第9章 5話
異常事態が起きている。
それは間違いない。
何故私は死んだ?
ありえない事がまたもや起きた。
顔を狙った佐藤の攻撃は。
そのまま肋骨にも衝撃を与え。
骨が移動して、それが心臓を突き破った。
ありえない。
何故こんな偶然に偶然が重ならないと起こらない事が起きる!?
くっ。
悩んでる暇は無い。
もうすぐ来る。
こうなったら。
最後の手。
扉が開いた。
今だ!
「『放電』!」
私の体内に溜まった電気の力を一気に放出する!
はぁはぁ。
死んだ。
6人全員。
これの欠点は充電に時間が掛かりすぎるのと、連発が出来ない事。
そして、あまりにも体力を消耗しすぎる事。
足がふらつく。
でも、大丈夫。
これで私が死ぬ要素は消えた。
最初からこの手を使えば良かったと後悔はしているが。
仕方ない。
本当はこいつらを殺した後の異世界を開いた門を破壊するために使いたかったのだけど。
そうも言っていられない。
これだけの音が響いたのだから、門にいた奴らもそのうちここに来るだろう。
そいつらには使えない。
でも大丈夫。
もう死なない。
バキッという音が聞こえる。
何の音?
辺りを見渡す。
はっ!
しまった!
シャンデリア!?
しかも。
私の上にあったのが落下している!?