第4章 3話
「ぐふぐふ。任務完了しました」
やや気持ち悪い笑顔を浮かべて一人の男が報告した。
細身で背が低く、正直顔は良い方ではない。
「御苦労さま。あいつらがエコ技術に進出しようとする情報を聞きつけた時は危険だとは思っていたが。これで邪魔者はいなくなったな」
それを聞いてるスーツ姿の男。
やや中年ながらも貫禄のある雰囲気を感じる。
その男が、報告をした音とは違う方向を見る。
そこには一人の女性がソファーに座っていた。
「そっちの方はどうなってる?例のロボットが大量に破壊されたと聞くが?」
「そんなのあたしに聞かないでよ!防衛プログラムが働いた事までは把握してんだけど、誰があれを壊したか分かってないんだから!だいたい、そんなに簡単に壊れるようなもんじゃないでしょ!!」
かなりご立腹の模様。
「だから、誰がやったのかを調べる必要があるんだ。それこそ軍隊レベルの力じゃないと破壊は不可能だが、軍が動いたなんて話は聞かない。そうなると個人レベルって事になるが」
「ありえる訳ないじゃん!」
かなり信頼していたものらしい。
「ありえないって事は無いわ」
また一人、女性が来た。
ソファーに座ってるのがヒステリックな感じだとすれば、こちらは学者風とも言うべきか。
「私達と似たような力を持つ人になら可能じゃない?」
そう言った時、場が凍りつく。
「そんな事があるのか?」
スーツ姿の男が聞く。
「ええ。少なくとも、この街にはディルス様を殺した”能力者”が3人はいるわ」
「それじゃ、そいつらの仕業!?」
またヒステリックに叫ぶ。
「そうかもしれない。私もそいつらの力を知ってる訳じゃないから断定は出来ないけど、可能性は高いわ」
「すると、次の邪魔者はそいつって事か?」
「ぐふぐふ。跡形も無く消してみようか?」
「ありがとう。でも迂闊に行動はしない事ね。何せディルス様を殺したほどですもの。そう簡単にはいかない。下手したら返り討ちに遭うかも」
ここで部屋を見渡す。
「白井はどうしたの?」
「あいつならすでに行動してますよ。次の邪魔者を消すために」
「そう。計画は順調のようね」
ここで一息つく。
「ディルス様を殺した事を後悔させてあげなくちゃ」