第57話 高梨編 馴れ初めは
最終回まであと、5話です
6月末吉日俺は高梨光雄、37歳独身だった。
自分で言っちゃなんだがかなりモテる方だ。
しかし35歳を超えてからは彼女がいない。
なんとか40歳までは結婚したい。親も結婚結婚結婚うるさいしな。
そんな俺がやっと今日結婚式を挙げる。
相手は婚活で出会った皆藤みなみだ。
3親等ぐらいの親族と近くの友達だけの小さな結婚式だ。俺はスーツでみなみはカジュアルな白のドレスを着ている。
気を利かせて橘と笹野ありすを隣の席にしたがイマイチ進展がない。
今日は俺とみなみの馴れ初めを話そうか。
同僚に橘権太という男がいるんだが、どうやら侍に取り憑かれたらしい。
でも、その侍は権蔵という名前で俺にもはっきり見えるんだ。
最初は失礼なやつだと思ったが話してみるといいやつで面白い。
橘はこいつの案で婚活するらしい。
今まで俺も何回か婚活を考えていたが、なかなか一人でするには勇気が必要でやっていなかった。
まず頭に浮かんだのは大学時代によく行った合コンだ。やっぱり3人グループのがいい。
そういえば『結婚したい』といってた後輩がいたな。
桂なら俺と、仲もいいしいいだろう。
合コンは盛り上がったが結果的に失敗だった。
次に俺たちは音楽コンに行った。
趣味が合う人と出会えればと思ったが連絡先すらもらえず、大失敗だった。特に橘が!
次に行ったのは、婚活飲み屋だった。そこで俺とみなみは初めて出会った。
橘は酔いつぶれていたが放っておいた。
みなみの第一印象は可愛い子だと思った。
なんかほかの女の子とは違うオーラがあり、気になった。まだ好きかどうかはわからなかった。
俺が主導で連絡先を聞いたら、みなみは顔を赤くして連絡先をくれた。電話番号とメールアドレスとTOINだ。
みなみとTOINするが、俺が話をするばかりで『すごいですね! 』とか『なるほど! 』とか当たり障りのない返事ばかりだ。なかなか自分のことを話してくれなかった。
次に行ったのは婚活パーティーだ。
たまたまみなみも同じパーティーに参加してたらしい。みなみと話してたらたまたま昔俺が好きだったアニメの話になった。俺からその話題をふった。
最初はみなみは遠慮がちに話していたが、だんだん詳しく話してお互い意気投合した。
みなみはアニメにすごく詳しく、しかも俺が好きだったアニメが特に好きで年齢差を感じなかった。
話は盛り上がったが、ここは婚活だから色々な女性と話したい。だからパーティーでは連絡先知らない女性を選んだ。
俺も婚活アプリとかもやってみた。会ってみていい感じの女性もいた。婚活だから何人かと並行しようと思った。
そして婚活パーティーで出会った女性と食事をしてたら、婚活アプリで出会った別の女性が偶然入ってきた。
「最低! 」
そう言われて婚活アプリの女に俺はビンタされた。
「彼女がいるのに婚活パーティーに来るなんてひどい! 」
と言われ、婚活パーティーの女にも愛想をつかされた。
結構な修羅場だった。
次にバレンタインだが、橘からみなみのチョコレートをもらった。
高級な包装紙だったが、中身は手作りチョコケーキだった。形はハートを崩した感じで変だったが、味は美味しかった。一生懸命さが伝わった。そういうところに惹かれたんだと思う。
ホワイトデーは桂はセンスのいいお菓子を配っていて、橘はスーパーの安そうなチョコレートを配っていた。俺はデパートで見繕ってお返しした。
みなみには最近のアニメの飴をあげた。俺はよくわからないがみなみが好きだと言っていたアニメだ。たまたまアニメ名を覚えていたんだ
俺はTOINでみなみに住所を聞いてその飴を持って、家に行ったんだ。みなみの家はマンションの一室でみなみは、なんだか汗だくだった。
みなみに飴を渡すとすごい喜んでいた。
みなみが夕飯を用意してくれるらしく台所で料理をしている。
俺はリビングに1人になった。
ふとクローゼットの中からビニール袋が挟まっているのが気になった。
俺はちょっとだけクローゼットを開けた。
─ガザガザガザガザガザガサ
すると、薄い本がたくさん落ちてきた。
いわゆるBLだろうか。
物音を聞きつけたみなみが慌ててリビングに来た。
「見られたくないものもあるんですから勝手に開けないでください」
いつも大人しいみなみに怒られた。それがきっかけでみなみと俺は、大喧嘩した。
俺は、みなみのことが気になったが結婚相談所に行った。
その時にTOINでみなみにメッセージを送った。
TOIN 高梨光雄
『こないだはごめんな。勝手に開けて。でも好きなことがあるって素敵なことだから堂々としてていいと思うよ。趣味について語るみなみは輝いてたよ。やり直したい。返事が来なければみなみのことは諦めるつもりだ。
今近くのtorikon系列の結婚相談所に来てる』
みなみに連絡したが返事は3日来なかった。
そんな中結婚相談所の鬼龍院さんがお見合い相手を持ってきた。相手からの希望らしい。
見てみると皆藤みなみとあり、俺は笑ってしまった。
みなみとお見合いすることにした。
「私の方こそごめんなさい。直接言いたかったの。TOINのメッセージ嬉しくて」
みなみは最初に会うなり謝り倒した。
「いいんだ。俺たち結婚しよう」
みなみは泣きながらうなづいた。
これが俺たちの馴れ初めだ。
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