表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
侯爵令嬢の婚約〈連載版〉  作者: 小鳥遊あかり
7/20

森のゴリラさん1

主人公に、森のゴリラさんがお似合いではないか?との感想をいただき、なるほど!と思いやりました。


…結構楽しかった。途中からノリノリになった、後悔はない!


私は侯爵令嬢サリアナですの。


今日は愛馬ローリーと遠駆け&ピクニックに来ております。魔道車も流通してるけど、舗装していない所は揺れが酷いから馬が多いですわね。


新人護衛のペーター、侍女のアンナも一緒ですの。うちの家の使用人たちは皆優秀で、馬にも乗れますのよ。凄いですわね。



「今日はいいお天気で気持ちいいわね―」


「そーですねー」


「何かしら?ペーター、その棒読みは」


「だってお嬢、俺今日は侯爵家に入って初めてのお休みのはずだったのに、先輩に留守番を押し付けられたんすよ!」


「あら、どうして?」


「今、街に移動動物園が来てて、皆見に行くんですよ。俺も見に行くはずだったのに~。ズルい!動物園の開園日と俺の休みを考えると今日しかなかったのに…」


「あらあら、それは可哀想ね~。そうね、私も動物園を見に行こうかしら。その時の護衛に貴方を指名してあげるわ。どう?」


「…マジすか?」


「マジマジ」


「お嬢!マジ女神!お嬢って(無自覚破壊神だけど)基本やさしいっすよね!」


「当たり前です。屋敷の皆はお嬢様のこと大好きなんですから。(無自覚破壊神ですけど)」



後ろで悪意のある伏せ字を感じますわ。気のせいかしら?



「少しスピード上げますわよ?」



常歩から速歩にスピードをあげる。久しぶりの乗馬は気分が良いですわね。


「ねぇ、ぺーター。さっきの動物園の話だけど何が人気なの?私、よく知らないのよね」


「なんでもゴリラのローランド君が人気だそうですよ!スッゴい頭が良いらしいっすよ。計算もするって噂っす!」


「私、ゴリラさんって見たことないのよね」


「俺たちもないっすよ!ね?アンナさん!ゴリラって、体が黒っぽくて、大きくって、鼻が少し低くって、力が強いってところかな~」



ガサガサと森の木立の方から音が聞こえる。



「あっ、そうそう。あんな感じっす!」


「「「「……………………」」」」



見詰め合う3人と一頭。



「「あわわわわわわわ」」



パニくるペーターとアンナ。



「あら?はじめまして。馬の上から失礼しますわ」


「お嬢!何普通に挨拶してるんすか!!ゴリラてすよ!ゴリラ!」


「でも…本当にゴリラさんか分からないじゃない?見たことないし…。もしかしたら、毛と肌が黒くて体毛が濃いのを悩んでる、体の大きな人かもしれないわよ?」


「ある意味、そっちの方がやばいっしょ!そしたら全裸っすよ!変質者っす!!」


「はっ、そうね!ヤバイですわね!!」


「なんか危険の認識方向が間違っている気がするのは気のせいでしょうか。お嬢様?」



サリアナのマイペース振りに、2人は落ち着きを取り戻しつつあったが、その間にゴリラに距離を詰められた。



「お嬢!下がって!」



ペーターがサリアナを庇って馬ごと前に出る。



「アンナさん!お嬢と一緒に逃げてください!」


「はい!了解です!」



アンナがサリアナの馬の手綱を取り、馬の向きを変えて逃げようとする。



「アンナ、待ってちょうだいな。あのままだとペーターが危ないし、走って逃げるの逆に危ない気がするのよ」


「彼の仕事は護衛です。私もお嬢様を守ります!」


「それでもイヤ、ちょっとローリーをお願いね。ゴリラさんと目を合わせてはダメよ。それに大きな声も出さないでね。野生動物の接し方ルールよ」



そういうと唇に指をあて『シー』という仕草をすると、スルッと馬から降りてすたすたとペーターの方に歩いていった。



「お嬢様!!」



ゴリラがペーター相手に威嚇をしている。ペーターはゴリラと目を合わせてしまい敵認定されたらしい。ドラミングしている。


ペーターに伸ばしたゴリラの手が、ガッツリとサリアナの手と組まれた。



「ウホッ?」



ゴリラが驚くがサリアナは気にしない。ゴリラの握力は動物界最強では?という話があるくらい強い!頭蓋骨なんか簡単に潰せてしまうくらい強いのだ!



「貴方…うちの護衛に何をするつもりなのかしら?おイタはいけないのよ?」



そのまま手首を捻りゴリラの膝を地面につけた。



「お嬢、マジやッベ!動物界最強握力のゴリラに土をつける侯爵令嬢って一体何?」


「あら、いやだ。誉めないでちょうだい?」



ポッと頬を染めるサリアナ。



「俺、今誉めてたっすか?アンナさん?」


「お嬢様のお誉めポイントはちょっとずれているので、コメントは控えさせてもらいます」



どこかの取材攻勢にさらされた有名人のような物言いである。ゴリラ…ローランド君はサリアナの手を振り払って下がる。



「ローランド君?どうしてこんなところにいるの?貴方、動物園にいるローランド君でしょう?」



困ったような顔をして問いかけるサリアナにローランド君は少し悲しそうな顔をする。



「あらあら、悩み事かしら?いいわ、私が聞いて差し上げましょう!ペーター、アンナ、少し早いけどお昼にしますわ。支度をしてちょうだいな!」


「「げっ?マジですか!」」


「マジマジ」



このちょっとだけ砕けた言い方が気に入った様子のサリアナ。昼食の始まりである。




結構ノリノリになった結果長くなり、分けました。


ペーター(パン屋息子)は18歳、アンナは23歳(子爵家次女)どちらも恋人募集中。後々2人は…です。


誤字脱字報告ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] >ペーター(パン屋息子)は18歳、アンナは23歳(子爵家次女)どちらも恋人募集中。後々2人は…です。 男の方が平民のカップルですかー。 どうやって結ばれたのでしょうか? 逆だったらあ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ