第2章 8話
「人探し!?」
私はペンを取り出す。
「そこっ!」
目標は医者、ではなく。
白いカーテンの向こうにいた女性の看護師。
「なっ!?なんですか?」
「とぼけても無駄です。あなたが今回の犯人だって分かっているんですから」
近づく。
「おいおい!」
「あなたは黙っていて」
私は対峙する。
「あなたが処理した患者を調べればすぐに分かる事ですよ?」
「いったい何の話?」
パーン!
思いっきり頬を叩く。
「なっ!?」
「次は素手で叩くわよ?」
手袋を取る。
私のこの能力の欠点は直接触れないと駄目な所。
「何をするつもり!?」
「何って決まっているでしょう?」
もう一度!
手を振り上げる。
だが。
手首を掴まれる。
「触られる訳にはいかないわ」
「あら。なんで触れられたら駄目なのかしら?」
普通は二度も叩かれる方を止めるものだけど。
触られたら駄目な事を知ってるという事は。
「やはり、血を動かしている時の情報も共有しているって事ね」
そうでないと説明がつかない。
「くっ。だけどいいの?この距離は私の距離よ?」
それも承知の上。
そう。
ここで掴まれるのも承知の上。
「まずはお前を操ってやる!」
「無駄よ」
そう。
ここまで全て私の策略通り。
「なに!?」
「あなたは忘れてない?一人で来た訳じゃないって事を」
「え!?」
そう。
私には葛葉がいる。
「馬鹿が!さっき見失ったけど、ここに来るのなら遅いわよ!」
そうかしら?
「『雷弾!』」
見事に背中に決まった!
「なっ!?」
「えへへ。雷足なら一瞬だよ?」