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侯爵令嬢の婚約〈連載版〉  作者: 小鳥遊あかり
11/20

お姉様、誕生

投稿期間が徐々に遅くなっております。スミマセン!


ボチボチマイペースで行きます(^.^)ノ

「扉はお気になさらずとも大丈夫ですわ。修繕班、カモン!お願いしますわ」



3人の使用人、侍女、護衛が集まり、ササッと新たな扉を持ってきてちゃっちゃとファルミラ様が破壊した箇所を直していきます。終わり!早いですわ。



「早いですね!」



ビックリしたように話すファルミラに、得意顔で答えます。



「我が家の使用人は通常の仕事の他、修繕スキル持ちが多くおりますの」


「なぜですか?」


「私が少しだけ粗忽なので、物を壊すことが多いのですわ。ホホホ」


「そう…(破壊神)でしたね」



ん?何か伏字の気配!



「改めてご挨拶を申し上げます。グラナダス家長女サリアナでございます。当主の父は夕刻には戻る予定でございます」



カーテシーでご挨拶。



「今日は長旅でお疲れでしょう。ゆっくりおくつろぎ下さいませ。明日、父と共に王宮に登城して我が国の王族にお引き合わせいたします」


「当分の間、お世話になります。ファルミラ=クロスです。私、貴女とお会い出来るのをとても楽しみにしていたのです!多分、私と同類な方だと思ったので!」



「「「………………」」」



サッと目を反らし黙りこむ、うちの使用人ズ&ファルミラ様のお付きの方々。


私は初対面の他国の貴族の家は壊しませんわよ。どうして誰も目を合わせないのでしょうね?納得がいきませんわ。


とりあえず、ファルミラ様の荷物を運び込む間は応接室にご案内してお茶をお出ししています。



「到着が遅くなってごめんなさい。森を抜けて来る時に、うちの国では見ない獣がいたから、つい追いかけてしまいました」


「まぁ、お元気ですわね~」



あるある好奇心で動いてしまう時って!



「えぇ、そうなのです。だから、一杯お相手してくださいね?サリアナ様」



ニッコリ笑う美少女ファルミラ様。うん、可愛いですわ。鮮血の公爵令嬢なんて二つ名、当てにならないですわね~。ピコピコお耳が可愛い…。



*********************



翌日、登城して挨拶が終わって戻るとすぐにファルミラ様から



『旅で身体がなまったので広いところで思いきり動きたいです!』



との言葉を受けて森にやって来ましたわ。お庭では嫌だそうです。


思い出しますわねー。ローランド君に会ったのもこの森でした。元気かしら?


しばらく進むとファルミラ様がピタリと止まり、話しかけてきましたわ。



「ねえ、サリアナ様。組み手をしませんか?」


「ファルミラ様、申し訳ありませんが、お怪我をなさるような行為は致しかねますわ」



お父様やカールの側近の方にも釘を刺されましたからね。問題なんて私は起こしませんわよ。ましてや、女性相手ですもの。



「……あれ?サリアナ様はもっと武力にガツガツと貪欲な方かと思っていました。だって暗黒破壊神て…」



ぶつぶつ呟くのが聞こえてきます。


私の二つ名が悪化していますの!いつの間に私は暗黒面に落ちたのでしょうか?



「私が望むおもてなしをしてくださるんですよね?」


「ええ、それはそうですが…」


「お相手して下さい!」


「むむむ~」



……押しきられてお相手させていただいた結果、私が勝ちましたわ。普通の人族よりも獣人の方が力もスピードも上ですけれど、私はそれよりも更に上に身体強化で上げてますから、それは勝ちますわよね。



「…お姉様」



ん?今、地面によつん這いになって俯いているファルミラ様が、何か呟きましたわね。立ち上がらせようと差し出していた私の手をガッチリと掴んで、叫ばれましたの。



「どうかお姉様と呼ばせてください!!」



姉?これはもしや私の憧れの姉妹?あら、やだ…ちょっと嬉しい!



「喜んで!!」



もちろん受けますわ!ファルミラ様、頭ナデナデ。耳本当に可愛い!



************************



お父様のお部屋に呼び出されております。笑っているのに目が怖いですわ。



「……サリアナ、お前がクロス公爵令嬢を舎弟にしたと屋敷の者から聞いたのだがね?」


「お父様、人聞きが悪いですわ。ただ格闘で私が勝ったので『お姉様と呼ばせて下さい』と言われただけです」


「格闘で勝った?」


「はい、まずファルミラ様が森にある丸太を投げつけてきましたので、木を引き抜いて打ち返しましたの。


打ち返した隙をついて接近して上段蹴りがきましたのでさばき、次に捻りのない真っ直ぐなストレートパンチを打ち込んできたところを、叩き落としましたわ。


そのまま打ち込んできた腕を捕らえて、捻り倒しただけですのよ。魔獣相手では無いのですから、もう少しフェイントをいれた方がいいですわよね~?」


「そうか、鮮血の公爵令嬢に勝つのか、勝っちゃったのか~…」



目を瞑ったまま天上を見上げてしばらく黙りこむお父様。そして、カッと眼を見開きこちらを見ると怒られた!



「格闘して令嬢に怪我をさせたらどうする?!そして、他国の公爵令嬢を子分にしてどうするんだ!お前は一体どこを目指してるんだ!」


「完璧なおもてなしをしようと思いまして…」


「それがなぜ森に行って、格闘するはめになるんだー??」



こめかみをグリグリ揉んでいます。



「身体をおもいっきり動かしたいとの要望が有りましたので対応いたしました。でもほら、お父様?姉と慕ってくれるなら、色々やり易いと思いますの。話も聞いていただけるでしょうし……ね?」


「う~ん、そうだろうか?」


「そうですわよ。少し位のことはOKとカールの側近の方からも言質取ってますし、大丈夫、大丈夫、いけますわ!」


「何がいけて、何が大丈夫か、私には全く分からんのだが…」



続けてぶつぶつ言うお父様相手に、勢いで話を乗りきりますわ。勢いって大事ですわね~!



この数日後、街に私とバレバレのお忍びに行ったファルミラ様が『お姉様』呼びを連発したため、『鮮血の公爵令嬢』を『無自覚破壊神』が舎弟にしたという噂が駆け巡りました…。




本当に誤字脱字報告ありがとうございます。見直してるのになぜこうなるのでしょう?

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― 新着の感想 ―
[一言] >私が少しだけ粗忽なので~…… 少しだけ……、えっ!? あれが少しだけ~!? あれを“少し”と呼ばないで欲しいのですが、暗黒破壊神から見たら“少し”かも知れないと思い直しました。 >お前は…
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