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はじまりの平原1
平原の草を朝の風がさわさわと揺らしています。
「眠いです」
「誘拐にあたって旅立ちの準備をしていたら徹夜したものね、俺も眠い、この年で徹夜はやっぱりこたえる」
「忍者Aさんはおいくつなんでしたっけ」
「うん、10万と3歳」
「10万と3歳」
「3年前に10万歳のお祝いしたでしょ」
「そういえばそんなことありましたね」
「やっぱり10万越えたあたりから体の衰えが出始めるよね」
「曲がり角なんですね」
「何の話をしていたっけ」
「眠いです」
「仕方ない、その辺で寝ようか」
「よろしいんですの、危険では」
「魔物は王たる俺を襲わないから平気だよ」
「まあすばらしいです忍者Aさん」
「おやすみなさいくのいちA」
「おやすみなさい忍者Aさん」