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取り憑き婚活~すれ違い系ラブコメ~  作者: かなかな
1章~初恋の人を探せ~
26/62

第26話 おそるべし!!

「結果は……残念ながら交際とはなりませんでした……」

鬼龍院さんは静かに告げた。


マジか……気に入っていたからかなりショックだな……


「良い方でしたが話があまり盛り上がらなかったと……次回は頑張ってくださいね! 」

鬼龍院さんが、僕を励ます。


「はい……」

僕は力なく返事をした。


話が盛り上がったと思ったのは僕だけだったか……


「大体の断り文句に使うからホントのことはわからんぞ」

権蔵が腕を組んで真顔で言っている。


うーん。権蔵。それ(なぐさ)めてくれてるの?

それとも(けな)されているのか分からないんだけど……


「しかし……社長の誕生日プレゼント選びに行くのあと男2人、女性2人ずつ連れていくって桃井さんに言ったのにどうしよう? 」

僕が溜息(ためいき)をつきながら権蔵に言った。


桃井さんに伝えたのは高梨先輩だけどね……


「あと1週間後ではないか! 桃井がいるからあと2人は桂と高梨に任せておけばいいのではないか? 」

権蔵があっけらかんと言った。


おーそれもそうだな! 名案だな


高梨先輩と桂にTOINの[婚活グルチャ(グループチャット)]に連絡してみるか……


TOIN たちばな

『僕は婚活全滅です。2人はどうですか?』


TOIN 桂

『僕も全滅っす』


桂からすぐ返信があった。そして土下座のスタンプを送ってきた。

しかし、桂でもダメとは婚活おそるべし……


TOIN 高梨先輩

『僕は皆藤ちゃん連れていくよ』


少ししてから高梨先輩から返事があった。


TOIN 桂

『皆藤さんってあの婚活の場でよく会う女性っすか?』

桂はものすごいスピードで返信した。


TOIN 高梨先輩

『そうだ』

高梨先輩もすぐ答えた。


TOIN たちばな

『あのバレンタインのチョコレートを高梨先輩にくれた女性ですか?』

僕が少し打つのが遅れてしまって高梨先輩に二重に確認してしまった。


TOIN 高梨先輩

『そうだってば(笑)』

高梨先輩がすぐに返信してきた。



やっぱり高梨先輩も結婚相談所で見つからなかったんだな……

高梨先輩でもダメとは結婚相談所おそるべし……


TOIN 高梨先輩

『そう言えば、今猿コンサルティングの人にお礼言ったのか?如月って女性が昨日僕に電話してきたぞ。たちばなの具合はどうかって。』


TOIN たちばな

『あっ。お礼はまだ言ってないです……』


権蔵の初恋の人の生まれ変わりに気を取られていて、そこまで気が回らなかった……


TOIN 桂

『高梨先輩いつ間に如月さんの連絡先を?』

桂が僕も気になっていた質問をしてくれた。


TOIN 高梨先輩

『ああ、最初に名刺渡したからなあ』


如月(きさらぎ)とやらに来てもらってはダメなのか? 」

権蔵が僕のスマホを覗きながら言う。


そうだ! 如月さんなら社長のことよく知っているし、優しそうだから頼みやすそうだな!


TOIN たちばな

『僕がお礼に行くついでに、如月さんに社長のプレゼント選びに来れるか聞いてみますよ』


TOIN 桂

『名案っすね』

TOIN 高梨先輩

『たちばな!宜しくな』


~平日の夜~

思ったより仕事が長引いてしまったな……

まだやってるかな……


僕は駅で菓子折りを買い、いつもの婚活ビルの1階会社フロアの今猿コンサルティングに向かった。


『今猿コンサルティング』と書いてあるドアを開けた。まだ閉まってないようだ。


「こんばんは……夜分遅くにすみません……」

僕がそう言うが、僕の声が聞こえないのか、みんなこっちを見ずに仕事をしている。


「何の用だ?」

目の前に女性が立っていた。笹野(ささの)ありすだ。


高いハイヒールを()いて上から僕を(にら)みつけている。

如月さんなら良かったのに……


「こ、こないだはご迷惑おかけしました。これお礼です。皆さんでどうぞ!」

僕は両手で買った菓子折を笹野さんに渡す。


「悪いな」

菓子折を見た時に笹野さんが少し微笑んだ気がした。

甘いもの好きなんだな。

と言うか笹野さんいつから僕にタメ口だよ……


「用はこれだけか? 」

笹野さんは、菓子折をずっと見て僕と目を合わさずに質問する。


この会社は接客のマナーが悪いな。

今猿誠(いまさるまこと)社長に言っておかないとな。

まあ、言えないけど……


「如月さんに用があるんですけど……」

僕は恐る恐る笹野さんに言ってみた。


また業務が滞るって怒られるかな?


「そうか。呼んできてやるから、こっちの部屋で待ってて」

笹野さんがそう言うと、来客用の個室に案内してくれた。


そして、手際良くお茶を2つ入れてくれた。

って2つ?


まさかその菓子折のお饅頭が食べたいから案内してくれたのか。


「これは猫舌のめぐの分だ。私はこれで帰るからな」

そう言って笹野さんはドアをバタンと閉めた。


心を読まれたのかと思ったあ。


良かった……笹野さんがいると如月さん誘いづらいからなあ。


お茶でも飲むか……


─ゴクッ

「なにこれ? めっちゃ美味い! 」

僕は一口飲んで驚いた。


「ここの茶葉は良いものを使っておるのう」

お守りを机に置いたからか権蔵も一緒になって飲んでいる。


「あれっ? そう言えば、権蔵ずっと静かだったけどどうして? 」

僕は疑問に思い権蔵に()いた。


「あのおなごは怖いのう」

権蔵がそう言い、震えている。

地縛霊ですら怯える怖さだったか……笹野さんは……

悪い人ではなさそうなんだけど……


~数分後~

「久しぶりですね~たちばなさん! わざわざお礼ありがとうございます! 笹野さんも喜んで食べてましたよ」

如月さんが満面の笑みで言った。


やっぱり笹野さんお饅頭(まんじゅう)を食べてたのか……

今後今猿コンサルティングに来る時は甘い物を毎回持ってこよう。


「今日は今猿(いまさる)部長不在だけど、どうしたんですか? 」

如月さんがにこやかに言ってくれた。


それだけで癒される~。暗雲から現れた太陽なようなお方だ。

「今日は今猿社長……いや部長に用ではなくて如月さんに頼みたいことが……」


~如月さんに事情を説明中~

「そうだったんですね! 私に任せて! 社長のことなら何でも知ってるから」

如月さんは、にこやかに快く引き受けてくれた。


よかった……これでミッションコンプリートだな。


僕は来週のプレゼント選びに起こる受難()をまだ知らずに、浮かれていたのだった。

読んでくださりありがとうございます!

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