第6章 2話
さて。
黒野くんは大丈夫だとして。
今目の前にある全ての植物が操れると仮定すると、状況はあんまり良くない。
何せ中には毒ガスを出す植物も混じっている。
避ければいいってものじゃない。
どうするか。
「『光の槍!』」
なっ!?
突然魔法を使う。
だが。
それも植物に阻まれる。
しかし、最初から当てるつもりは無いだろう。
その為に置いてあるというのは分かっているだろうし。
ただ、やはり組むのは初めてなので勝手が分からない。
いつも美喜子と組んでるせいだな。
美喜子ほど阿吽の呼吸で分かるという人物はいないし。
僕もどうしていいか分からない。
慎重にしていいのか。
大胆でいいのか。
これが美喜子だったら、大胆なのは美喜子の役目だ。
僕は冷静に対処すればいい。
だが、彼は美喜子じゃない。
どうも、彼は慎重に行動するタイプらしい。
となると。
僕が積極的に行動しないといけないんだが。
あいにく、僕は接近戦は苦手だ。
待てよ。
これだけ日光が差すような環境。
もしかしたら。
「青木よ。この状況はあんたにとって都合が良いんだろうが、僕にとっても都合が良くてね」
「何を言ってるんだ?」
行くぞ!
「ウィル・オー・ウィスプ!」
光の精霊を呼び出す。
「行け!もっと強い日光を浴びせるんだ!」
「なっ!?」
そう。
植物というのは日光を当てすぎても駄目になるんだ。
これで枯らしてやる!
「くっ!」
懐に手を伸ばす。
すると。
シャッターのような遮蔽物が天井を覆い始める。
「植物を育てようというんだ。これぐらいは用意しているさ」
まぁ、予想通りだろう。
だが。
それで僕を封じたと思うなよ?