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第十二話 「喧嘩」

 「そっうたぁ〜〜♪誰でしょう?」

 由奈が学校のプール帰りの壮太を後ろから目隠しした。

 「うわっ!!手、放せ!!」

 「誰か当てられたら放してあげるわよ。」

 「いちいちめんどくさいやつだなぁ。」

 壮太は目隠しされたまま歩き出してしまった。

 「あ!ちょっと、歩き出したら危ないって!」

 といいながらも手を放そうとしない由奈。

 


 ぼくらの

      ヒミツ基地

                         十二話 「喧嘩」


 「由奈があーーするからこーなったんじゃん!」

 「壮太があーしなければよかったんじゃない!!」

 「なにやってんの?」

 壮太と由奈が口論している中に、旬たちが入ってきた。

 「基地に来ないから心配してきたら喧嘩してたのかよ。」

 ヤスの呆れ顔を浮かべた。

 「由奈が悪いんだぞ!目隠しするから電柱にぶつかって・・・見ろよ、このたんこぶ!!」

 壮太は頭にできたたんこぶを見せつけた。

 「それについては謝ったじゃない!なのにまだ言うなんて最低!!大体、壮太が歩き出したせいもあるじゃない!」

 二人とも背を向けている。

 「もうあたし帰る!!」

 頬を膨らませながら由奈が言った。

 「そうだ!帰れ帰れ!!んでもう来んな!!!」

 背を向けて歩き出す由奈に壮太はあかんべをした。

 



 コンコンッ

 「・・・・由奈?」

 ドアを開けて由奈の部屋に入ってきたのは旬だった。由奈はそのとき髪を梳いていた。

 「旬、ちょっと髪結ぶの手伝ってくれる?」

 「・・・いいけど。」

 旬は由奈の後ろに立ち、ヘアブラシを手にした。

 「ねぇ、由奈?」

 「なに?」

 「壮太のこと好きでしょ?」

 「はあ?!!な、ナンデアタシガ・・・・」

 由奈の顔が噴火したみたいに真っ赤だ。しかも話し方が片言だ。

 「・・・・やっぱり。」

 「そ!そんなことよりさっさと結びなさいよ!!」

 「はいはい・・・。」




 「あ・・・。」

 秘密基地の前には、壮太一人ぽつんと立っていた。

 「あ・・・え・っと・・・・」

 話しかけづらい。

 「由奈、その髪型どした?」

 壮太は至って普通に話しかけてきた。

 「これ?・・・たまにはポニーテールもいいかなぁって。」

 「似合わない。」

 きっぱり言われてしまった。

 「なっ!!せっかくあんたのためにやってあげたのに!!」

 「だれもしてくれなんて頼んでねぇよ!!・・・・・・つか・・・」

 壮太は由奈の後に手を廻し、結んでいた髪を解いた。

 「おまえはこっちの方がぜってぇかわいい。」

 「・・・・・。壮太・・・・顔真っ赤だよ?」

 壮太は慌てて顔を隠した。

 「さっきの壮太の顔また見たい。ねぇ、見さしてよ?ねえねえ?」

 「しつこい!見てくんなバカ!!」

 「いいじゃん、見るだけだからさ!」

 顔を必死に隠す壮太に由奈は見ようと下から覗いたりしている。


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