第7章 6話
あっちで美喜子お姉ちゃんと氷室さんが戦っている間。
私は赤沢と対峙していた。
そして、その姿はもはや人間とは呼べない姿になっていた。
皮膚の下から機械が見えている。
どうも、その昔の原子力爆発事件の時に巻き添えを食らったみたい。
それが今の姿。
「死ネ!」
くっ!
なんとか攻撃を避ける。
だけどその手の指先も機械の部品が出ている。
なんか嫌な予感。
指先が私の方を向いた!
「『雷壁!』」
一瞬だけ壁を作る方が早かった。
思った通り、指先から弾丸が発射されている。
ゲームなんかではよくある光景だと思っていたけど。
実際に合うと心臓に良く無いな。
とにかく。
こっちの利点は雷の能力って事。
たぶん、氷室さんが私を指名したって事はそういう事だと思う。
機械は雷が弱いというのは、だいたいゲームではよくあること。
一部効かないって事もあるけど。
そうでなくても、普通の人間で雷を浴びても平気なんてギャグ漫画じゃないんだから。
後はどうやって当てるかが問題。
そう簡単に当ててくれるなんて思っていない。
そうだ。
新しく開発した方法を試してみよう。
「行くよ!」
右手に集中する!
「『雷弾!』」
そのまま投げる!
「馬鹿が。そんなの当たるか!」
確かに私は野球選手でもない。
そんなに早くは投げれない。
だけど。
「なっ!?」
雷弾が曲がる!
「これは!」
まさに、野球で言う所のカーブ。
弾を投げる技なんだから、野球の投手から研究するのは当たり前。
「だガ、こんなノ曲がる反対側へ体を動カせば」
やっぱり!
「想定通り!」
そして。
実際の物理法則と同じように動くと思わないことね!
「何!?」
雷弾がさらに逆側へ!