第6章 4話
「黒野くん、ここは僕に任せてくれないか」
こういう奴は僕が倒すべきだ。
「ディルスを倒したのは僕だからね。その後始末をする役目は僕がやるべきだ」
「何だと!貴様が!?」
そう。
幼い頃の悪夢にようやく終止符を打てると思っていたが。
まだこんな亡霊みたいな奴がいたとは。
「しかしディルスを植物にだって?その能力だってディルスからもらった癖に」
あいつは能力を作り出す力を持っていた。
側近の部下だったこいつらだって例外じゃない。
「しょせん、お前たちはディルスの部下だ。ディルスを超えようなんて出来る訳がない」
直接戦った僕だから分かる。
こんな植物の能力なんかどうにでもなると。
それは僕にも言える。
自然界に存在する植物を操作する。
だが。
自然界に存在するって事は僕の精霊の能力の影響下をも受けるって事だ。
「行くぞ!『ドライアード!』」
植物の精霊を呼ぶ。
四精霊に比べれば力は弱いが、植物を取り込んでる青木相手には天敵とも言える。
「分かるか?これは植物の精霊。力の源を司るんだ。つまりお前のその力も僕の前じゃ無力」
「無力だと!?そんな事あるわけねぇ!!」
腕がツタとなって、僕に向かって伸びる。
だが。
それは僕の前で止まる。
成長がそこで止まっているのだ。
「何!?」
「だから言っただろう?僕には無力だと」
そもそもが相性の悪い相手だったんだ。
「たまたまくじで当たった相手が悪かったな」
僕は力を込める。
「これで終わりだ」
次々に枯れていく。
奴は植物と一体化しているんだ。
これで奴の命も終わる。
ふぅ。