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双葉市  作者: 山本吉矢
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第5章 2話

使用するゲームはレースゲームである「デイトナ ラン」

セガドライブの有名レースゲームで、いろんなコースや車等が登場しオンラインで対戦出来るのも魅力の一つとされている。

ただし普通のレースゲームには登場しないようなコース場や車も登場しているので、ありきたりなレースゲームとはなっていない。

普通のレース用の車だけではなく、公道で走ってる一般の車すらこのゲームでは登場している。

その中から葛葉は迷う事なく大型バスを選ぶ。

スタートダッシュは遅いが最高時速は早い方でパワーもある。

カーブもやや曲がりづらい車で、あまり初心者向けとは言えない。

「おい。大丈夫なのか?」

「なにが?」

これが一番のベストな選択だと疑っていない。

「それなら私は」

後藤は普通にレースカーを選ぶ。

万能型の車。

初心者は普通これを選ぶし、大きな癖も無いので使用者も多い。

選んだコースは普通のレースコース。

この時点で葛葉が勝つ要素はほとんどない。

それほど扱うのに技量がいる車を選んでいるのだ。

いよいよスタートする!

もちろん最初のうちはぶっちぎりで後藤の方が先を進んでいる。

「おいおい。どうすんだよ!?負けたらどうなるか分かってんのか?」

黒野の心配ももっともだ。

「5周勝負だから、落ち着いて見ていたら?」

しかし葛葉の表情は変わらない。

勝利を確信している顔つきだ。

この状態でどうやって?

葛葉一人を除いて誰もがそう思っていた。

だが。

その認識は2周が終わる頃には変わり始めていた。

なんと、後藤の選んだレースカーの後ろに葛葉の大型バスの姿が見えていたのだった。

「なに!?」

後藤が何かミスをした訳ではない。

なのにもう距離が縮んでいる。

それは大型バスの最高時速を利用した技。

曲がる時もわざと後輪を滑らせて立て直し直線距離を稼ぐ。

まさに高等テクニック。

それを葛葉は当たり前のようにやっている。

ここに後藤の誤算があるとすれば実は二つあった。

一つは葛葉の高等テクニックを淡々とやれる事。

もう一つは。

葛葉は単純に自分の技で勝とうとしている事。

つまりこれはイカサマでは無い。

難しいテクニックだが目の前で堂々とやっているのだ。

「しまった!!」


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