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はじまりの村2
魔王と王女はパンを求めます。
「お買いものをするのは初めてですね、わくわく」
「ちゃんとお買いもののやり方はわかってる?」
「もちろんです、まずは店主に戦いを挑むのですよね」
「違う」
「そうでした、品物によって種目が異なるのでまずは望みの品を決めることが先ですよね」
「そうじゃなくて」
「それから店主に戦いを挑み」
「なぜ」
「勝者に品物の値段を決める権利が与えられるのですよね」
「聞いて」
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王女は初めてのお買い物です。
「まあ、お金でモノを買うということを知ってるだけいいか」
「まあ、たしかにわたくしは世間知らずですけれどそれぐらいは知っています」
「旅の資金はくのいちAのお父様にたんまりもらったし、まずはくのいちA念願のパンを買おうか」
「まあ、くのいちAたのしみ、わくわく」
「おや、さっそくあそこに手ごろな商店が」
「まあ、飛んで火に入る夏の虫とはこのこと」
「違う」
「さっそく店主に戦いを挑みましょう」
「待って」
「ごきげんよう店主!わたくしくのいちAはそちらのパンを所望します!ついては値段交渉の為、戦いを挑みます!」
「聞いて!」




