第6章 8話
「けっ。なんか派手な事してると思ったら赤沢か」
え?
なんか一人来た。
もの凄い大きな体格の大男が一人。
「くっ。ディルスの仲間がもう一人とはね」
え?
それじゃ、敵が増えたって事!?
かなり不利じゃない。
「なンだ。白井か。邪魔ヲするならお前モ殺しテやろうカ?」
「おいおい。そんな事言うなら、まずお前から殺すぞ!」
あれ?
仲間割れ?
連携が取れていないって指摘は本当だったんだ。
こんな事で容易に仲間割れするなんて。
美喜子お姉ちゃんも様子を伺っている。
「だガ、お前ヲ殺ス前に裏切り者ノ始末をしなくてハ」
「あぁ。アーティファクトを与えた出来損ないのアイドルだっけ?」
出来損ないですって!?
「そんな事はさせない!」
「うるせぇよ。ガキはどいてろ!」
え?
もう目の前に!?
まずい!
「『雷壁!』」
咄嗟に防御する。
危なかった。
いつでも防御する体制じゃなかったら、一撃を食らっていたかも。
「ほう。面白れぇ事するじゃないか。その壁、叩き割ってもいいんだぜ?」
「無理だから止めた方がいいよ」
私の壁の力はあらゆる攻撃をも防ぐ。
だけど両手を前に出さないといけないのと、前方しか守れないという欠点もある。
だからこそ断言出来る。
あいつの攻撃は防げる。
しかし。
赤沢一人でも大変だというのに。
もう一人現れるなんて。
「ぐちゃぐちゃの塊にしてやろうか」
くっ。
「あら。珍しい組み合わせね」
え?
この声は?
「なっ!?氷室!?」
「佐藤さん達に、白井がここにいるなんてね」
氷室由梨絵さん!!