パジャマパーティで反省会
こちら、ep.386 『とある冬の日 その7』の後日談みたいなものとなっております。
多少のネタバレも含みますので、先に本編を読んでからお楽しみください。
また、新しい会話劇の書き方を試してみたので、読みやすいか否かとか、そう言った感想を貰えると非常に助かります。
ツカサとのコブ付きデートの後、カレンは土浦 楓の自宅へとお邪魔しパジャマパーティという名の反省会を開催していた。
【カレン】
「さて、言いたいことは山ほどあるかと思いますが」
【楓】
「……もう、さ。まだドキドキしててヤバいんだけど!」
【楓】
「名前呼びはマズイって!! 破壊力半端ないって!」
【カレン】
「ええ、そうですね。そうでしょうとも。兄さんはズルいんですよ」
夜中に食べても平気なよう、カカオ濃度の高いチョコレートと牛乳を頂きつつ、カレンは抱きついてきた親友の背中を摩る。
唐突な思い付きとはいえ、デートはデート。
我が愚兄が相手とはいえ、デートはデート。
男性と付き合った経験などないと言っていた楓には刺激が強過ぎたのだろう。
【楓】
「なんであの人、何着せても似合うようになっちゃったの? 今日ずっと表情を緩めないように必死になってて頬がまだ痛いんだけど!」
【カレン】
「……ああ、楓にはそう見えますか」
【楓】
「え、もしかして『そんなのは惚れた弱みというヤツですね、実際はそんなでもないです』とか、そういう……?」
【カレン】
「ああいえ、違いますよ。実際にカッコよかったというか、結構兄さんのことをチラチラ見てたご婦人達も居ましたし」
【楓】
「だよね? 気のせいじゃないよね!? 買い物中、なんだか首筋に視線と仄かな敵意を感じてたんだけど、見回しても普通の人しかいなかったからさ」
【カレン】
「はい、どういうワケか兄さんにモテ期ですよ」
【カレン】
「いや実際、ずっと鍛え続けてきた筋肉質な身体に忍者さん達仕込みの簡単メイク、そして半神化によって肌艶が良くなってて、フェロモンでも撒き散らしているんじゃないかっていう謎の魅力が溢れ出してましたね」
【楓】
「歌恋がお兄さんのことをそんなにべた褒めするの珍しいね? ボクと居る時でもいつもボロクソに言ってるのに」
【カレン】
「……もう認めざるを得ないと申しますか、半神化してからの兄はヤバいんですよ。上位種というか、大精霊ノアに似た圧を感じると言いますか」
【カレン】
「ぶっちゃけ言っちゃうとアレは、ちょっとでもテレビデビューとかしちゃうと全国的なファンが付きます。キャロルの【魅了】と似て非なるものですが、一目見ただけで『彼は別物や』という直感が働きます」
【楓】
「えぇ……? つまりどういうことなの……?」
【カレン】
「具体的に言うなら、兄を単身で渋谷とかに置いたらナンパされまくると思いますよ」
【楓】
「あー……うん。カッコイイもんね司さん」
【カレン】
「顔は二枚目か三枚目くらいなのに、ちょっと神になったからって人を惹きつける魅力を手にいれたらしくてですね。ダメですよアレは、モテるのに恋愛経験クソザコの金持ちとかカモですよカモ」
【楓】
「褒めているようで獲物として狩り取られる側という認識をしている」
【カレン】
「いやだって、少し前まで冴えないモブみたいな兄さんが急に私でもたまに見惚れそうになるくらいカッコよくなったとか、どうしたらいいのか分からなくなりますよ」
【楓】
「妹視点で見惚れるとかあるんだ?」
【カレン】
「半神化してからは顕著ですね。多分エフェクトとか付けたらずっと『キラキラ』してますよ」
【楓】
「そんなに」
【カレン】
「なので楓には、そんな兄さんをとっとと捕まえて結婚して子宝に恵まれて欲しくてですね?」
【楓】
「話が飛躍したね!?」
【カレン】
「あんな愚兄でも家族ですからね、結婚相手は信用できる人でないと。その点を言えば楓はもう合格なので」
【楓】
「司さんの将来を心配しているってこと?」
【カレン】
「……あんなに頑張っている人なんです。幸せになってくれなきゃ不公平でしょう?」
【楓】
「か、歌恋がデレた……!?」
【カレン】
「貴女とふたりきりなんですから何を隠す必要もないでしょう」
【カレン】
「楓にも兄さんにも幸せになって欲しい。なんなら一緒になって末永く幸せであって欲しい。愚兄の妹にして貴女の親友である私らしいと思いませんか?」
【楓】
「いひひ……確かに歌恋っぽい!」
【カレン】
「なので今からは反省会らしく、今日の悪かった点と明日から兄さんを堕とす為の作戦会議といたしましょう」
【楓】
「おー!」
興奮冷めあらぬ中、ふたりきりのパジャマパーティは続く。
ノベルゲームでよく見た構成でしたが、これなろうみたいに横書き縦読みの形式でないと使えませんかね?




