第35話 桃井の悩みは?
お花見いいですね~(๑• ̀ω•́๑)✧
どうして権蔵は侍なのに英語を話せるんだ?
「ワシは笹野ありすの生霊も半分あるのじゃ。あやつの出来ることはできる。ちょっと劣化するが。」
権蔵はドヤ顔をした!
いや、すごいのは笹野さんだろ!
「権蔵すごいな! じゃあ橘! これ人数分のシートな」
高梨先輩が僕にお花見場所取りセットを渡してきた!
「今の仕事でチャラでは……? 」
僕は呆然とした。
忘れていた……お花見の場所取りのジャンケンに負けたこと……
「これはこれ。それはそれ! 」
今日の高梨先輩は厳しいなあ。
高梨先輩はよっぽど場所取りが嫌なんだな。
~某公園~
僕は桜の下にシートを引き、場所取りをする。
「この時代にも花見の文化は残っておったのだな」
権蔵が満開の桜を見ながらはしゃぐ。
そこに、大量のお弁当を持った桃井さんが来た。
「あれっ橘さんじゃないですか?」
桃井さんは僕に気づいたようだ。
桃井さんはお弁当を置いて、僕の隣に座る。
「お互いお疲れ様です」
僕が一言だけそう言った。
「1人で場所取りなんて大変ですね」
桃井さんがニコッとしながら言った。
「いや、お弁当を持ってくるのも大変ですよ」
僕は笑いながら言った。
「こないだ橘さんのこと前から知ってると言いましたよね? 」
桃井さんがにこやかに言った。
「ああ、そうでしたね……」
そんなこと言ってたかな? 覚えてない……
「私が4年前に入社した時覚えてますか?」
桃井さんが上目遣いをする。
「ああ、秘書課に入った時期待の新人が入ったと噂になってましたね」
僕は桃井さんの目を見ずに言った。
「私はある日期待通りの仕事が出来なくて重圧に潰されそうで廊下で泣いてたんです。
桃井さんが桜を見る。
「そうだったんですか? 」
僕はきょとんとした。
「覚えてないんですね……その時励ましてくれたのが橘さんでした」
桃井さんは苦笑いをしている。
あれっ? 僕励ますなんてことしたかな?
「もう充分頑張ってるから無理しなくていい、期待なんて気にしなくていいよって声をかけてくれたんです」
桃井さんが説明するが僕は全く覚えていない
うーん。もしかしてあれか……
~4年前~
僕がお腹を壊してトイレに行こうとした時にトイレのドアの前で泣いてる女性がいた。
お腹痛い……ほかのところは遠いしな……
「どうしたんですか? 」
僕はとにかくこの女性が泣き止まないとトイレに入れないなと思った。
「みんなが期待の新人だと言うけど、私は失敗ばかりして期待に添えないんです」
女性が泣いている。
いやいや、僕なんか期待もされてないし、失敗ばかりだよ
「もう充分頑張ってるから無理しなくて大丈夫ですよ! 期待なんて気にしなくていいですよ」
とにかくトイレ行きたい……思いついたことを僕は適当に言った。
僕がそう言うと女性は泣きやみ、礼を言った。
「ありがとうございます……! あの、お名前は? 」
「橘です」
僕は名前だけ言った。
「橘さん、ありがとうございます」
そう言って、女性はどこかに行った。
ああ、やっとトイレに行ける……
僕は慌ててトイレに駆け込んだ。
~回想終わり~
「あれ凄い嬉しかったんですよ」
桃井さんが満面の笑みで言う。
「ああ、思い出しましたよ……それは良かったです……」
トイレに行きたかったので適当に言いましたとは言えない……
どうりで合コンの前に会った時に僕の名前を知っていたはずだ。僕は桃井さんのことは噂で聞いて知っていたけど、桃井さんは僕のことなんてわかるはずがないもんな。
「こんちわー差し入れっす」
桂が缶コーヒーを3つ抱えて、桃井さんの隣に座り込んだ。
「桂……こんな早くにどうしたんだ?」
僕は桂の方を向いた。
「やだなあ……橘先輩1人で場所取りなんて大変だと思って手伝いに来たんすよ」
桂がいけしゃあしゃあと言った。
ああ、こいつ……桃井さんがお弁当を運ぶのを見てここに来たな。桂が桃井さんと僕に缶コーヒーを渡す。
「ありがとうございます」
桃井さんは笑顔で桂にお礼を言うがちょっと顔がひきつっている。
「今日は笹野ありすはお花見に来んのかのう? 」
権蔵がつまらなさそうに言う。
「今日は笹野さんは来ないだろ……」
僕はポツリと呟いた。
「笹野課長は今日は仕事が早く終わったので、直でここに向かうそうですよ。」
桂が桃井さんを見つめながら言った。
「今猿社長が来ますから笹野課長もお花見外せなかったんですね」
桃井さんは桂から目を逸らす。
まったく……笹野さんはいつも今猿社長、今猿社長って……
いや呼び方が違うな。誠……誠って……
僕の時の対応と違って今猿社長の時は安心しきった顔をしている。
はあ〜笹野さんと社長は両思いか……
僕が入る隙間なんてあるんだろうか?
しかも、笹野さんへの想いでは負けているし……一緒にいた時間すらも負けている……
「社長には何一つ勝てる気がしない……」
僕はぽつりと呟いた。
「何言ってるんすか? 橘先輩には橘先輩のいい所がありますよ! 」
桂は愛想笑いで言った。
桂……目が死んでるぞ。
おまえ本心から言ってないだろ!
「そうですよ! 人と比べちゃダメですよ」
桃井さんはニッコリと言った。
桃井さんは本心から言っているようだ。
「恋愛は勝ち負けじゃないぞ! 」
権蔵がドヤ顔でそう言った。
権蔵が無理難題を言ってきたから一種の賭けみたいになってるだろう……
でも恋愛を賭けやゲームみたいに思ってたら上手くいかないよな……
「橘先輩……ちょっと席外してもらえないっすか? 」
桂が僕にコソコソっと桃井さんに聞こえないように言った。
はいはい。邪魔者は消えますよ!
「僕はちょっとトイレに」
とりあえずトイレに行ってくるか……
~しばらくして~
もうそろそろ帰っていいだろ。
僕はトイレに行ったあと適当にブラブラしていた。
僕は2人を驚かそうと後の茂みに隠れた。
「僕は桃井さんのことが好きです! 」
桂が桃井さんにちょうど告白している所だった。
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