第55話 弟、橘 力登場
また登場人物増えました!
~高校時代~
10月10日……つまり明日は蔵子さんの誕生日がある。
なんで知っているかって?
不知火が蔵子さんが困ってるのにしつこく誕生日を聞いていたからだ。
僕はただ聞いていただけだ。
まあそれは置いておいて、僕は映画の前売りチケットを2枚持っている。
どうやって蔵子さんを誘おうか?
明日から1週間は部活がテスト休みだ。
勉強しろって?
僕は人生のお勉強をするのでテストどころではない。
1日ぐらい勉強しなくても大丈夫だろ。
蔵子さんはトランペットの腕前も天才で音楽大学に行くらしい。
これも僕は聞いてきただけだ。
~休み時間~
「蔵子さん! 明日ご飯行かない? 」
不知火め! おまえは勉強しろ! あっ僕より成績良かったんだな。
「明日は勉強するのでごめんなさい」
ふふふ。不知火め! 断られてやんの! ざまあみろ! って同じ理由で僕も、断られるじゃん!
なんか違うこと考えないと!
勉強でわからないところ教えて……これならどうだろうか?
~お昼休み~
「小豆沢さん数学でわからないところあるんだけど、明日うちで勉強会しない~? 」
おまえ誰だよ! ジャージに名前が書いてあるな。
『田中』か! おまえも蔵子さん狙ってたのか!
真面目そうな顔して、いきなり家に誘うとかどんだけふしだらだよ!
「私は1人で勉強しないと落ち着かないからごめんなさい」
ふふふ。田中も断れてやんの……って僕も同じ理由で断れられるじゃないか!
そしてあっという間に声もかけれずに、放課後になってしまった。
映画は縁と行こうかな。縁が来るまで校門で待ってよう。
~しばらくして~
縁が校門に来た。
「おーい……」
僕が声をかけようとすると、よく見ると縁はクラスの 片岡あやめと一緒に来た。
片岡あやめは吹奏楽部で蔵子さんと仲の良い女子だ。
蔵子さんが話しかけてるようだ。
「2人は付き合ってるの? 」
片岡さんがにこやかに答える。
「昨日からね♡」
な、な、な、なんと縁は片岡さんと付き合ってたのか! 親友の僕も知らなかった……昨日じゃ無理か。
「小豆沢さんも、もし俺が結婚したら来てくださいよ」
縁が照れくさそうに、笑いながら言った。
「絶対行くよ」
蔵子さんも嬉しそうに言った。
これは、『ダブルデートしませんか? 』でいけるかな?
いや、デートって言いづらいな。そう考えているうちに蔵子さんはどこか行ってしまった。
「おう! 権太! 」
縁はハイテンションで僕に声をかける。
「おう……」
僕はなんて言ったらいいかうろたえた。
「俺の彼女の片岡さんだ」
縁が片岡さんを僕に紹介した。
「初めまして」
片岡さんはそう言ったが、ちなみに片岡さんとは初めましてではない。
会話はしたことないけど。
「初めまして。縁よかったな。おめでとう」
僕が縁の肩を組んだ。嬉しいような……寂しいような……
「権太もがんばれよ。じゃあな」
縁は僕のポケットのチケットを少し奥に入れて片岡さんと帰って行った。
縁には僕の考えはお見通しらしい。
構内を探したが蔵子さんは見つからなかった。
もう帰ってしまったのだろうか?
僕は映画のチケットをカバンの中に入れた。
僕は落ち込みながら駅に向かった。
自転車が目の前から猛スピードで僕の方に来た。
僕は避けたけどひっくり返って、カバンからばらまいた。
「大丈夫? 」
蔵子さんが突然現れて僕の荷物を拾う。
「ありがとうございます。小豆沢さんどうしてここに? 」
僕は驚いて早口になった。
「今日から部活はお休みだから色々手入れしてたの」
蔵子さんは全部拾って僕のカバンの中に入れてくれた。
映画のチケットが泥まみれになって落ちていた。
「あっ……」
僕は悲しくなった。
「これ。権太くんの? 」
蔵子さんはそう言うと綺麗なハンカチを出してチケットを拾ってくれた。
「そうだよ。でも……泥だらけだから使えないよ」
こんな泥だらけのチケット蔵子さんに渡せないよ。
「これなら大丈夫だよ! 誰かと行く予定だったかな? 」
蔵子さんはハンカチで綺麗にチケットを磨いてくれた。
「縁と行こうと思ってたけど先約があったみたいで」
本当は蔵子さんを誘いたかったんだけどな。
「アプリーライブるってラブコメだよね?これ見たかった映画だ」
蔵子さんはエンジェルスマイルで言った。
「い、一緒に明日見に行きますか? 」
僕はここがチャンスだと思った。
「いいの? 行くよ」
蔵子さんは嬉しそうだ!
「あの……勉強は大丈夫?」
僕はパニックになって自分に不利なことを言ってしまった。勉強しなきゃって断られるじゃん。
「たまには息抜きしないとね。10時に駅に待ち合わせでどうかな? 連絡先教えておくね」
蔵子さんは紙にメールアドレスと電話番号を書いてくれた。よっしゃあーやったあ。明日は最高の日だ。
家に帰り、明日着ていく服を選んでいた。
この可愛いくまのTシャツと短パンにしよう。
「なんだ? 兄貴。デートでも行くのか? 」
そこに弟の橘 力が寄ってきた
力は僕より一つ下で僕とは違いイケメンだ。
「デートではないけど映画にあの小豆沢さんと行くんだよ」
僕は力に自慢げに言った。
「うそ!あの超絶可愛い学校一の美女と?」
なんで中学生の力が知ってるんだよ。
「そうなんだよ」
僕が照れながら言った。
「兄貴。まだエイプリルフールには早いぞ」
力が訝しげな顔をした。
「本当なんだよ!証拠に写真撮ってくるから」
なんか力にすごく疑われてる。
「うーん。本当だとしてもその格好はまずいぞ」
力は僕のクローゼットを見ながら言った。
力は自分の部屋に行き、いくつか服を持ってきた。
「兄貴、これ貸すから着ていけよ」
「ありがとう! 」
明日はいよいよ蔵子さんとデート(?)か……楽しみだな
読んでくださりありがとうございます




