第2章 4話
お姉ちゃんは一体何を見たというの?
「どうやら、この犯人は”血”のようね」
「血!?」
どういう事?
「血が自ら動いて、ここにいる人を殺してるみたいね」
血が!?
「そんな事あるの?」
「あら。超能力を使える私達がそんな事言えると思うの?」
うっ。
そうだわ。
トトの書の力で不思議な力を持つ事になった私達。
お姉ちゃんはそのせいで、普段は手袋を付けたまま生活をしなくてはいけなくなった。
お姉ちゃんの能力の中で唯一の弱点。
ゴム製の物からは情報を得る事は出来ない。
見た目は普通の皮手袋に見えるけど、中はゴム製になってる特注品。
触れた物の情報を得る能力のせい。
そして、私も能力を持ってる。
しかし。
この街に他にも能力者が住んでるなんて。
しかも、血を動かして人殺し!?
とんでもないわね。
「おい!お前ら。なんでここにいる?」
え?
まずい!
バレた!?
振り向くと。
そこには患者と思わしき人物が。
少なくとも白衣を着てないから、病院関係者じゃない事は分かる。
「なに?」
どうしてここに?
口を開く!
「危ない!」
お姉ちゃんが私を後ろに引っ張る。
すると。
そこに目がけて血が飛び散っていた。
なに!?
患者が倒れる。
そして。
そこには大量の血が。
「気をつけて。どうやら次の目標は私達みたいよ?」
ふえ?
確かに。
血が動いているわ。