第8章 4話
いた。
霧島の姿がそこにはあった。
「くっ。もう来たのか!?」
「ここで終わりよ」
私は念のために葛葉にメールを送る為にポケットに手を入れる。
このまま文章を打ち込む。
能力のおかげで、どこにどの文字があるのかが分かるのはありがたい。
すぐに来るとは思わないけれど。
これで万が一の事態になっても大丈夫。
それにしても。
何やら異様な物がそこにはあった。
半円の形をした機械。
高さは2メートル半って所かしら。
円形の門という印象を受ける。
霧島はそれを組み立てていたみたい。
なんでこんな物を?
「何をやろうとしている?」
山本さんが聞く。
「教えてやるとでも思ってるのか?」
当然の答えね。
「そうだな。どんな目的だろうと、壊してしまえば終わりだ」
確かに。
何かを企んでこれを組み立てている。
それが何であろうと、壊してしまえばいい。
「そうか?意外に早く来てしまったようだが、足止めは成功したみたい」
足止めですって!?
「あの4人は直属の部下のはずでは?」
「だから?」
この人!!
「そんな余裕持っていいの?私ならこんなの、即スクラップに出来るけど」
「やってみなさい」
何かある?
「ふん!」
美喜子さんが動いた!
だけど次の瞬間。
何かに阻まれた!
「バリアか?」
見えない壁のようなもの。
それに美喜子さんはぶつかってしまったみたい。
「くっ」
「だから言ったでしょう?やってみなさいって」
どうやら知らないようね。
こんな壁、障害にもならないって事を。