第27話 誕生日プレゼント
ぬいぐるみって可愛いですよね(*ฅ́˘ฅ̀*)
いよいよ桃井さん達と社長のプレゼントを選ぶ日がやってきた。待ち合わせはデパートのエントランスだ!
約束の40分前に来て、一番乗りだ!
……と思ったら桂がブランド物のジャケットを羽織って、エントランスの椅子に座って本を読んで待っていた。
僕のスーツが霞むだろうが!
「遅いっすよ! たちばな先輩」
桂が得意げに言った。
「まだ40分ぐらい前だよ」
僕が呆れて言った。
「何言ってるんすか。僕なんて楽しみすぎて開店から待ってたっすよ」
桂は自慢げに言う。
いや。早すぎだろ!
~10分後~
高梨先輩と皆藤さんがペアルックを着て、2人で来た。
「おまえら……もう来てたのか? 来てなかったら2人でデートしようと思ったのに……」
あの高梨先輩がデレデレである。
「まあまた今度しようね♡」
皆藤さんは高梨先輩の腕にしがみつく。
何だ……この虫酸が走る空気は…
そうか……
このリア充が作ってるんだな……
高梨先輩が遠いところに行ってしまった……
~さらに10分後~
「あれっ?皆さん早いですね……まだ20分前ですよ?」
スーツを着た桃井さんが、腕時計を見ながらやってきた。
「あとは如月さんだけっすね」
如月さんは私服はどんな格好で来るんだろう?
楽しみだなあ♡
しかし、その期待は裏切られることになった。
~さらに10分後~
「どうも。初めまして」
その声にみんなが一斉に振り返った。
「……えっ?」
男性陣は驚いて固まっていた。
女性陣は自己紹介している。
ここにやってきたのは、如月めぐではなく……
笹野ありすだった。
今日は僕にとって受難の一日になりそうだ。
「あの~如月さんは?」
恐る恐る僕は笹野さんに質問した。
「ああ、めぐは高熱を出してしまって頼まれてな。代わりに私が来ることになった。」
笹野さんは機械のように言った。
「それはわざわざありがとうございます。」
高梨先輩は普通に笹野さんと挨拶している。
「誠とは10年来の付き合いですから何でも聞いてください」
笹野さんはぶっきらぼうに言った。
「それは頼もしいっすね」
桂はにこにことして言った。
「しかし、何でまた誕生日プレゼントを誠に送ろうと思ったんですか?」
笹野さんが痛いところをついてきた。
あっやばいな……konstagramでコメントくれた人のIDが0727って付いてたからもしかして、今猿社長が権蔵の初恋の人の生まれ変わりだと思って誕生日を聞きましたなんて言えないぞ……
男性陣は必死で言い訳を考える。
「たちばなさんは今猿社長のことを狙ってるんですよ。いつも目で追ってるし、熱い眼差しで見つめているし今猿社長が行く所行く所いますし」
桃井さんが笑いながら言う。
「むー。そうなのですか? 誠は渡さんぞ」
笹野さんが僕をめっちゃ睨んでくる!
今にもとって食われそうだ……
やっぱり笹野さんも社長のこと好きなんだなあ……
モテるな……今猿社長。
ちょっと胸が痛い……
こういう所が他人から見ると今猿社長が好きなように見えるんだろうな。
まあ今猿社長が女性だったらマジ好みだけどな。
「やだなあ。桃井さん冗談キツイですよ……」
僕は笑って誤魔化した。
「そう言えば、高梨先輩いつの間に皆藤さんとカップルに? 」
桂が高梨先輩を肘で小突きながら質問した。
「ああ、結婚相談所でみなみにお見合いを申し込まれてな。俺達結婚することにしたよ」
高梨先輩はサラッと言ってのけた。
「「「えー!! 」」」
そこにいる全員(笹野さんとバカップル以外)が驚愕した……
高梨先輩……ちゃんとお見合い成立してたんですね。
「6月に式を挙げるので皆さん来てくださいね♡」
皆藤さんが高梨先輩の腕にしがみつきながら、満面の笑みで言った。
「6月か……縁の結婚式と被らなくてよかった」
僕は思わず呟いていた……
「縁さんってどなたですか?」
桃井さんが僕に不思議そうに聞いてきた。
「葛城縁……僕の中学、高校時代からの親友ですよ」
僕は桃井さんに説明した
「おめでたいことが続きますね。あちらのお店は今猿社長がよく愛用しているブランドです。行ってみましょう」
桃井さんが僕の手を引っ張る。
僕が後ろを振り向くと、桂が笹野さんの手を引っ張ろうとしていたが、断られていた
。
そして、高梨先輩カップルはずっと手を繋いだままだ。もうあのカップルは放っておこう。
僕達は今猿社長が愛用しているブランド店に来た
「残念だが……誠は、ここのブランドのは全部持ってるな。」
笹野さんが残念そうに言う。
「今猿社長は何が好きっすかね?」
桂が困り気味に笹野さんに言った。
「そうだな……ぬいぐるみかな?可愛いものを、よく集めている」
笹野さんは少し考えてから言った。
「えっ! 意外っすね」
桂が驚いている。
「私も初めて聞きました」
桃井さんまで驚いている。
笹野さんは、さすが10年来の付き合いだけあるな。
僕達は近くのぬいぐるみショップに向かった。
「ありすさん。よく見ると美人だよね。」
桂がそう言って笹野さんの手を握ろうとした。
すると、笹野さんは、ものすごい形相で桂を睨んだ。
「笹野さんはいつも美人っすよ……」
『よく見ると』のセリフに怒ったと思った桂が小さくなっている…
あの桂ですら歯が立たない
ある意味笹野さんすごいな……
「たちばな先輩! 笹野さん怖いっす」
桂がひそひそと僕に言う。
僕に言ってもしょうがないだろ。
「桂が『よく見ると』とか言うからだろ」
僕が溜息をつきながら言った。
「笹野さんは今猿社長に忠誠を誓ってますからね。他の男性とは関わりたくないのかもしれませんね。」
桃井さんがヒソヒソと僕と桂に言った。
「そうなんだ……」
僕はなんとなく呟いた。
笹野さんは今猿社長のペットみたいな感じか?
笹野さんをペット扱いとは社長はやっぱりすごいお方だな……
「このぬいぐるみなんかどうだ? 」
高梨先輩がいつの間にかぬいぐるみを選んでた。
しかも超絶可愛い……新作のクマちゃんを。
高梨先輩カップルちゃんと僕達の話聞いていて、しっかり考えてくれてたんだな。
『放っておこう』とか『虫唾が走る空気』とか思ってごめんなさい!
1mぐらいのぬいぐるみをみんなで割り勘で買って包装してもらった。
僕はこっそり新作の超絶可愛い小さいクマちゃんのぬいぐるみを買った。
買い物を終えた僕達はエントランスの椅子に腰掛けた。
僕が椅子に座るとお尻がすごく痛い……
誰にもわからないようになんとかしないと……
「おい! どうしたんじゃ? 」
権蔵が余計なことに気づいて僕に大声で声をかける。
読んでくださりありがとうございます!m(_ _)m




