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はじまりの森3
王女 は オニフスベ(成熟) を てにいれた!▼
「うふふ、待ち遠しいですね」
「あまり期待はしないほうがいいと思うんだけどなあ」
「父様にも食べさせてあげたかったのですけれど」
「うん、それは残念だったねえ」
「父様…」
「あっ、お父様のことを思い出して寂しくなっちゃった?」
「ええ、そう思うとこのキノコ、どこか父様に似ています」
「ああ、あのわがままボディに」
「父様、わたくしのことを心配していてくださっているでしょうか」
「…あえてこう呼ぼうか、ねえ王女」
「はい、魔王さん」
「王女を外に連れ出してほしいと頼んで来た時のお父様は言葉とはうらはらにとても心配そうだったよ」
「まあ…」
「けれど王女には、外の世界を見て、たくましく育ってほしいとそう言って、俺に誘拐を頼んだんだよ」
「…ええ、わたくしは第三王女ですから、いずれは父様の手を離れなければいけません」
「王女…」
「ふふ、わたくしのことを何も考えていないお気楽な王女だと思っていましたでしょう?」
「そんなことはあるけれど」
「まあ魔王さんったら正直」
「王女ほどじゃないよ」
「まあ」




