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取り憑き婚活~すれ違い系ラブコメ~  作者: かなかな
1章~初恋の人を探せ~
13/62

第13話 婚活パーティーと血液型

※これは権蔵とたちばなの個人的な見解です

~後日~

 とつぜん僕のスマホに電話があった。

[葛城縁(くずきえにし)]とある。僕の中学からの親友だ。

 縁とは中学、高校と一緒だった。


「おまえ!婚活してるんだってな。tocebook見たぞ!早く言ってくれよ。俺が紹介してやる」

縁が興奮気味に言った。


 どうしようか……断るのも変だしなあ。

「おう!頼むよ」


「ハハハハ、任せておけ!」

縁が笑いながら言った。


 そして婚活パーティの日が来た。


「楽しみじゃのう。ぱーてい(パーティー)じゃ」

権蔵が肩を回しながら言った。


 僕はお守りの入ったくまの人形(小)を胸につけていた。


「会場は前に合コンをやった居酒屋のすぐ側っすね」

 桂がキョロキョロと見回す。


「受付するぞ! 」

 高梨先輩が受付に向かう。僕も高梨先輩のあとをついていく。


「参加者は何名ですか?」

受付の女性に僕は尋ねられた


4名()です」

 僕は咄嗟(とっさ)に権蔵も入れた人数を答えてしまった。


「もう1人来られるんですか?」

 受付のスタッフの人が不思議そうに僕を見つめている。


「いえ。1人誘ったのですが来れなくて、つい……

3名でお願いします」

 高梨先輩がいつものようにフォローしてくれた。


「たちばな先輩。権蔵は1人に入りませんよ」

 桂が僕にヒソヒソと言った。


「ああ、そうだったな」

僕はうなづいた。


 スタッフが不思議そうに見ていたが、納得したみたいだ。

「身分証明証を見せてください」


 運転免許証を桂と高梨先輩はスタッフに見せ、僕は、運転免許証を持っていないので保険証を見せた。


「では、こちらにプロフィールをお書き下さい」

 パーティースタッフから3枚同じ紙を渡された。

 僕は早速プロフィールを記入した。


 《年齢は30歳、血液型O型、星座は獅子座

 職業は会社員、身長166センチ

 年収400万くらい、趣味は音楽鑑賞(KPOP)

 自分の性格は根暗

 好きな女性のタイプは清楚で頭が良くて優しくて可愛い子

 休みの日の過ごし方はゲームしてる

 デートで行きたい場所はお花見》

 これで全部書けたな。


 こっそり桂のプロフィールを見てみよう。


 《年齢は26歳、血液型A型、星座は射手座

 職業は総務、身長171センチ

 年収700万(副業入れて)、

 趣味はスポーツ全般、観るのもやるのも好きです。

 自分の性格は明るくてポジティブと言われます

 好きな女性のタイプは笑顔が可愛い子

 休みの日の過ごし方はフットサルしたりカフェめぐり

 デートで行きたい場所は海が見えるイタリアンのレストラン》


 うわあ。僕と全然違う…

 しかも桂は空白無しで全部書いてるしイラストまで入れているし…

 若いのに僕より収入が多いのが驚いた。

 いつも桂に奢ってたが、今度から割り勘決定だな。



「お主O型? 嘘じゃろ? O型にしてはモテない…」

 権蔵が僕のプロフィールカードを見ながら笑う。


「やかましい!」

 僕はお守りの入ったくまの人形を触って念じた。


「ぎゃあ!」

くまの人形越しでも効果はあるようだ。


 半泣きの権蔵は置いておいて高梨先輩に僕は話しかけた。

「そういえば、高梨先輩は何型ですか?」


「俺か? AB型だよ」

 高梨先輩は即答した。


「珍しいですね~意外です」

 桂が適当に返事した。


「そろそろ集合時間だぞ。俺達も、行くぞ。」

 高梨先輩がネクタイを締める。


「いざ! 出陣じゃ!」

 権蔵がいきいきしながら言った。


 会場の中に入るとハワイアンな音楽が生演奏されている。豪華な感じだった。

 一対一で全員とお話をする形式だ。

 全員で20人、女性10人男性10人である。男性は20代が2名、30代が6名、40代2名だった。女性は20代が4名、30代が4名、40代が2名だった。

 全員の異性と一対一で2分間ずつトークをするらしい。

 今度は舞台の上で、フォークギターを持った男性グループが演奏しながら歌っている。


 1人目

「……」

「……」

「……」

「……」

 僕達はずっと無言でお互いのプロフィールカードを見つめていた。


 2人目

たちばな

「……ご趣味は?」


女性A

「読書を少々……たちばなさんは?」


たちばな

「……音楽鑑賞です」


権蔵

「婚活でもお見合いじゃないんやからトークで盛り上げやんかい!」

 変な関西弁のツッコミうるさいんだけど……


 3人目

たちばな

「はじめまして」


麻生未恵

「はじめまして。プロフィールカードを見せてください」

 僕はプロフィールカードを女性に渡した。


 女性はざっと僕のプロフィールカードを見ると、スマホをいじり始めた。

プロフィールカードには『麻生未恵(あそうみえ)』と名前が書いてあった。


 なんか態度悪いな……その女性は隣の席の桂の時はニコニコと積極的に話をしていた。


「なんじゃ。あのおなごは! 社交辞令とかお世辞も言えんのか?」

権蔵がイライラしている。

 僕は女性に社交辞令やお世辞でなく、心から褒めたりトークしたりして欲しいぞ。


 4人目

女性C

「私は婚活パーティ120回目なんです……なんたらかんたら」

僕はずっと婚活の愚痴を聞かされた……


権蔵

「120回もパーティに来るなんて玄人じゃな」


 僕はその玄人にはなりたくないなあ。

 僕はめんどくさがり屋だからなあ。

 120回行く前に権蔵の初恋の人の生まれ変わりを見つけないとな。


 5人目

女性D

「年収は? お仕事は?」


たちばな

「年収は400万円、仕事はメーカーの総務です」


女性D

「…」


 女性は急にやる気をなくした。


たちばな

「お仕事は?」


女性D

「家事手伝いやってます。」


 なるほどこの人は専業主婦になりたいんだな。


権蔵

「なるほど、女性は経済面を重視する人が多いんじゃな」


 6人目

 ふう、疲れたな…2分間長いな。

 この中に権蔵の初恋の人の生まれ変わりなんているんだろうか。

「おお、あの子可愛いのう」

 権蔵が反応した! もしかして、この人が生まれ変わりだろうか?

読んでくださりありがとうございます!

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