第59話 同窓会
最終回まであと、3話
いよいよ同窓会に行くことになった。
僕は縁に教えて貰った場所に向かった。
会場は結婚式場を借りたらしい。
今回はカップル同伴OKなので、縁は奥さんを連れてくるようだ。
僕は今回は1人で参加だ。笹野さんも連れてきたかったな。
『僕の彼女です! 』って自慢したらみんな羨ましがるだろうな。なんてね
受付は青柳翔くんがやっていた。
クラスで1番イケメンでスポーツ万能で、サッカー部だった。
今は頭頂部が透けて見える。
「ここに名前をご記入ください」
青柳くんは淡々と言った。
「久しぶりだね」
僕は青柳くんに声をかけた。
「えーと……はいはい。ひ、久しぶりだね」
青柳くんはものすごくたじろぎながら答える。
あっ僕のこと覚えてないな。
僕が名簿に名前を書くと青柳くんは名簿をチラ見してたが、名前を見てもまだ思い出せないようだ。
まあ、影が薄いし忘れられても仕方ないか。
「あやつは確か……3股がバレてなかったことにしてくれとわしにお願いしに来たやつじゃな」
権蔵がサラッと言った。
確かに青柳くんは高校時代モテモテだったが3股してたとはなあ。
「よお、橘! 久しぶりだなあ。」
後ろから誰か声をかけてきた。
「も、もしかして健一か?」
元野球部の小清水健一だ。よく家に遊びに行ったな。当時は坊主だったけど、今はロン毛にしておしゃれな感じになっている。
「橘。お前変わらないなあ。」
小清水は笑っている。
「健一はだいぶ変わったなあ」
僕も笑いながら言った。
「こやつは甲子園に行かせてほしいとわしにお願いしてたのう」
権蔵も笑いながら言った。
僕が高校生の時に実際にうちの野球部は甲子園に出場した
これも権蔵が叶えたのか……
「なんで誰にも権蔵が見えないんだよ? 」
僕はふと疑問に思った。
「願いを叶えていないからじゃな」
権蔵がてへぺろとしながら言った。
「でも甲子園に行ったぞ? 」
健一の願いは叶ってるじゃないか。
「わしの力なんぞ借りんでも甲子園とやらには行けたから傍観してたんじゃ」
権蔵が自慢げに言った。
「橘。何ぶつぶつ独り言言ってるんだ?」
健一が訝しげな顔をする。
「なんでもないよ! じゃあまたな」
危ない。1人で喋ってる変なやつに見られたな。
「権太くん。久しぶりだね」
また誰かが僕に声をかけてきた。
「智か? 変わらないなあ。」
吹奏楽部で一緒だった天沢智だ。
「……こやつはわしのところに来てないな」
権蔵がつまらなさそうに言った。
「権太くんこそ変わらないね。懐かしいなあ。今度飲みに行かない? 」
智が嬉しそうに僕に話しかける。
「いいね。飲みに行こう。これ僕のTOIN」
僕は智とTOINを交換した。
「さとくん、たちちゃん元気やったかあ? 」
後ろから肩を組まれた。吹奏楽部長をしていた小栗部長だった。
「小栗部長ご無沙汰してます」
僕と智は小栗部長に深々と挨拶した。
ふと見ると僕と同い年ぐらいの見知らぬ白人男性が小栗部長の隣にいた。
「紹介するわ。私の彼氏のレオや」
小栗部長は他に3人彼氏がいるんだよなあ。
しかし外国人とはすごいなあ。
「小栗部長、もうすぐ吹奏楽部の集合写真を撮りますよ」
聖川先輩が小栗部長を呼びに来た。
「ほな。行こか?」
小栗部長は足早に行く。
「君たち久しぶりだね。会場Aで撮影するからおいで」
聖川先輩は何やら忙しそうだ。
「先輩もお変わりなく」
僕達が聖川先輩に挨拶をした。
すると驚くようなことを権蔵は言い放った。
「こやつは……お前を呪ってほしいとわしにお願いしてきたやつじゃ」
え……なんだって……あの優しかった聖川先輩が僕を…
呪いたかっただと?
「まさか叶えたんじゃないだろうな」
「わしは気に入った願いしか叶えん。人を呪うなどそのような人を不幸にする願い事は、言語道断じゃ」
とりあえず、呪われてなくてよかった。
「どうしたの? 権太くん」
智が僕の様子が変なことに気づいたようだ。
「大丈夫だ。会場Aに行こう」
会場Aまで行くと見知った顔が沢山いた。その中に縁夫妻もいた。
「権太! こっちだ! 」
縁が手を振っている。
「紹介するよ。俺の妻の瑠璃子だ。」
奥さんも筋肉がしっかりとしている。
相当鍛えているんだろうな。
縁の奥さんに会釈した。
片岡あやめさんは来ていないようだ。
「何だ。橘、おまえ今日は来てたのか? どういう風の吹き回しだ? 」
後ろから嫌な声が聞こえた。不知火だ。嫌な奴がいたなあ
「不知火。僕が来て悪いのかよ? 」
売られた喧嘩は買わないとな。
「俺様に負けて尻尾まいて逃げたのかと思ったよ」
不知火が不敵な笑みを浮かべる。
「不知火に僕が負けたってどういうことだよ? 」
不知火は何を言ってるんだ。
負けたことなんて成績と楽器以外ないぞ。
「おまえ。忘れたのか?それはだな……」
不知火がなにか言おうとしたら周りが騒がしくなった。
「あずちゃん久しぶりやなあ。元気やった?」
小栗部長が大喜びで大声で言った。あずちゃん!?
まさか……笹野さんが同窓会に来たのか。
「誰? あのイケメン」
誰かからそんな声が聞こえた。
男性が来たのか?あずちゃんだと小豆沢さんだと思ったけどほかの人だったかな?
「久しぶり! 蔵子さん」
不知火が僕を押しのけて、笹野さんの所に行った。
「久し振りだな。不知火くん」
笹野さんが低い声で言うと不知火は驚いていた。
笹野さんは『来ない』って言ったのにやっぱり来たんだ。
僕に会いたくてかな?……なんてね。
「初めまして。今猿誠です」
不知火が口をぱくぱくしながら驚いていた。
不知火は残念なイケメンだが、今猿社長はパーフェクトなイケメンだもんな。笹野さんは何で今猿社長を連れてきたんだろう?
「ふたりはどういう関係ですか? 」
不知火は負けずに今猿社長に質問した。
「僕は小豆沢蔵子の恋人として来ました」
今猿社長は爽やかに答えた。
えっ……!不知火がなんか騒いでいたがそれが耳に入らないぐらい僕は驚いた。
なんで?蔵子さん……
読んでくださりありがとうございます!o(_ _)o ペコリ




