第22話 無料カウンセリング
この辺もかなりリアルな結婚相談所のお話です(*ฅ́˘ฅ̀*)
「こんにちは!予約してた高梨ですが……」
高梨先輩がドアを開けながら言った。
すると、上品そうな僕達より10歳ぐらい年上のお姉様が部屋の奥から出てきた。
「ようこそ。皆様。こちらへどうぞ。私はブライダルコーディネートをしております。『鬼龍院』と申します」
鬼龍院さんがそう言って、僕達を部屋の奥の個室に案内した。
そして、分厚いパンフレットを僕達3人に配る。
「こちらのシステムについてご説明いたします。『コーディネーターメール』と『会員データ検索』の2種類のシステムがございます。『コーディネーターメール』とはコーディネーターが選んだ月2名の資料をご自宅にお送りします。写真は結婚相談所でご覧になれます。
次に『会員データ検索』とは会員データを結婚相談所のパソコンで自分で検索し、10名にお見合い申し込みを送ることができます」
鬼龍院さんは一気に説明した。
そして、まだ続ける。
「基本どちらのシステムも会いたいと感じたらお見合いを申し込みます。そして相手の方もOKであればお見合いが成立します。こちらの個室でお見合いをしていただきお互いにOKであれば連絡先を交換します。その後交際に発展し、1人に絞りたい場合は休会となり、成婚された場合は退会となります。こちらまでで質問はございますか?」
鬼龍院さんが僕達を見渡す。
「成婚しなくて退会は出来るんですか? 」
僕はなんとなく質問した。
「はい。退会は自由です。退会の時には料金もかかりません」
鬼龍院さんは戸惑わずに即答した。
この人出来るな……
「良心的だな! 」
高梨先輩が感心している。
「ちなみにtorikonは大手婚活サービスですので安心してご利用できます。今までうちの支店だけで400人の方が成婚しています。会員の成婚率は70パーセントです!」
鬼龍院さんが70パーセントを強調して言った。
「ご料金はどのくらいっすか? 」
桂が通販番組のゲストのような言い方で言う。
またまた鬼龍院さんは即答した。流石だ……!
鬼龍院さんの話によると、
入会にかかる費用は
入会登録料 2万円
初期登録料 26万円
写真撮影代 2万円
これからかかる費用は
月会費 2万円
お見合い費用 2万円
会員データ検索使用料 月に1万円
成婚料 20万円
月の途中で退会するとその月はご料金が発生しますのでご注意しないといけない。休会中も月会費がかかるらしい。
うわあ。思ったより高額なんだな。でもその分信用もできるよな……こんだけの書類を提出するんだから。
「入会資格とかありますか? 」
高梨先輩がさりげなく質問した。
「うちの入会資格は20歳以上で高卒以上で働いていて、 健康な方でしたら誰でも入れます。以上でよろしいでしょうか? 」
鬼龍院さんはまたまたまた即答した。
鬼龍院さんはかなりのベテランだな!
僕達は特に他に質問がないのでうなずいた。
「それではプロフィールシートを書いてもらいます。お時間かかりますので、私はしばらく退室いたします」
2枚のA4サイズの紙を僕達はそれぞれ渡された。
結婚相談所のプロフィールシートを見てみよう!
~プロフィールシート『自分について』~
《氏名/年齢/住所/出身地/誕生日/職業/血液型/年収/趣味/ 自分の性格/現在の同居人/初回デート費用/休日/ どれくらい飲酒するか/どれくらい喫煙するか/ 結婚歴、子供の有無/話せる言語/学校名/家族構成/将来結婚したら家族と同居はして欲しいか?/家事、育児はどれくらいするか/こどもは何人欲しいか?/自己PR》
~プロフィールシート『相手の希望は?』
《再婚は気にするか?/相手の家族と同居できるか?/相手の希望年齢は下は何歳から上は何歳まで/相手の希望地域/養子にはなれるか?/相手は共働きがいいか?専業主婦がいいか?/相手はどれくらいの身長がいいか?/相手の学歴の希望/相手の喫煙/飲酒はどれくらいがいいか?お相手の条件/理想の結婚像》
※各結婚相談所によってシステム、料金、入会資格、プロフィールシートの内容も違いますのでご自分でご確認くださいなのじゃ
うわあ、書くこといっぱいあるなあ。
基本は婚活パーティーや音楽コンのプロフィールシートと同じだな。
《年齢は30歳/住所も出身地もここ/誕生日は7月27日/職業は会社員/血液型はO型…… 》
僕が上から記入した。
「えっO型なのに……」
権蔵がそう言い切る前にお守りで念じた。
「ぎゃあああああ」
権蔵が半泣きになる。
「そのくだりは要らないんだよ」
僕は権蔵を睨みつけた。
さあプロフィールシートの続き……続き……
《年収は400万円ぐらい/趣味は音楽鑑賞/》
自分の性格は……明るくてポジティブにしよう!
すると、桂が僕のプロフィールを覗く。
「あーそれ、僕の真似っすよね? 明るくてポジティブは使っちゃダメっすよ!」
桂は僕のプロフィールシートを指差す。
「いやいや、勝手に見るなよ!たまたまだよ…明るくてポジティブな人なんて、たくさんいるだろうが」
僕はプロフィールシートを隠し桂に反論した。
「たちばな……少なからず……おまえの性格は明るくてポジティブじゃないぞ……」
高梨先輩は遠慮しながら言った。
─ガビーン
「そんな…ポジティブだと思ってたのに」
僕は項垂れた。
「こないだの婚活ぱあていの紙には『根暗』って書いてあったじゃろうが! 」
権蔵がガチでツッコミを入れた。
「たちばなは、おおらかで面倒見が良いでいいと思うぞ」
高梨先輩がだいぶ考え込んでから言った。
「じゃあそれにします! 」
僕はすぐプロフィールシートに書いた。
桂がケラケラと笑っている。
あっこいつ……今、僕のこと絶対ざまあみろって思ってるな。
さあ続き……続き……
《現在は一人暮らし/初回デート費用は割り勘……》
「割り勘?男なら全額払えや。たくさん金ならあるじゃろうが」
権蔵は呆れている。
権蔵って推定100年前の人なのに何でバブルの時代のこと知ってるんだよ!
まあ確かに社長からの事故の慰謝料はまだ残っているけど……
よし!『男性が全額払う』に変更だ!
《休日は土日、祝日と……/飲酒は少々……》
本当はたくさん飲みたいけど……僕はお酒弱いからなあ
《喫煙は……したことない。結婚もしたことなし、子供はいない。話せる言語は中国語を少々……最終学歴は高卒、学校名はひいらぎ高校/家族構成は曾祖母と祖父母と両親と弟/》
将来結婚したら家族と同居はして欲しいかどうか……
長男だから『いずれ同居して欲しい』にしよう。
《家事、育児はどれくらいするか……『なるべく協力する』》
こどもは何人欲しいか……『2人』にしておくか……
自己PRは『よろしくお願いします』と……
ふう……やっと1枚書き終えたな……
「何やりきった顔してんねん! もっと『よろしくお願いします』以外にも書かんかい! 」
権蔵が説教し始める。
こりゃまだまだ時間かかるやつだな……
読んでくださりありがとうございます!(*ฅ́˘ฅ̀*)♡




