第8章 5話
私は箒を取り出す。
あらゆる物を切り裂く力を持つアーティファクト・ウェポン。
私専用の武器。
「はっ!何かと思ったら掃除でもしてくれるのか?」
確かに、見た目は普通の箒にしか見えない。
でも。
「ええ。そこの機械の掃除でもいたしましょうか?」
これは普通の箒では無い。
「はっ!」
切り裂く!
「なに!?」
霧島が驚く。
そこにあったバリアが消える。
おそらく、これは機械によって発生しているものと思われる。
霧島側からじゃないと解除出来ないバリア。
でも、私の箒の前では無力。
「くっ!」
慌てて霧島がスイッチを押そうとする。
「無駄だ」
キッドさん?
すでにカードは投げられていた。
そしてスイッチを破壊した。
「何をしようとしたかは知らないが、俺たちの前じゃ無駄なんだぜ」
バリアも破られた。
そして、この機械の起動も防いだ。
何をしようとしたのかはともかく。
事前に防ぐ事は出来た。
「動かない方がいいわよ。何かしようとしたら、その前に私が殴るだけだから」
美喜子さんも近づく。
「待て!何か変だ!」
え?
山本さん?
「違う!防いでない!その機械はすでに動いている!!」
なんですって!?
「だから言ったでしょう。足止めには成功したと」
まさか。
すでに稼働している!?
「もう止めようとしても無駄よ。すでにあっちへの扉は開いている」
あっち!?
「どういう意味?」
「これは時空を超える扉。つまり異世界への門。すぐにこの地は化け物だらけになるわ」
なんですって!?