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天運のCrocus  作者: 沢渡 夜深
第一章 -カラシナ-
8/35

張り切りすぎにはご注意


姉は純心と共に王国に歩む。







 どれ位歩き、どれ位戦ったのかわからない。

 気づけば、空はオレンジ色に染まっていた。

 森を抜けた俺達は、沈む夕日を眺めながら、少しだけ湧き出ている汗を拭いとる。

 その時にベッタリと血が付いてしまったが、後で拭き取ればいいであろう。……自分が忘れなければ。

 後からミソラも来て、フードを被った。


「ふぅ……意外に早かったですね。僕の予想だと、日没も森の中だと思っていましたが」


「まぁ、あのモンスター共のお陰だろうなぁ。散々追いかけ回されたし」


 狼の小型モンスターバージョンを倒した後は、兎らしき小型モンスター、熊らしき大型モンスター。タランチュラとダイオウグソクムシを融合したような気持ち悪い大型モンスターなど、色々なモンスターと戦ってきた。

 そのせいで、ミソラから貰った短剣が刃こぼれする程にだ。それくらいモンスターと戦ったし、追いかけ回されたりもした。

 やっぱり稽古と実戦は違うな……それもモンスターとなら尚更。人間だったら、まだ行けるかもしれない。

 だんだんと、空が黒く染まってきた。

 ミソラは「あー」と、空を見上げながら零した。


「もう少し行けばクレマチス王国に着きますが……」


「じゃあもう行っちゃうぜ。そんでそこで宿とか取って休んで、また明日位に行けばいい」


「……まぁ、森の近くで野宿も危険ですし、そうした方がいいですね。了解しました。では行きましょう。……あ、額の血は拭っといてくださいね」


「あっ」


 ミソラに言われて、今思い出した。

 そうだ、俺汗を拭った時、血まみれの手で拭ったんだ。だから今も額には血がベッタリと付いているはずだ。……あれ、これ前もやったような気が。

 ミソラに渡されたハンカチを受け取り、それで額に付いている血を拭き取る。

 ……そのせいでミソラのハンカチが真っ赤に染まってしまった。

 後で洗って返そう。もうミソラに迷惑をかけるわけにはいかない。


「……ん、大丈夫そうですね。では行きましょう」


「おー」


 ミソラの合図で、俺は片腕を上げて応答する。



 ちょっとワクワクしているのは内緒だ。








「意外に遠いじゃねーか!!」


「お疲れなら僕がお姫様抱っこを!!」


「やらんでいい!!」


 森を抜けてちょっとしたら着くと思っていただろ?

 あれは嘘だ。

 実際は結構歩いて、やっと王国らしきものが見えたくらいだ。そうだな、近いなと思って近寄ってみたのが、どんどん遠くなっていく現象、所謂トリックアートみたいなものである。

 てか遠い。足疲れた。もうモンスターとか色々やっちゃってんだしもう限界。でも誰かにおぶってもらうのは絶対に嫌だ。自分の足で行きたい。

 ミソラも少し疲れを見せているが、どうやら俺よりは大丈夫そうだ。


「ミソラ……疲れた……」


「僕がお姫様抱っこをしましょうか……!?」


「やらんでいい」


「ううう……ですが、何回もモンスターと戦ったので、疲労はやばいと思いますが……」


「いやまだ行けるんだけど疲れたんよ。いやー実戦と稽古は違うなおい」


 てか俺、稽古何回もやってたのに体力ねえな。何で?

 そうこうしてる内に、王国が近づいてきた。


「うお……でか……」


 意外にも王国はでかかった。

 ただでさえ街を覆う壁はデカイと言うのに、それすらもデカイ城のてっぺんが剥き出しとなっている。

 ……意外に発展してたんですね……。


「あ、見えてきました!エリカさん、もうすぐですよ!」


 王国が近づいた途端、ミソラが嬉々として言う。

 ミソラの目はキラキラと輝いており、今にも王国に行くのを楽しみにしているようだ。

 ……ん?語弊があるか。

 『王国に殴り込みに行く』のを楽しみにしている、だったな。

 まぁ、やっと恩返しが出来る点ってところは凄く楽しみにしている。

 よし、王国まで後少しだ。だから……。


「俺の足頑張ってくれぇ……!」


「やっぱり僕が」


「お前急にキャラ変わるなよ!」


 こうして、俺達は王国まで足を進めた。






 森から抜ければ、周りは一面草原だったので、モンスターがいるのかいないのかは全然確認出来た。

 なのでもうモンスターとの対戦は嫌なので、モンスターがいないルートを通っていく。


 そうして危険を回避しながら、ついに俺達は王国の前へと着いたのだった。


「やっぱデカイですね……勿体ない」


 ミソラがドデカイ壁を見上げながらそう言った。

 確かにデカイ。あの巨人と戦う漫画の壁とは到底及ばないが、それくらいにデカイのだ。よく作れるなこんな壁。


「とりかく、中に入りましょう。ここに居ても危険が強まるだけです」


「まぁそうだなぁ。やっと休める……」


 もう俺の足は悲鳴を上げている。

 あの稽古の成果が嘘のかのように、俺の体力はもうすぐ底を尽きそうだった。

 またミソラが抱っこしますとか言ってきたので殴った。うぇふん何言ってるんだ俺。

 まぁミソラの事は放っておいて、俺達は門番がいるであろう門の前に、足を進めた。



「止まれ。この国に入るのなら、十万R(レート)は払ってもらおうか」


 門の前に行ったらすぐこれだよ。

 簡潔に説明すると、門番二人にニヤニヤ顔で止められ、金を払えと要求された。

 当然、俺達にそんな金は一切ない。

 まぁミソラの顔を見れば、金があってもこいつらに一銭も払わないけど。

 え?ならどうするんだって?


「おい、さっさと……!」


「ちょっと通してもらいますねぇッ!!」


「おぶっ!?」


「ふぉっ!?」


 依然突っかかってくる門番を、俺は顔面パンチをぶちかますことで、門番はあっさり地に伏せた。

 うわ、弱っ。耐久力なさすぎやんけ。それでお前らよく門番務まったなおい。


「おお……!やはりエリカさんは戦う姿も美しいです……!」


 ミソラがうっとりとそう言う。

 うん、ありがとう。あれ、お前さっきの感じはどうしたの?ナルシ戻ってきてない?

 ミソラの豹変に少し戸惑いながらも、俺達は開きっぱなしの門を通り抜ける。

 うん、言っていいかな。



 まず門開きっぱなしなのが既に門番失格だよね。






 まだ深夜からか、灯が付いている家はそれほど多くなかった。

 恐らく城下町というところであろう。人っ子一人いない城下町は、静けさと落ち着きに安心すると同時に、何処か不気味に思えた。

 そして奥に聳え立つ巨大な城も、灯は少ない。


「やっぱこの時間帯だからそんないねえかぁ……」


「エリカさん、あの二人はあのまま放置でいいんですか?」


「あ?……あーいいよあのままで。明日あの城に殴り込みに行ったら、どうせ騒ぎになるだろ?それが早まったってだけだ」


「……それもそうですね」


「とりあえずーーーーー寝よう」


 既に俺の眠気はピークを越しており、今早く寝たいと、足だけでなく全身が悲鳴を上げている。

 それはミソラも同じなのだろうか、目を擦りながら肯定した。


「じゃあ、あの宿に止まりましょうか。お金は十分にありますから」


「……ちなみにいくらある?」


「二十万Rほど」


「……あ、金なくなるか」


「残念ながら……」


 一瞬でもあの門番に払えたんじゃないのかと思ったが、あの十万Rが一人分だと考えたら、ミソラの金は底を尽きると気づいたので、考えるのをやめた。

 ……あれ、ちょっと待てよ。


「ミソラの魔法で門番を遅くさせて、その間に入ればよかったんじゃねーか?」


「…………あっ」


 この後めちゃくちゃミソラが謝ってきた。



■□









 宿をとって翌朝。

 昨日の疲れもすっかりとれ、絶好の殴り込み日和になった。

 しかし殴り込みがメインではない。あくまでメインは、連れていかれたキキョウさんの家族や、村の人達の家族を取り戻すことである。

 なのでまず最初は、村の人達が何処にいるのかを把握しなければならない。

 その為には城の構図を理解しないといけないので、まずは城をある程度見てから……。


「エリカさぁん!城の見取り図書いてきましたぁ!!」


「はっや!?」


 部屋の扉を開けて、ある紙を掲げながらミソラがやってきた。

 その紙には、しっかりと城の見取り図らしきものが書かれている。

 知ってるか?俺こんなの頼んでないんだぜ?おかしいだろ?こいつ自分でやってきたんだぜ?

 てかだから朝いなかったのか。どうせ散歩でもしてるだろうなぁ的な考えで深く考えなかったが、正直グッジョブ。だからその汗を拭き取りたまえ。

ミソラが必死に書いてきた城の見取り図を覗き込む。

 ……複雑なような気がする。まず真ん中に階段。そしてその奥には食堂があり、その真隣には書庫①と、騎士達の部屋①と書かれている。

 さらに正門を入って右には、直ぐに庭に行けるらしい。

 そしてその反対側には、地下へと続く階段があるらしいが、どうやらそこまでは書けなかったようだ。

 ミソラの荒い息を聞き流しながら、次は二階へと移る。

 二階はどうやら殆どが部屋らしい。しかし何の部屋かは、さすがのミソラでもわからないようだ。唯一分かるのは、右の二番目にある武器庫と、その隣にある書庫②である。書庫多っ。

 だんだんとミソラの息が整ってきたのを聞き流し、次は三階である。

 言い忘れたが、三階行きの階段は下の方にある。その階段を登るとでっかい門があるようだ。

 しかしそれがどんな部屋なのかはわからない。

 ……これだけか。まぁ何とかなるな。ミソラには感謝しないと。

 三枚の見取り図を置いて、口元に手を当てて絶賛咳き込み中のミソラの元へ行く。

 俺の影がミソラにかかり、ミソラは汗を拭いながら顔を上げた。


「お前のおかげで助かったぜ。これで楽に行けるな」


「!………………」


「……ミソラ?」


 普通に礼を言ったら、ミソラがフルフルと震え出した。

 え、大丈夫かこいつ。吐きそう?袋持ってきた方がいい?と、少し顔を青ざめたその時。


「感激ですエリカさん!俺今生きててよかったああああ!!俺はこの為に存在してたんだ!この天使の神様の元で跪くのが俺の役目だったんだああああああああ!!俺の神様ぁ!!」


「落ち着けェ!今ここで体力を消耗するなぁ!!」


 ガッツポーズをして喜ぶミソラに、あれだけあんなにゼーハー言ってたのによくそんな体力があるなと感心する前に、体力を消耗しないよう休まないといけない。

 だからそんな青ざめた表情で喜ばないでくれ。吐きそうじゃないのかって不安が募るだけだ。

 この後めちゃくちゃミソラが謝ってきた。







「さて、城に行く前にこの街を探索するか」


「うおろ」


「吐くなよ」


 喜びすぎて吐きそうになっているミソラを部屋に残し、俺は街に出る準備をする。

 正直買うものはないと思うが、ミソラが腕をぷるぷるしながらお金を出してきたので、ご好意に甘えて受け取った。

 ちなみにお金は金貨で、金貨五枚で五万Rらしい。つまり金貨一枚一万R。銀貨か銅貨が千Rと考えた方が良さそうだ。

 てかこんな金何処にあったの……と聞ける状態ではなかったので、仕方なく金貨を懐に仕舞い、宿主に挨拶をして、街に出た。


「おおお……」


 街は昨日とは打って変わって活気に溢れていた。

 俺の前を通り過ぎた男は、果物が入った籠を頭に乗せ、商売をしていた。

 そしてその後に、馬車を操る男が遠ざかる。馬車には老若男女数名が乗っていた。

 フードが脱げないよう深く被り、少し視界が狭くなったが、探索を開始する。


「そこの嬢ちゃん!見ない顔だな!何か買ってくか!?」


「あ、そこのお嬢さん!うちの所にもおいで!良い値で売るよ!」


「そこの女の子ー!ちょっと俺とお茶しなーい?」


「そこのレディ!古くなったローブを買い換えたかったら是非私の店に!」


 探索開始した途端、商売目的で俺に声をかけてきた人達が数名同時に来た。

 まず剣や盾などを売っている武器のおっちゃん。俺が通りかかろうとした時、俺に武器を勧めてきた最初の商売人。

 その後に俺とおっちゃんのやり取りを見ていたのか、前方にあった肉屋?でおばちゃんがでっかい肉を振り回しながら声をかけてきた。振り回すな、もっと大事に扱え。

 そして次に俺の背後をついた男。一言で言えば商売ではなくナンパしてきた。何処かミソラを漂わせるが、ミソラより不細工なのが残念。顔にもっと磨きをかけろ。

 最後に服屋のおっちゃん。服屋というか、防具屋だな。俺が着ていたローブを見て、恐らくあんな台詞を言ったのだろう。そりゃミソラが長年使ってたんだから古いに決まってるだろうなぁ。

以上、計三名に商売として目をつけられました。約一名は除外。

 そんな四人に、俺はにっこりと笑って、こう言い放った。


「すまねえなおっちゃん。俺は今金が無いからその剣は買えねえんだわ。また溜まったら買いに行くよ。おばちゃーん。肉は振り回すんじゃねえぞー、肉傷んじまうぞー。もっと上手に扱えー。お兄さんはもっとお顔に自信が持てたら相手してあげるね!今のお兄さんすっごい不細工だから、もっとお顔に磨きをかけた方がいいよ?あ、このローブは結構気に入ってるから、今は買いませーん。んじゃ、すまねえな三名方。俺は行くところがあるからな。じゃあなー」


 残念がる三名と呆然とする一名の元を悠然と去る。

 どうよこの対応。四人に接客されながらも落ち着いてきっぱりと言うこの対応よ。俺は昔からこういうのには強いから自信があるんだよ。

 ……まぁ、武器屋のおっちゃんの所には、金が溜まったら行こうかねぇ。


「さて……次は何処に行こうかねぇ」


 結構時間が過ぎてもいいから、取り敢えず色々と歩くことにしようかな。

 この後また商売目的で声をかけられたが、俺は丁重に断りながらも、この城下町を歩き続けた。










「ありゃりゃ、断られちまったぜ」


「ついテンションが上がって振り回しちゃったわ……」


「んー、気に入ってるなら仕方ないかー……また捕まえるかな」


 先程、ローブの女性に断られた商売人の三人は、また客を集めようと自分の作品をアプローチする。

 その中で、一人の青年が、フルフルと震えながら、彼女が去って行った方向をジッと見つめていた。

 前髪を左分けでピンで留めている栗色の髪型の青年。黒の模様入りタンクトップを着ており、腰には白の ジャケットを結びつけている。太股まである黒いブーツを履いている青年は、彼女が去った方向をジッと見てーーーーーー怒りに満ち溢れていた。


(何故だ、何故だ、何故だ!?)


 青年は狼狽えた。

 何故彼女は自分の誘いを断ったのだと。

 しかもあまつさえ、不細工と罵られた。

 今まで一度も言われたことのない悪口に、青年は呆然としてしまい、そして怒りに満ちる。

 誰も自分の誘いを断らなかった。

 皆、喜々として誘いに乗ってくれた。

 当然青年もそれが当たり前だと思ったし、自分が一番のイケメンだと豪語したこともあり、とっても自分の容姿には自信があった。

 この街に来る旅人の女も、皆自分を見て、自分が誘わなくても来てくれたのに。

 なのに、彼女は。

 バッサリと自分の誘いを断って、しかも不細工と言い残していった。

 その言葉が、青年の心を酷く傷つけた。

 家族にも、友達にも、皆にも自慢されるのに。

 ーーー許さない。

 自分の誘いに乗らなかった彼女を。

 自分の圧倒的な美貌を罵った彼女を。

 自分の心を酷く傷つけた彼女を!


(くふふ、後悔させてやる……!俺の誘いに乗らなかったことを、後悔しやがれ!)


 高笑いするのを抑え、青年は彼女が去って行った方向を歩き出した。

 フラフラと何かに操られる彼を、周りの人々は誰も心配しなかった。






 一方。



「うえっ、吐きそうやばい……エリカさんに褒められてテンション上がりすぎた…むぐ、おろろろ……おえっ」


「……大丈夫ですか?」


「大丈夫ですよ綺麗なお嬢さん!こんな吐き気などお嬢さんを見て直ぐに治まっておろろろろろろろ!!」


「きゃあああああああああ!お、お客様ああああああああああああ!?!?」



おまけ。


「またエリカさんに迷惑をかけてしまった。僕が魔法を使えば安全に入れると気づいていれば、僕が早く気づいていればエリカさんの手を煩わせる必要などなかったはずなのにいいいい!やっぱり僕は女性をエスコートするなんて無理だったんだ僕が女性という世界の神秘を守ること自体が間違いだったんだごめんなさああああああああいエリカさああああああああん!!あなたの手をさらに汚してしまってごめんなさああああああああい!!モンスターの時も俺が早く動いていればあなたが傷つく必要なかったのに……!ハッ、エリカさん肩の痛みは!?あのモンスターに踏みつけられて嘸かし痛かったんじゃ!?も、もしや今も我慢してるとか!?うわああああああああエリカさああああん!!この役立たずで世界のゴミの俺を塵にしてくださああああああああい!!何回でも殴ってもいいからああああああああ!!あなたの気が済むまで蹴ってもいいからぁ!どうか俺を捨てないでくださああああああああい!!俺ちゃんと役に立つからぁ!!」


「いいからお前は落ち着けェ!そんで話を聞けェ!!」

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