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取り憑き婚活~すれ違い系ラブコメ~  作者: かなかな
1章~初恋の人を探せ~
23/62

第23話 プロフィール!

※たちばなと権蔵の個人的見解です

自己PRか……


『彼女いない歴と年齢は同じです(笑)』

自虐ネタならウケるかな?


「馬鹿者!自虐ネタなんぞ女性はドン引くだけじゃ! 『なんの取り柄もない僕ですが、音楽の知識だけは自信があります。一緒にライブとか行けたら嬉しいです!』ぐらい書かんかい!」

権蔵がぷんすか怒っている。


「なんの取り柄もないって言わなくても……」

僕がぶつくさと反論した。


「そのぐらい謙虚の方が女性は好印象を持つのじゃ!」

権蔵がはっきりと言いきった。


僕は自己PRの所をしぶしぶ権蔵に言われた通りに書いた。


次は相手の希望についてだな……

《再婚は気にするか……気にする……。

相手の家族と同居できるか……難しいと。

相手の希望年齢は下は19歳から上は35歳まで...…

相手の希望地域は僕と同じ所と。

養子にはなれるか……難しい

相手は共働きがいいか……出来れば共働き。

相手はどれくらいの身長がいいか……

155センチ~162センチぐらい

相手の学歴の希望は……高卒以上

相手の喫煙、飲酒は一切無しが好ましい

お相手の条件は可愛くて賢くて清楚な女性

理想の結婚像は……共働きで一緒に頑張りたいです!》

僕はスラスラと思うがまま書いた。


「こらこらこらこら!突っ込むところ満載じゃ! 何で年齢が19歳まで下がって上限を35歳にするんじゃ? お主の許容範囲は20歳から37歳じゃろうが! 」

権蔵は目を見開いて言った。


「あっ具体的に希望を書いた方がいいかと思って……」

僕はすっとぼけた。


「お主のは希望ではなく欲望じゃろうが! ワシの初恋の人の生まれ変わりを探しているなら『年齢問わず()』にせい! 」

権蔵がさらに怒る。


「はいはい。分かりましたよ……」

僕はしぶしぶ書き直した


ふう、やっと書き終えたな……

桂はスマホをいじっている。

高梨先輩は結婚相談所のパンフレットを読んでいた。

2人とも暇そうだな。

どうやら僕が一番時間かかったらしい。


そう思っていると丁度鬼龍院さんが個室に戻ってきた。


「プロフィールシートの方は書けましたでしょうか?」

鬼龍院さんはニコニコと言った。


僕達はプロフィールシートを鬼龍院さんに渡した。


鬼龍院さんはそれこそ鬼のようにプロフィールシートを読んでいる。

ああ、これ何か指摘されるやつだな。


「まず、高梨様。女性に好印象をもたれるような素晴らしいプロフィールシートです」

鬼龍院さんは高梨先輩が書いたプロフィールシートを読みながら言った。


あれっ褒めたな。僕の気のせいだったかな……


「しかし、20代に限るというのは良くありませんね。高梨様は37歳ですから35歳までの上限にした方がいいですね」

鬼龍院さんは顔を(しか)めながら言った。


「はい。分かりました」

高梨先輩はすんなり鬼龍院さんのアドバイスを受け入れた。


高梨先輩! あんだけこだわっていたのにアッサリと変えるんですか?


「次に桂さん!ユーモアがある文章で女性を惹き付ける文章ですね!年齢の幅も22歳~40歳と丁度良いです」

鬼龍院さんはニコニコと言った。


桂が喜んでいる。


桂は本当に文章書くの上手いな。


「しかし、共働きのみ、家事はできないという点は良くないですね。桂さんはそれなりの収入があるので、『専業主婦でも可能。パートしてくれると嬉しい』ぐらいにしておきましょう。さらに、『家事はできるだけ協力する』にした方が共働き希望の方を紹介しやすいです。」

鬼龍院さんはまた顔を(しか)めて言った。


「はい。そうします! 」

桂も鬼龍院さんのアドバイスをすんなり受け入れた。

桂もあんだけこだわっていたのにアッサリと意見を変えた。


「次にたちばなさん! 」

僕は鬼龍院さんに名前を呼ばれた。

いよいよ僕の番だ……緊張するなあ……


「性格と自己PRは謙虚さがあってよろしいですが、なんか気持ちがこもってないような気がしますね」

鬼龍院さんは最初から顔を(しか)めて言った。

ぎくっ!人から言われた通りに書いたやつってバレたかな?


「まあそこはよろしいですけど……他はあまり良くない書き方ですね」

鬼龍院さんが考え込む。


あれっ褒めるターン終わり?

人に言われた通りに書いた所しか褒めてないけど……

しかも褒めたってほど褒めてないし……


「年齢は気にしないとありますが、紹介しやすくする為に絞って20歳~40歳までにしましょう!」

鬼龍院さんがプロフィールシートの年齢のところを指さしながら言った。


ほら!権蔵、ほぼ僕の言った方が近いじゃないか!


「なんじゃと? 」

権蔵はめっちゃ驚いていた。


「あと、たちばなさんは年収がそんなに高くないので、相手の家への同居や再婚は可能にしましょう!」

鬼龍院さんはプロフィールシートの相手への希望欄を指差しながら言った。


「条件変えても女性は自分で選べるんだからとりあえず変えておけ」

高梨先輩はコソッと言う。


「はい。分かりました!鬼龍院さんの言われた通りにします」

僕は素直にそう言った。


「ありがとうございます! それでは以上で無料カウンセリングは終了です。いかがなさいますか? 」

鬼龍院さんは僕達を見渡す。


高梨先輩が僕と桂を見る。

桂はOKサインを出した。僕は黙ってうなづいた。


「3人とも入会でお願いします! 」

高梨先輩が鬼龍院さんに伝える。


「ありがとうございます! それでは提出書類の方を頂けますか? 」

鬼龍院さんは喜んでいる。


僕達は事前の用意した必要書類を鬼龍院さんに渡した。


「では書類を確認いたしますので、こちらの申込書にお書き下さい。」

鬼龍院さんは書類を持って別室に行った。


~しばらくして~

「御三方とも問題なく入会できます」

鬼龍院さんはそう言うと今度は僕らの書いた申込書を回収した。


「皆さんお支払いは一括でよろしいですか? 分割もできますけど……」

鬼龍院さんは驚いて言った。


「いえ。一括でお願いします。」

高梨先輩がそう言い切った。分割だと退会するのが遅れたりするから、一括に使用と高梨先輩が提案したのだ。


「これで、入会できました!次はプロフィールの写真をお撮り致します」

鬼龍院さんはニコニコとしている。


「それは持っている写真じゃダメなんですか?」

僕はびっくりして思わず質問した。


「それでもよろしいのですが、きちんとお撮りになった方が、圧倒的に女性の反応がよろしいです。お見合い申し込まれる率が倍近く違います。」

鬼龍院さんはニコニコと言った。


それなら撮ってもらうか!

読んでくださりありがとうございます!

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