第38話 ライバルと仲間
トランペットかっこいいですよね(*ฅ́˘ฅ̀*)
~高校時代~
結局僕達は吹奏楽部に入った。そしてみんなで簡単な自己紹介をした。
「私が吹奏楽部部長の小栗沙耶や。みんなよろしゅうな」
小栗部長は楽器は何でもできて実力もあることから2年で部長になるというすごい人らしい。
「担当する楽器は決めてきたかな? 」
小栗部長が僕達に訊いてきた。
「僕はホルンがいいです。体力がつきそうだから」
縁はマッスルポーズを取りながら言った……。
縁、もう決めてたの? 僕はどうしよう?
僕にはホルンは無理っぽいしな。
みんなどんどん決めていくな……
「橘くん……たちちゃんでええかな? 」
小栗部長は名簿見ながら言った。
「はい。小栗部長」
僕は軽く返事をした。
「楽器の経験あるかな?」
小栗部長がにこにこと僕に質問した。
「ないです」
僕は即答した。
音楽は好きだけど聴く方専門だからな。
「せやったらフルートかトランペットがええで」
小栗部長がフルートとトランペットを持ってきた
うーん。トランペットのがカッコよさそうだな。
「じゃあトランペットで」
僕はトランペットを指さした。
とりあえず楽器は決まったな。
「小豆沢さんにはフルートが似合うと思うな」
誰だよ。こいつ! みんなのアイドル小豆沢さんに気安く声をかけるやつは!
「初めまして。普通科の不知火さん」
小豆沢さんがニッコリと答えた。
小豆沢さん……よくさっきの自己紹介でよく覚えたな。
「嬉しいですけど私はやってみたい楽器があるんです」
小豆沢さんがニコリと言った。
「小豆沢さん……あずちゃんってええかな? 」
小栗部長もニコリと言った。
「部長。光栄です」
小豆沢さんがエンジェルスマイルを放った。
「あずちゃんは楽器は何がええんかな?」
小栗部長は小豆沢さんの方に前のめりで質問した。
「……トランペットです。」
小豆沢さんが恥ずかしそうに言った。
え? 僕と同じだ! パート練習の時に小豆沢さんと一緒にできる!
嬉しいなあ。
「僕もトランペットがいいです」
不知火が急に楽器を決めた。
どう見ても小豆沢さん狙いだろ!
さっきまでフルートがいいって言ってたじゃないか!
結局新入生のトランペットは僕と小豆沢さんと不知火ともう1人は知らない男子だった。
「初めまして。普通科の 天沢智です。よろしくね」
天沢くんと言うのか……
よかった。話しやすそうな人で……
「僕は普通科の不知火駿一です。トランペット経験者です。よろしく」
不知火は得意げに言った。
わざわざ経験者って言うか? いや今は言う時か……
「私は普通科の小豆沢蔵子です。初心者ですがよろしくお願いします」
小豆沢さんが天使のスマイルで自己紹介した。
「僕は普通科の橘 権太です。同じく初心者だけどよろしくお願いします」
僕はなんとなく小豆沢さんにアピールしたくて『同じく初心者』って言ってみた。
「僕は経験者だからいつでも教えてあげるよ」
不知火が僕を背にして小豆沢さんだけに向かって言った。
「それはよかった。僕にも教えて下さいね」
僕は、わざわざ不知火の前に回り込んで不知火に言った。
「教えてあげるよ! ビシバシと!」
不知火は僕を睨みつけた。
僕も負けじと睨み返した。
しばらくして学校生活を送って分かったが不知火はモテて女たらしでスポーツ万能のいけ好かないやつだった。
天沢は休み時間に読書していつもぼんやりしてて人畜無害な感じだ。
最近は縁と天沢と僕で3人でつるむ事が多い。
小豆沢さんは頭が良くすごくモテて先輩からも同級生からも好かれていた。
☆今~レストランにて~☆
そういえば、天沢智と不知火のことも忘れていたな。
あいつら今何してんだろ?
まあそろそろ帰るか……
僕はお代を払い、フラフラと帰って行った。
~翌日~
─プルルルルルル
僕のスマホに電話があった。『結婚相談所』の鬼龍院さんからだ。すっかり忘れていたな……
「もしもし、橘です。」
僕は電話に出た。
「橘さん。最近いらっしゃいませんけどいかがされましたか?」
鬼龍院さんはマメだなあ。
権蔵の探してた人は見つかったのでもう婚活で相手を探さなくていいんだよなあ。
「こちらで良い人が見つかったので退会します。」
僕はとりあえず退会することにした。
「えっ!それはおめでとうございます。」
鬼龍院さんは声だけでわかるぐらい相当驚いている。
「何かあった時のために『休会』にしていつでも再開できるようにします。その間は会費は結構ですが以下がなさいますか? 」
鬼龍院さんは流暢に言った
うーん。引き止められたなあ……どうしよう?
お金も結構高いしな……
「何かあったらワシがなんとかしてやる」
権蔵は自信満々に言う。断るか……
「この御縁を大事にしたいので退会します」
「そうですか……おめでとうございます!お幸せになって下さい」
鬼龍院さんはやっと電話を切った。
やっと退会できたな……こんなに早く権蔵が探してる人が見つかるとは思わなかったな。
~そしてライブ前日~
僕は会社に行ったら桂が廊下で電話していた。
「もしもし。あっ!鬼龍院さんですか?」
どうやら桂にも結婚相談所から電話があったらしい。
「はい。仕方ないですね……会ってみます!」
桂が困りながら答えている。
えっ? 桂……桃井さんのことが好きじゃなかったの?
桂は電話を切った。
僕は桂に近寄って話しかけた。
「桂!桃井さんとはどうなったんだよ?」
まさか桂が振られたのか?
「どうって告白してから進展してないっす」
桂が落ち込みながら、話す。
あんなに本気だったのにどうしたんだよ?
「桃井さんのことは諦めたのか?」
僕はさすがに桂が可哀想になった。
「諦めるわけないっす」
桂は即答した。
「でも結婚相談所の紹介した人と会うって……」
僕はそう言いかけて、桂の後ろから桃井さんが歩いてきたのを見て黙った。
しかし、桂は続きを答えた。
「退会したいって言おうと思ったんすけど、鬼龍院さんがどうしても会ってくれと言うので断り切れなくて……」
「桂!桃井さんが後ろから来たよ」
僕は桂にこっそり言った。
「も、桃井さん!さっきの聞いてましたか?」
桂は驚いて振り向いた。
どう見ても桃井さんは不機嫌だ。さっきの話し聞かれたみたいだな。
「いえいえ。聞いてませんよ。|結婚相談所の女性と会う《・》なんて」
桃井さんしっかり聞いてるよね……
「僕は桃井さん一筋っすから! ちゃんと退会してきます!」
桂が慌てて言った。
「退会するかどうかは私には無関係ですから。気にしないでください」
桃井さんはどう見ても怒ってる。
「それより橘さん。明日ライブに行かれるんですよね?小腹が空くと思ってクッキー焼いたので明日食べてください」
桃井さんがそう言うと、僕にクッキーが入った可愛い袋をくれた。袋には小さく『|TG《Tachibana Gonta》』とイニシャルが縫ってある。
「ありがとうございます!こっちの袋はなんですか? 」
僕はそう言いながら、隣で睨んでくる桂が気になった。
「そ、それは高梨さんの分です。」
桃井さんがそう言うと桂があからさまにがっかりする。
しかし、その袋をよく見ると『KY』と入っていた。
「桃井さん! KYって高梨先輩は空気読めますよ」
KYってたぶん|桂雄也《Katsura Yuuya》だろうな。
僕は桂に聞こえるようにあえて質問した。
「お主がKYじゃなあ。桂雄也のイニシャルに決まっておるやろが」
権蔵が目を見開いて僕に言った。何でKYなんて知ってるんだよ。
桂に持ってきたものだった……そんなことは分かってるけど、桂と桃井さんの反応が面白いからな。 AKYだ。
「KYって僕に? 」
桂が喜んでいる。
「KYは感謝用と言う意味です!それでは失礼します! 」
桃井さん……それは無理があるのでは…?
カツカツと音を立てながら桃井さんはどこかへ行った。
「橘先輩~」
桂がKYの方のクッキーをねだる。
「ちゃんと渡さないと僕が桃井さんに怒られる。とりあえず高梨先輩に分けてもらったらどうだ? 」
ちゃんと断らない桂が悪い! と思ったのでちょっぴり意地悪した。高梨先輩なら空気読んで桂にくれるだろう
桃井さんは桂にジェラシー? 独占欲?
この2人はまだまだ引っ付くのは先のようだな。
読んでくださりありがとうございます




