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取り憑き婚活~すれ違い系ラブコメ~  作者: かなかな
1章~初恋の人を探せ~
29/62

第29話 お見合いと披露宴

作者も運転する時性格変わります(><)

1章は次でラストです(๑• ̀ω•́๑)✧

~カフェにて~

既に今猿社長がコーヒーを飲みながら座っていた。

今猿社長はなんかソワソワしている。


「誠! 来たぞ! 」

笹野さんが手を振りながら言った。


「ありす! 後ろの方々は? 」

今猿社長が僕達の顔をひとりひとり見る。


「ハッピーバースデートゥー社長」

桂と桃井さんと僕が一斉に言った。


「誕生日プレゼントです。」

高梨先輩がメッセージカードと共にぬいぐるみを渡す。


「いやあ。ありがとう! 嬉しいですよ! 」

今猿社長がニコニコと、ぬいぐるみを抱えて喜ぶ。


「ありすは? 」

今猿社長が笹野さんの方を向いて、微笑む。


「REDENCOUNTのドームツアーのアリーナ席取ってある」

笹野さんがコンビニの封筒を胸ポケットから出す。


何だって?

REDENCOUNTのドームツアーのアリーナ席が誕生日プレゼント?


「すごい……人気過ぎて僕はチケットすら取れなかったんですよ」

僕はぽつりと呟いた。


「確か春男行けないって言ってたよな?」

僕の羨ましそうな顔を見て、笹野さんが言った。


「ああ。言ってたな。1枚差し上げるよ。僕の隣だけど。」

今猿社長が気を使って、言ってくださった。


「えっ! いいんですか? 」

僕は申し訳なく思った。


「では、たちばなさんチケット発券したら後日送るので、連絡先を教えてください」

笹野さんが不機嫌そうに言う。


アリーナ席の為だ。ここは笹野さんの表情は見なかったことにしよう。


「はい、どうぞ! 」

僕はSNSを全部書いた名刺を笹野さんに両手でにこやかに渡す。


プルルル


僕のスマホに電話がかかってきた。

《母ちゃん》からだ。

僕は電話に出て、他の人に聞こえないように外に出た。


電話 たちばな

『もしもし、母ちゃんどうしたの?』


電話 母ちゃん

『あんた!婚活してるんでしょ!何で母ちゃんに言ってくれないの?』


電話 たちばな

『最近始めたばかりだから……大体母ちゃんどこで僕が婚活してるって知ったんだよ?』


電話 母ちゃん

『そりゃあ。あんたのtocebookよ』

母ちゃんもSNSしてんのかよ! すごいな!


電話 母ちゃん

『4月の初めの日曜日に、お見合いセッティングしたから神月亭っていう料亭に10時に来てね』


電話 たちばな

『母ちゃん!その日は……』


電話 母ちゃん

『ガーガーピーピー……ちょっと電波悪くて聞こえないから切るわよ』


─ガチャ


母ちゃんに電話を切られてしまった。

4月の初めの日曜日って(えにし)の結婚式の日じゃないか……

14時からだけど間に合うだろうか……


電話が終わると、その後僕達は世間話をして、それぞれ帰って行った。


僕がアパートに帰るとスマホのSNSを見た。

笹野さんから連絡が来ているかどうか確認する為だ。

少しでも連絡が遅れたら怒られそうだからな。

とりあえず、笹野さんから連絡は来てないなあ。


よかった……


縁のtocebookに気になる投稿を見つけた。


tocebook

『吹奏楽部の伝説のマネージャー 小豆沢さんが結婚式に来てくれるらしい!嬉しい(^-^)』


そうか。小豆沢(あずさわ)さんが見つかったのか……

《マネージャー……》

……

……

《M……》

もしかして、権蔵の初恋の人の生まれ変わりって……


「なあ、権蔵。お前最近静かだよな……」

僕は権蔵に向き合って話しかける。


「そ、そんなことないぞ! 」

権蔵はわかりやすく動揺する。


「権蔵。本当は生まれ変わりが誰か分かってるんだろ? 」

僕がそう言うと、権蔵は急に黙り込んだ。

「……」


「小豆沢さんだろ? 」

僕はぽつりと呟いた。


「……分かっているなら仕方ない……そうじゃ」

権蔵もぽつりと呟いた。


やっぱりそうか……黒髪に『M』、僕のことをよく知っている……全ての条件に当てはまる。


「何でその時言わないんだよ」

僕はなんだか分からないけど胸が痛い。


「お主が気づかんと意味が無いからな」

権蔵は寂しそうに言った。


しかし、小豆沢さんにはもう交際を断られている。


「ごめん。初恋の人の生まれ変わりを見つけるので僕には精一杯だ。その先は無理だったよ」

僕はなんだかわからない悔しさでいっぱいだった。


tocebook たちばな

『4月の初めの日曜日…朝、お見合いに行きます。結婚式に間に合わせたい。場所 神月亭神月亭(かみつきてい)


小豆沢さんに会う勇気がない……

しかし、縁の結婚式には絶対行きたいし、行かなければいけない。

運命は神様に任せるか……


~4月の初めの日曜日~

僕は神月亭という料亭に来ていた。

[樫木沙羅(かしぎさら)] 35歳 キャリアウーマン風の女性とお見合いした。

仲人さんと樫木さんのご両親とうちの両親も来ていた。

少し世間話をして、僕達だけ庭でお話しすることになった。


やばいな。これ本格的なお見合いだ。

このまま結婚が決まってしまうかも。


「やさしそうな方で良かったです。」

樫木さんが嬉しそうに言う。


こういう時に限って、好印象なんだよな……


ああ、もう12時か……

今からじゃ……もう……

縁の結婚式間に合わないな……僕は運転出来ないから


「何をそんなに卑屈になってるんじゃ! 」

権蔵が怒る声も聞こえない。


なぜ、僕が卑屈になっているのか?

僕が一番わからないよ!


─ブオーン!キキーー


外から車がすごい勢いで止まった。

そして車の中からある人がものすごい勢いで僕達に近づいてきた!


「き、如月さん何で? 」

僕は驚いた。車から出てきたその人は如月さんだった。


「私にはたちばなさんがいてくれないと困るんです!お見合い相手の方ごめんなさい。たちばなさんは連れていきます」

そう言って、如月さんは僕の手を引っ張る。


何? 急に愛の告白? どういうこと?


「僕にいてくれないと困るとはどういうことですか?」

僕はぽかんとしていた。


「理由は後で! 」

僕は如月さんの車の助手席に乗せられた。


「シートベルトして下さい」

いつもの優しい如月さんとは違ってすごく焦っているようだ。


「たちばなさんには、探さないといけない人がいるんでしょう? ねえ権蔵さん」

如月さんが車をものすごい勢いで飛ばしながら言った。


「そうじゃ! 諦めるにはまだ早い! 」

権蔵が意気込んで言う。


「如月さん!なぜ権蔵と結婚式のことを?」

僕は驚いた。なぜ権蔵のことを知ってるのか……。


「小豆沢さんは権蔵さんのこと見えるの。私と小豆沢さんは友達で、お話を聞いたから。それと葛城さんとはtocebookで友達なの。」

如月さんはまっすぐ前を見ながら言った。


「えっ! そうだったんですか……」

僕は驚いた。


「お見合いで大事な結婚式すっぽかしたらダメでしょう!」

如月さんはニコッと言った。


「す、すみません。」

僕はたじろいだ。


「小豆沢さんだってたちばなさんのこと嫌いじゃないわ。勝手に振られたと思わないで。」

如月さんはニコッとした。


ああ、いないと困るって言うのは、縁の友人として結婚式すっぽかしたら困るってことか…

僕のtocebook見て、縁に頼まれたってことかな。


「披露宴会場に着きました。走って下さい」

如月さんが披露宴会場に車を横付けした。


「ご迷惑おかけしました。おかげで元気が出ました」

僕は如月さんの車から降りると頭を下げた。


ちらっと如月さんのスマホの画面が見えた。

[mandarinorange0727]と書いてあるのが見えた。


そんなことを気にしている場合ではなく、僕は桜が舞い散る道を走り披露宴会場へ向かう。

読んでくださりありがとうございます!(๑• ̀ω•́๑)✧

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