表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
双葉市  作者: 山本吉矢
61/88

第7章 2話

おそらくあの運動能力は獣によるものね。

何の獣と融合してんのかは分かんないけど。

人間よりも数倍上のスピードがあるのは間違いない。

そして。

一番気になるのは、奴の右手。

私のようにオープンフィンガーグローブと違って、素手の甲から鋭い爪が4本むき出しになっている。

あの爪自体がアーティファクト・ウェポンなのかしら。

まかり間違って素手で受けるなんてやりたくないわね。

「ぐわぁ!」

叫んだ次の瞬間には、白井の姿が消えた!

くっ。

「はぁ!」

だが、白井の攻撃を受け止める。

「なに!?」

「残念だったわね。アーティファクト・ウェポンを持ってるのがそっちだけだとでも思ってた?」

もっとも、理恵子がいなきゃ持つ事も無かったんだけど。

「ぐっ!」

また離れる。

ここがさっきから気になっていた所。

白井の運動能力さえあれば、別にアーティファクト・ウェポンを使わなくても通常の格闘で十分なはずなのに。

なんで、あいつはあの爪にこだわっているのか。

まるで、あの爪以外では攻撃したくないって感じね。

「おそらく、あいつは私を恐れているのだろう」

氷室を?

「どういう事?」

「私がディルスから離れる際に白井が私の命を狙いに来たんだ。もちろん返り討ちにしたのだが、その時の教訓なんだろう」

なるほどね。

氷室の能力は氷。

しかも接近戦も出来るほど。

身動きを止められる事を警戒してんのね。

「しかし持久戦に持ち込まれたらこっちが危ない。おそらく白井の方が精神的に強いはずだ。何せ獣と融合してるほどだからな」

なるほどね。

確かに早く片付けたい相手だわ。

でも。

「まだ”見えていない”んでしょ?」

これが唯一の気がかり。

「だからまだ攻撃しないと?」

「私の想定だと一瞬で倒せそうだけど、見えていないって事は失敗に終わる。”あれ”は回数制限もあるから慎重に使いたいのよ」

これは健一から徹底的に言われた事。

私の瞬間移動は便利がゆえに乱発はするなと。

回数制限がある以上、しょうがない。

まだ待つしかないわ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ