。
ウェンディ:下位互換って……。
ノア:ちゃんとルミナスエネルギーに対応してるわよ。後はアナタ達が《エスカレーションシステム》にそれを適応できるよう調整するだけ。
ゾーラ:ふぅぅぅ……ん。つまりこれをきちんと扱えるようになれば、ルミナスエネルギーを転換できるのだな?
ノア:そ。あくまでも体内に取り込んでしまったルミナスエネルギーをその緋角に詰め込んで武装の一環とするだけだから、擬似的なルミナストーンとしては残ってしまうけれど……。少なくとも本物よりは害のないモノになるはずよ。
ミソラ:ねぇノア。それってツカサは大丈夫なの? 本物そのまま腰にぶら下げてるけど?
ノア:大丈夫じゃないから私が大精霊になったのよ。いずれこうなるって分かっていたからね。
ミソラ:……そう。
いふいふ:………。
ノア:なに辛気臭い顔しているのよ。アナタ達は早く帰って調整してあげなさい? ……おそらく、戦闘で追い詰められると『加護』を与えんとして表層に出てくるから、その時に仕上げを施すのが最善よ?
ウェンディ:ありがとうございます。助かりました。
ノア:ウチの子が撒いた種だもの、在庫処分もできたし問題ないわ。……ただそれ、あくまでも小さなエネルギー炉心程度でしかないから、武装としてはあまり頼りにしない方がいいわよ?
ノア:毒の心配は無くなるにしても、強化アイテムとしたら『焚き火に太い薪を足す』程度だから。
ゾーラ:問題ない。我らが主は最強だからな!
ユキヒメ:せやで。ウチらが一緒におるんやから、もう負けるはずがないわ!
ノア:そう、ね……。まぁ久しぶりにアナタ達の顔も見れたし、私としてはそちらの方が収穫かしら。
ミソラ:楽しかったよー! いふいふ、また遊んでねー!
いふいふ:はい、またいずれお会いしましょう。……では。
ウェンディ:お世話になりました。
ノア:またねぇ。
▼ ノア 様、ミソラ 様、ウェンディ 様、ゾーラ 様、ユキヒメ 様、いふいふ 様がログアウトしました。
はい。どこか本編のキャラクター紹介の際に、『ルミナストーンが悪さをしている』ように書いたと思いますが、こちらが答えとなりますね。
進化と言いますか神化といいますか……つまり、ルミナストーンを長く使っていると女神のチカラの影響を受けます。
秩父山中ではツカサが死にかけた為、欠損を補うべくチカラが混入。コッペルナが治さなければライジングアルティメットク〇ガみたいな、ゲッ〇ー線に取り込まれたパイロット達のような、そんなレベルで人間辞めます。
長く使うと神の尖兵化というか……Fa〇e的な座に登録されて神格F-くらいの特性を持ちます。