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旅立ちの港6
王女は割と根に持つタイプのようです。
「あに様がこんなに意地の悪いお人だったとは、失望です」
「ああ、お兄様の話はやめたいのになあ……」
「あに様は聡明で、わたくしの知らない事を何でも教えてくださる優しい人だと思っていました」
「確かに聡いことには違いないけれど、明るいかというと決して明るくはないだろうなあ。だいぶほの暗いものを背負っているよ彼は」
「本当に悔しいので、やはりあに様へのお土産は香り高い新鮮なピータンにしてやります」
「こうなったら仕方がない、魔法の呪文を唱えるしかないなあ」
「あに様のお部屋いっぱいにつめこんで、その後は大変美味しく頂いてやるんですから……」
「くのいちA、刺身に焼き魚に煮魚が宿で待っているよ」
「さあ無駄話はやめて一刻も早く宿へ参りましょう忍者Aさん」
「効果は抜群だ」




