公園でピクニック2
大変間が開きまして申し訳ございません。メンタルがダウンしておりましたが復活!4日連続投稿します。
「皆様を誘いしておきながら、申し訳ありませんが、ギルドのお仕事をして参りますわ」
サリアナはニコッと微笑むと侍女のアンナに頼む。
「アンナ、お三方を家までお連れしてちょうだいね」
「お姉様、私も手伝います」
「ファルミラ様、他国のご令嬢に手伝っていただくわけには参りませんわ」
「私、『鮮血の公爵令嬢』ですから大丈夫です。というか動きたいので手伝います。ダメと言われても行きますよ。私とお姉様は運命のしめ縄でカタ結びされてますから」
……カタ結び、ハサミで切って良いですか?
「はぁ、お手伝いしますよ、サリアナ嬢。陽射しがキツいですけど、帰りたいけど、手伝いますよ。ディナーのデザートにゼリー下さい」
本当に自己主張出来るようになって、凄い進歩ですわ。と言うか、馴染みすぎて寝起きしているうちの客間を勝手に改造してますわよね、ナルエル様。
「貴女方2人に武力は敵わないだろうが手伝おう」
帰っていいですよ、ベガルータ様。100%足手まといです。
「はぁ…では、手伝っていただきましょうか。魔獣は池を中心に気配が有りますから、ナルエル様は奴等が周囲に散らないように結界を張って封じ込めてください。
ベガルータ様は公園にいる人の避難誘導をなさってください。
ファルミラ様はベガルータ様と同行して、誘導と護衛をお願いしますね。
私はひたすら殲滅しますわ。
あぁ、アンナは騎士団に知らせてね」
「はい、既に鳩を飛ばしてあります」
ぐっとサムズアップする出来る侍女アンナ。
「では、各自お願いいたします!」
サリアナが声をかけると同時に、ナルエルから玉虫色に輝くシャボン玉が大量に空に舞い上がると渦を巻き、キラキラと光を反射しながら、池の周りを取り巻く。
そして、パチン、と弾ける音が響くと、ドーム型の結界が池の周囲に完成していた。
「まぁ、なんて綺麗な……ナルエル様、お見事ですわ。さて、次は私の番ですね」
サリアナが向かってすぐ、池の方面から人間のものではない物凄い悲鳴が聞こえてきた。
『ギ、ギャア~!!』
『ガウ、ギャア~!!』
『ビギィ~!!』
ベガルータが避難させている途中の親子の会話である。
「お母さん、動物が泣き叫んでいる凄い声が聞こえるよ?」
「気にしないのよ~。『鮮血の公爵令嬢』と『無自覚破壊神』が2人で揃って居るところに、ノコノコ来た魔獣がいけないのよー。バカねー。哀れねー。特等席で見学したいけどねー」
「魔獣も同情されるんだな…」
青い空を見上げ、遠い目をしたベガルータが1人呟き、避難誘導をしていた。
誤字脱字報告&感想大変ありがとうございます。