表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
取り憑き婚活~すれ違い系ラブコメ~  作者: かなかな
1章~初恋の人を探せ~
6/62

第6話 声が聞こえる

~今までの経緯を高梨先輩に説明中~

「事情は分かった!不思議なこともあるんだな。俺はきっと第六感がすごいんだな」

 あっさりと高梨先輩は信じてくれた。僕の方があっさり信じてもらえ過ぎてびっくりした。


「俺が協力してやる!合コンを開いてやる」

 高梨先輩が目を輝かせて言う。


「高梨先輩!ありがとうございます!」

 これは断ったらダメなやつだな…

 権蔵のことが見える仲間ができたことは心強い。


「おう!任せておけ!合コンには、もう1人必要だな」

 高梨先輩はスマホを見ながら言った。

 どうやら榊原という高梨先輩の知り合いにメールで連絡したらしい。それで、人数を3人にしてほしい返答されたようだ。


「あのーワシはどうでしょうか?」

 権蔵が何か言っている。聞こえない聞こえない。本当はちゃんと聞こえているけど。


 僕は『彼女欲しい』が口癖のように毎日言ってる後輩を思い出した。


「あともう1人は同じ課の桂はどうですか?」

 僕がそう言うと、権蔵が駄々をこねだした。

「ワシも合コンしてみたい!」

 高梨先輩も権蔵を無視して話を進めている。


「あいつはいつも『彼女が欲しい、欲しい!』言ってるもんな。適任だな」

 高梨先輩がそう言うと、いい加減権蔵がキレだす。

「ワシは無視かい!」


 さすがに無視はやりすぎたかな。

「権蔵は他の人には見えないからダメだろ!」

 僕がそう言ってため息をつく。


「空の席にもう1人いるんですって言ったらさすがに女の子ドン引きだわ」

 高梨先輩もそう言ってため息をつく。

「ワシにいい考えがある…」

 権蔵はニヤリとした。


 結局仕事終わりに会社の後輩で26歳の桂を高梨先輩が合コンに誘った。

「桂!今度合コンするんだが…」

 高梨先輩がまだ言い終えてないうちに桂が即答した。

「行くっす!!」

 僕はその返事の速さに驚いた。

「はっやっ」

 桂は二つ返事でOKしてくれた。


 高梨先輩に僕はコソッと言った。

「自分の力でも頑張ってみます!」

 高梨先輩は笑いながら褒めてくれる。

「そうか!えらいな」


 ~何日後か~

「よし、婚活アプリを、やってみよう!」

 僕は権蔵にそう言って、サイトを調べ、婚活サイトのアプリをやってみた。

 そして有料会員になった。

 いいね!を押しまくり、とにかくメッセージを送りまくった。


「お主はメールの書き方がなっとらん。事務的なメッセージじゃ話が弾まんぞ」

 僕は権蔵に言われた通りにメッセージを打った。

 そうしたらメッセージの返信が倍になりラリーも続くようになった。

 婚活サイトのアプリでメッセージで仲良くなった女性がいた。

柿島まみさん26歳 茶髪ロングの可愛い系の女の子だ。


 まみさんからの、メッセージ

『良かったら、今度会いませんか?♡』


 僕は喜んですぐにメールに返信した。


 僕のメッセージ

『ぜひお会いしたいです!いつがよろしいですか?』


 そして後日、柿島さんはメッセージで約束した場所に立っていた。


「はじめまして♡」

柿島さんはニッコリと挨拶してくれた


「…どうも…」

 僕は緊張して一言しか言えなかった。

柿島さんは僕の対応に、びっくりした顔をした。

 その後もメールのようには話が弾まず、解散したその後柿島さんからメールの返信が来ることは無かった。

次は合コンで頑張るぞ


 ~そして合コン当日~

 僕は虎柄のポロシャツにドクロのジーパンと言う格好で1番に待ち合わせ場所に待っていた。ビルの中の居酒屋さんで合コンするらしい。

「ワシが服を選んでやると言ったのに…ダサい格好で来おって」


「遠慮しておくよ」

 僕は即答した

はっきりいって権蔵のファッションもダサい。


「初恋の…」

急に権蔵が真剣な顔で何やら呟いた。


「今…彼女の声が聞こえた!」

 急に動揺しだす権蔵。

 僕は胸が締め付けられるような気持ちになり、トイレに向かった。トイレに行く途中の通路でバッタリと、秘書の桃井さんと会ってしまった。


「たちばなさんどうしたんですか?」

桃井さんが僕に気づいて話しかけてくれた。


「いえ、あの飲み会で来てて…」

僕は慌てていたので気の利いた事を言えなかった。


「私も飲み会ですよ。顔色悪いですよ。お大事に」

 桃井さんがそう言ってどこかに行くと、ビルのエントランスで今度は社長を見かけてしまった。

 どう挨拶するべきか迷っていると…今猿社長がこっちを見た。

「社長、それでは失礼します。」

 そばにいた女性は速やかに帰って行った。


「たちばなさんですよね?」

今猿社長が近づいて話しかけてきた。


「僕の名前をご存知なんですか?」

僕は今猿社長が僕の名前を覚えていてくれたことに驚いた。


「たちばなさん。こないだ事故に遭われたましたよね?」

 なんで最近会社に来た社長が僕のことこんなに詳しいのだろうか?もしかして…


「社長があの時の事故の運転手ですか?」

僕は恐る恐る言った。


「そうです。ご挨拶も出来ずに申し訳ございません。その後体調はいかがですか?」

 今猿社長は申し訳なさそうに言う。


「そうでしたか!体調は大丈夫です。あの大金も社長からですか?」

僕は頭を下げながら言った。


「お気持ちだけですが」

 今猿社長がそう言った。

あの大金は今猿社長からだったのか…あの大金でお気持ちだけとは今猿社長は金持ちなんだな…


「こちらこそありがとうございます!気にしないでください。先程の女性はどなたですか?」

 なぜか気になり、僕は思わず口走っていた。


「口説いてたけど逃げられちゃいました」

 今猿社長のその言葉になぜか僕は胸がちくりと痛んだ。


「社長と部下ではなく連絡先を交換しましょう。何かあったらいつでも言ってください」

今猿社長は僕に名刺をくれた


「ありがとうございます」

 僕は名刺を渡した。


「忘れたくても忘れられぬあの声…

 聞こえただけで涙が出るのじゃ…」

 権蔵は涙を流しながら言っている。

 僕は何も言えなかった。


「思い出したぞ。[黒髪]じゃった。しかし、こんなにも切ない気持ちになるのに他に何も思い出せんのじゃ」

 権蔵は泣き止む気配がない。さすがに可哀想になってきた。僕まで胸が締め付けられるような痛みがあるような気がした。

 しかし、もうすぐ合コンが…どうする?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ