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はじまりの平原4
魔王と王女ははじまりの平原を進みます。
「お腹がすきました」
「そういえばそうだよね、バナナでも食べようか」
「まあバナナ、バナナはおやつに入らないのではなかったんですの」
「そう、バナナはおやつにあらず」
「おやつにあらず」
「バナナは、主食だ」
「主食」
「おやつではないがゆえに金銭的制限を受けぬ、バナナは自由だ」
「バナナは自由」
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魔王と王女はバナナをむさぼりながらはじまりの平原を進みます。
「かの王妃は言った、むさ、もさ、もさ」
「もしかしてまだバナナの話が続くんですの、もっちょもっちょ」
「パンが無ければケーキを食べればいいじゃない、と、むさ、むさ、もさ」
「まあ、もちょ、もちょ」
「つまりケーキはおやつではなく主食だと、もさもさもさ」
「そんな意味でしたかしら、もちゅもちゅ」
「パンが無ければ」
「なければ」
「バナナを食べればいいじゃない」
「バナナ」
「バナナを」
「忍者Aさん」
「なんだいくのいちA」
「もしかして、パンが無いんですの」
「バナナを食べればいいじゃない」