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血塗られた刃(R18)

過激な描写が含まれています。ご注意ください。

〇この日事件は突然起こった。


「紫にお客さんやでー」

「へえ」

(また沖田さんだろうな、、、、)

(本当私相手によくもまあ足しげく通うもんだね)


「失礼致します」

「ああ。待っていましたよ。君が最近入った噂の紫ですか」

「!!」

(誰、、、、、、?)


そこには貫禄ある男が不敵な笑みを浮かべて座っていた。

「あの、申し訳ありまへん。私まだ稽古中の身でとてもお客様にご奉仕ができる状態ではあらへんのどす」

「知ってますよ」

「えっ?」

「でも君はある男のお座敷には入っていると聞きました」

「!」

(沖田さん、、、、、)


「それはっ」

「別に芸ができなくても、私は構わないよ。ただ楽しませてくれれば。そのためのお金ならたんと用意しているからね」

「っ」

(何この人、、、、?)

(怖い、、、、、、)

(でもこれも私の、ここでの)


『何って、男が女に求めることなんて一つでしょ?』


(仕事だから、、、、、)


ガタガタガタ


「おや?震えておられるのですか?初ですね。ますます欲しくなる」


(いや、、、、、)

(助けてっ、、、、、)



シャ

その時ふいに襖が開けられる。

「紫、、、、、」

「っ」

(沖田さんっ、、、!)


現れたのは沖田総司。

その姿に安堵の笑みを漏らした時、



「きゃっ」

グイ

突然腕を引かれ、男に紫は捕まってしまった。


「ははは、たかが若僧か遊女を独り占めとは解せぬなぁ」


すべてを察したのか男は紫の後ろから高笑いを浮かべる。


「ーっ!離しておくんなんし」

抵抗するも男の腕はびくともしない。

男は誇らしげに沖田に向かって声を上げる。


「おい、お前どこの出だ?まあこんなとこで女と遊んでるぐらいだ。大した出なんだろうよ。俺には適わんだろうがなー」


先程とは一点。そこには荒々しい口調で話す男の姿があった。


「っ、離して」

「紫を離してくれない?」

紫と沖田の声を気にも止めず、男はそのまま腕の中の静を見下げる。


「ほお、そこまで必死になるか。よほど上手いと思みえる。おうおう。よく見ればなかなかに美しい女子ではないか。」

においを嗅ぐように男は紫を見回す。


「ーっ!離してください」


「そう言うな。俺は客だぞ。味見くらいいいでないか。」

「ーっ!」

その言葉に背筋が泡立つのがわかる。

「やめろっ!」

(いや、、、、、)


(いや、、、、)


「さあ鳴いて見せよ」

ガバッ


「いやあああああ」

沖田の静止も虚しく、男は静の着物の襟を勢いよく外へ広げた。

襟を広げられ中から白い膨らみが飛び出す。


「ははははは。これは上玉だ。素晴らしい。お前毎日こいつ抱いてんだろ?いいご身分だぜ。はははははは。

独り占めしたくなる気持ちも分からんでもない」

男は静のさらけ出された肌を見て愉快に声を上げる。


「いや、見ないで!見ないで!沖田さん!」

上半身をさらけ出され、静は涙を浮かべながら沖田に懇願する。

灯篭のオレンジの明かりだけのその部屋は薄暗いが、白く清らかな静の肌は細部まで良く見える。


「ギリッ」

ぐっ

沖田は歯を食いしばると今にでも動きそうな手を握ってとどめる。


「沖田?どこかで聞いた名だな。まあいい。」

男は静により告げられた名に聞き覚えがあったものの、気にせず、そのまま静の両胸の頂きをつまんだ。

「あっ」


思わぬ刺激に声が漏れる。

「ふふ。そうだそれでいい」


じゅるりっ

男は頂を触りながら、静の首筋をひと舐めする。

「ーっ、」

(気持ち悪い、、、、)


ぐっ

「、、、、、。」

益々怒りを募らせる沖田に男は挑発的な言葉を投げる。


「なんだ貴様?自分の女を取られて苦しいか?だがな、ここにいる女はみんなそうだ。金さえ払えば簡単に股を開く。ははははは」


「、、、、、。」

「なんだその目は、俺とやろうってのか?」

「!」

(沖田さん、、、、)

沖田の目は殺気に満ち溢れ、静かは焦りを感じ始める。


「いいぜ。だがここは店の中。もし斬り合いでも起こったとなりゃ店の信用はガタ落ち。二度とこの女と会えなくなるぜ」

「ーっ!」

その言葉に思わず沖田は言葉を失う。

確かに人殺しが起きた店に誰が行くだろうか。

店が潰れなくてもその主犯となった沖田はまず今後二度と店に入れてもらえないだろう。


(だめ、、、そんなの、、、、)


「今日はそこで見てろよ。自分のものが汚されてく様をなー」

沖田の歪む顔を見て、男はほくそ笑む。

「ーっ!」

沖田は怒りと戸惑いに動けなくなっている。


「はは。所詮若僧ができることなどたかがしれてる。」



(こんなこと他の人にはされたくない)

「!」

(ほかの人?)

(そっか、、、、)

(私、、、、、)


「沖田さん、、、、」

「!」

そんな中、静が沖田に言葉を飛ばす。


「大丈夫、、、。私は大丈夫だから」


(沖田さんのこと、、、、)


「!!」

涙を流しながらも笑顔を作りそう告げる静。

しかし、面白くないというように男は次の手に出た。

「ほお。なかなかに強い。ではそれもいつまで持つかな!」

そうしてつまんでいた頂を大きく引っ張りあげた。


「ああああ!!」

思わぬ大きな刺激に静は奇声にも似た声で喘ぐ。


「はははははは」

それに快感を覚えた男は高笑いをすると、様々な方向へと引っ張りあげた。


「あっ、ぁっ、やっ」

(いやっ、、、)


ギリッ

沖田の中で抑えていた感情が爆発する。


ガタッ

そのまま部屋に飾ってある刀を手に取ると


スラァ

慣れた手つきで鞘から抜き出す。

鞘は音を立てて床に落ちた。


「っ!?」

「ほお?」


「だめ!沖田さん!!」

「、、、、、。」

紫が静止の声をあげるも、沖田はゆっくり刀を手に歩いてくる。

タッタッ


スッ

そして沖田が刀を振り上げた。

「殺しちゃダメ!!!」


紫の声が響いた瞬間


ドッ!!!!!

凄まじい音と同時に隣の部屋とを結ぶ戸に刀が突き刺さった。


つー

刃の無い刀が頬をかすめ、血が流れ落ちていく。


「!」

一瞬の出来事に驚く紫。


「!!!!!!!!!」

その横で男はガタガタと震え、沖田を見ていた。


「、、、早急に去れ、不逞浪士。次に会ったら容赦なく貴様の首を斬る」

沖田は刀を男の首に当てると、冷酷非道な目で男を見下げた。


「ーっ!」

男はその恐ろしさに声が出せない。

体中には汗が伝っている。


「!」

(沖田さん、、、、、)



男は取り乱し、静から手を離すとそのまま勢いよく障子を開けて出ていった。

「ひええええええええ!!人殺しいいいい!!」


ズッ

「、、、、、。」

沖田はそのまま無言で戸に刺さった刀を抜き取る。


「沖田さん、、、、」

静かははだけた胸元を隠し、その姿を見つめた。



ーーーーーーーーーー

ーーーーーーー

ーーーーー


(なんだあいつ、、、)

(何人も殺ったって目してやがる)


ドンッ

「っ!」

逃げる途中、廊下で男は他方から歩いてきていた人影とぶつかる。


「あらすんまへん。お客さん。もうおかえりでっか?」

「おい、菊月!なんだあの客は!?人殺しがいるぞ!!」

そのよく見知った花魁の姿に男は今あったことを話すと部屋の方向を指さして訴えた。


「あーー」

菊月は特に気にするでもなく思い当たるというように声を上げた。

「!」

「お客はん。紫に手出そうとしたんやありまへんか?」

「!!!」

その言葉に思わず言葉を失う。


その表情を読み取りすべてを察した菊月はそのまま話を続ける。

「紫はあかんのです。あの子は新撰組沖田総司さん専属の遊女ですのや」

「新撰組、、、」

その聞き覚えのある言葉を男は復唱する。


「そうどす。考えは色々でっけど割と有名になって来ましたな~」

菊月は世間話でもするように楽しそうにそのまま会話を続ける。


「沖田総司、、、、」

(あいつが、、、新撰組1の剣の使い手という、、、、)

男は肝が冷える気持ちになる。

背中からは冷や汗が流れ始めた。


「命があっただけよろしおすなー」

菊月は青ざめた男の表情をまるで楽しむように含み笑い出そう告げる。


「うわあああああああ」

男はそのまま店から逃げでるように慌てて走り去っていった。



「またのお越しをお待ちしておりますー」

菊月はいつものように笑顔でそういうと、静たちの部屋を横目で見、客のところへと入っていった。


(俺はとんでもない奴を敵に回したのか!?)



ーーーーーーーーー


カタン、タン

沖田は装飾刀をそのまま床へと落とした。


「殺さないでくれてありがとうございました」

着物の襟を直しながらそう呟く紫に沖田は怒りの混じったかのような低い声で尋ねる。


「、、、、、なんで抵抗しなかったの?」

少しの沈黙のあと、無表情で淡々と紫は答える。


「、、、、、あれも私の仕事です。お客様にご奉仕し、お代金をいただく。たとえただの夜の玩具であっても、あれが遊女である今の私の仕事です。沖田さんもそうやって初めて私を抱いたじゃないですか」


(そう、、、、)

(好きな人にだけ抱かれるなんて、、、きっとこの時代では、、、)

「、、、、、。」

その言葉を沖田は立ったまま黙って聞いている。


「貴方だってそうでしょ?私のこと玩具だって思っ、、、」

沖田の方を向いてそう告げようとした瞬間、



ガバッ

紫は沖田に覆いかぶさられ、畳へと押し倒される。

そして


ギシッ

「ぁっ!」

「ーっ!」

沖田のそれが躊躇なく紫の中へと入ってくる。

急激な刺激と、慣らさずに入れられた痛みに紫は声を上げる。


「僕は、、君のこと、、ただの玩具だなんて思ってない。僕は、、僕は君のこと、、、」

熱い息を吐きながら途切れ途切れに沖田は紫にそう告げる。


その表情からはいつもの余裕は感じられない。

「!」

(沖田さん、、、、)

歪むその顔に紫は自分の胸が痛むのを感じる。



そして、頬に手を添えると

「ごめんなさい」

ちゅっ

そのままその唇に口付けた。


(知らなかった)

(江戸幕末、人斬り集団として恐れられた新選組)

(その一番組組長が)


名残惜しくも触れるだけのキスをしたあと

息のかかる距離で二人は視線を絡ませる。


「、、、、、。」

「、、、、、。」


(こんなにも)


そして、

ちゅっ

今度は深く求めあった。

(愛のある人なんだって)


(教科書にも載ってない)


「君を抱いていいのは、僕だけだ」


(私だけが知っている)


「、、、、はい」

ギシッ


(秘密)

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