第29話 お見合いと披露宴
作者も運転する時性格変わります(><)
1章は次でラストです(๑• ̀ω•́๑)✧
~カフェにて~
既に今猿社長がコーヒーを飲みながら座っていた。
今猿社長はなんかソワソワしている。
「誠! 来たぞ! 」
笹野さんが手を振りながら言った。
「ありす! 後ろの方々は? 」
今猿社長が僕達の顔をひとりひとり見る。
「ハッピーバースデートゥー社長」
桂と桃井さんと僕が一斉に言った。
「誕生日プレゼントです。」
高梨先輩がメッセージカードと共にぬいぐるみを渡す。
「いやあ。ありがとう! 嬉しいですよ! 」
今猿社長がニコニコと、ぬいぐるみを抱えて喜ぶ。
「ありすは? 」
今猿社長が笹野さんの方を向いて、微笑む。
「REDENCOUNTのドームツアーのアリーナ席取ってある」
笹野さんがコンビニの封筒を胸ポケットから出す。
何だって?
REDENCOUNTのドームツアーのアリーナ席が誕生日プレゼント?
「すごい……人気過ぎて僕はチケットすら取れなかったんですよ」
僕はぽつりと呟いた。
「確か春男行けないって言ってたよな?」
僕の羨ましそうな顔を見て、笹野さんが言った。
「ああ。言ってたな。1枚差し上げるよ。僕の隣だけど。」
今猿社長が気を使って、言ってくださった。
「えっ! いいんですか? 」
僕は申し訳なく思った。
「では、たちばなさんチケット発券したら後日送るので、連絡先を教えてください」
笹野さんが不機嫌そうに言う。
アリーナ席の為だ。ここは笹野さんの表情は見なかったことにしよう。
「はい、どうぞ! 」
僕はSNSを全部書いた名刺を笹野さんに両手でにこやかに渡す。
プルルル
僕のスマホに電話がかかってきた。
《母ちゃん》からだ。
僕は電話に出て、他の人に聞こえないように外に出た。
電話 たちばな
『もしもし、母ちゃんどうしたの?』
電話 母ちゃん
『あんた!婚活してるんでしょ!何で母ちゃんに言ってくれないの?』
電話 たちばな
『最近始めたばかりだから……大体母ちゃんどこで僕が婚活してるって知ったんだよ?』
電話 母ちゃん
『そりゃあ。あんたのtocebookよ』
母ちゃんもSNSしてんのかよ! すごいな!
電話 母ちゃん
『4月の初めの日曜日に、お見合いセッティングしたから神月亭っていう料亭に10時に来てね』
電話 たちばな
『母ちゃん!その日は……』
電話 母ちゃん
『ガーガーピーピー……ちょっと電波悪くて聞こえないから切るわよ』
─ガチャ
母ちゃんに電話を切られてしまった。
4月の初めの日曜日って縁の結婚式の日じゃないか……
14時からだけど間に合うだろうか……
電話が終わると、その後僕達は世間話をして、それぞれ帰って行った。
僕がアパートに帰るとスマホのSNSを見た。
笹野さんから連絡が来ているかどうか確認する為だ。
少しでも連絡が遅れたら怒られそうだからな。
とりあえず、笹野さんから連絡は来てないなあ。
よかった……
縁のtocebookに気になる投稿を見つけた。
tocebook
『吹奏楽部の伝説のマネージャー 小豆沢さんが結婚式に来てくれるらしい!嬉しい(^-^)』
そうか。小豆沢さんが見つかったのか……
《マネージャー……》
……
……
《M……》
もしかして、権蔵の初恋の人の生まれ変わりって……
「なあ、権蔵。お前最近静かだよな……」
僕は権蔵に向き合って話しかける。
「そ、そんなことないぞ! 」
権蔵はわかりやすく動揺する。
「権蔵。本当は生まれ変わりが誰か分かってるんだろ? 」
僕がそう言うと、権蔵は急に黙り込んだ。
「……」
「小豆沢さんだろ? 」
僕はぽつりと呟いた。
「……分かっているなら仕方ない……そうじゃ」
権蔵もぽつりと呟いた。
やっぱりそうか……黒髪に『M』、僕のことをよく知っている……全ての条件に当てはまる。
「何でその時言わないんだよ」
僕はなんだか分からないけど胸が痛い。
「お主が気づかんと意味が無いからな」
権蔵は寂しそうに言った。
しかし、小豆沢さんにはもう交際を断られている。
「ごめん。初恋の人の生まれ変わりを見つけるので僕には精一杯だ。その先は無理だったよ」
僕はなんだかわからない悔しさでいっぱいだった。
tocebook たちばな
『4月の初めの日曜日…朝、お見合いに行きます。結婚式に間に合わせたい。場所 神月亭神月亭』
小豆沢さんに会う勇気がない……
しかし、縁の結婚式には絶対行きたいし、行かなければいけない。
運命は神様に任せるか……
~4月の初めの日曜日~
僕は神月亭という料亭に来ていた。
[樫木沙羅] 35歳 キャリアウーマン風の女性とお見合いした。
仲人さんと樫木さんのご両親とうちの両親も来ていた。
少し世間話をして、僕達だけ庭でお話しすることになった。
やばいな。これ本格的なお見合いだ。
このまま結婚が決まってしまうかも。
「やさしそうな方で良かったです。」
樫木さんが嬉しそうに言う。
こういう時に限って、好印象なんだよな……
ああ、もう12時か……
今からじゃ……もう……
縁の結婚式間に合わないな……僕は運転出来ないから
「何をそんなに卑屈になってるんじゃ! 」
権蔵が怒る声も聞こえない。
なぜ、僕が卑屈になっているのか?
僕が一番わからないよ!
─ブオーン!キキーー
外から車がすごい勢いで止まった。
そして車の中からある人がものすごい勢いで僕達に近づいてきた!
「き、如月さん何で? 」
僕は驚いた。車から出てきたその人は如月さんだった。
「私にはたちばなさんがいてくれないと困るんです!お見合い相手の方ごめんなさい。たちばなさんは連れていきます」
そう言って、如月さんは僕の手を引っ張る。
何? 急に愛の告白? どういうこと?
「僕にいてくれないと困るとはどういうことですか?」
僕はぽかんとしていた。
「理由は後で! 」
僕は如月さんの車の助手席に乗せられた。
「シートベルトして下さい」
いつもの優しい如月さんとは違ってすごく焦っているようだ。
「たちばなさんには、探さないといけない人がいるんでしょう? ねえ権蔵さん」
如月さんが車をものすごい勢いで飛ばしながら言った。
「そうじゃ! 諦めるにはまだ早い! 」
権蔵が意気込んで言う。
「如月さん!なぜ権蔵と結婚式のことを?」
僕は驚いた。なぜ権蔵のことを知ってるのか……。
「小豆沢さんは権蔵さんのこと見えるの。私と小豆沢さんは友達で、お話を聞いたから。それと葛城さんとはtocebookで友達なの。」
如月さんはまっすぐ前を見ながら言った。
「えっ! そうだったんですか……」
僕は驚いた。
「お見合いで大事な結婚式すっぽかしたらダメでしょう!」
如月さんはニコッと言った。
「す、すみません。」
僕はたじろいだ。
「小豆沢さんだってたちばなさんのこと嫌いじゃないわ。勝手に振られたと思わないで。」
如月さんはニコッとした。
ああ、いないと困るって言うのは、縁の友人として結婚式すっぽかしたら困るってことか…
僕のtocebook見て、縁に頼まれたってことかな。
「披露宴会場に着きました。走って下さい」
如月さんが披露宴会場に車を横付けした。
「ご迷惑おかけしました。おかげで元気が出ました」
僕は如月さんの車から降りると頭を下げた。
ちらっと如月さんのスマホの画面が見えた。
[mandarinorange0727]と書いてあるのが見えた。
そんなことを気にしている場合ではなく、僕は桜が舞い散る道を走り披露宴会場へ向かう。
読んでくださりありがとうございます!(๑• ̀ω•́๑)✧




