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第十一話 「三時間内にクリアしろ!」

 「やったーーー!!勝った!」

 スーパーファミコンのコントローラーを振り回しながら、由奈が言った。

 「旬ってぷよぷよ弱いよねぇ・・・。」

 由奈がせせら笑いして言う。

 「テトリスにしようかな。」

 「ああ、ごめんなさい!テトリスだけは勘弁して!!」

 どうやら由奈はテトリスが苦手なようだ。

 「てゆか、ヤス。またボンボン読んでるの?」

 寝転がりながらボンボンコミックスを読んでいるヤスに由奈は言った。

 「何回読んでもボンボンは飽きねぇんだよ。コロコロはギャグだけど、ボンボンにはストーリー性があるんだよ。だから・・・・あーだこーだ」

 ヤスがコミックス誌を語りだした。・・・・長くなりそうだ。

「 由奈、プレステも64もあるのになんでスーファミなの?」

 せっちゃんがコロコロコミックを読みながら訊いてきた。その間もヤスは語っている。

 「えっえぇ・・・・っと・・・」

 「酔うから。」

 先に旬が答えてしまった。

 「由奈、3Dゲームだと酔うから。」

 由奈は恥ずかしそうに顔を隠した。

 「ええ!どこらへんが酔うの?」

 せっちゃんが不思議そうに訊く。

 「全部。・・・ドットじゃないとことか・・・カメラぐいーんてなるとことか・・・ありえない方向にジャンプするとか・・・」

 重症だ。由奈は鬱状態になっている。

 「あ・・・そういえば壮太遅いね!」

 せっちゃんはわざと話を逸らした。

 「たしかに・・・あたし、ちゃんと旬ちでゲーム大会って言ったのに。」

 由奈の鬱状態が治った。

 「わりぃ!!遅れた!!!」

 噂をすれば、壮太が旬の部屋に入ってきた。

 「何してたのよ?!」

 「悪かったって!これで勘弁してくれよ。」

 「!」



 ぼくらの

      ヒミツ基地

                         第十一話 「三時間内にクリアしろ!」


 「めとろ・・いど?」

 壮太が取り出したのはスーパーファミコン用のゲームソフト『スーパーメトロイド』だった。

 「さっき、うちにお客さんが来て、もらったんだ。パチンコの景品だってさ。」

 「このキャラクター、スマブラに出てたやつじゃない?」

 パッケージのイラストを指しながらせっちゃんが言った。

 「これ、友達がやってた。三時間内にクリアするとなんかいいことあったような気がする。」

 旬はこのゲームをみたことあるらしい。

 「今日は休日だし、今からプレイしても6時までには時間あるからさっそくやりましょうよ。」

 由奈はゲームカセットをスーパーファミコンに挿して電源を入れた。

 重々しい音と暗い配色のドット絵がどことなく怖さを引き出させている。

 一人用なので順番を決めて交代しつつやることにした。



 

 「あのプテラノドンみたいな敵かっこいい!!」

 「早くしないとタイムリミットが・・・!!」

 「そこ!そこ!隠し通路あるじゃん!!」

 「像が動いた恐い!!」

 「スーツゲット!!コレで暑いとこもへっちゃら!」

 「壮太、そんなにミサイル使ったらなくなる!」

 こんな会話をしながら、三時間が過ぎようとしていた。

 「やっとクリア!!タイムどれくらい掛かった?!」

 「え〜・・・っと二時間五十八分。」

 壮太が訊くと、ヤスが答えた。

 「んじゃ!エンディング終わったら何か起こるの?」

 「そろそろエンディング終わるよ!」

 みんな画面に食い付いた。

 画面にスーツ姿のサムスが出てきたと思ったら、ポニーテールの女の人が出てきた。

 「うそ!!サムス女だったの?!!」

 由奈はかなりのショックを受けている。

 「由奈、そんなに落ち込むほどのことじゃ・・・。」

 さりげなくせっちゃんに言われてしまった。

 「それにしても、旬って結構こうゆうゲーム上手かったんだぁ!!」

 由奈が旬に後ろから飛びついた。

 「・・・まあね。」

 旬は照れくさそうに言った。

 「・・・・・。」

 「壮太、どした?」

 「え、あ・・・いや、ポニーテールって案外かわいいもんだなと思って・・・。」

 壮太はせっちゃんに言われ、とっさに言った。

 「んじゃ、次はカービィやろう!!」

 「ええ!まだゲームやんの?」

 「あたりまえよ!そのためのゲーム大会だもん!!」

 張り切っている由奈の様子をみると、きっと日が暮れるまでやるつもりだ。


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