表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
双葉市  作者: 山本吉矢
12/88

第2章 3話

それからも、お姉ちゃんは堂々と中に入る。

こういうのってこそこそするよりも、逆に堂々とした方が怪しまれないって聞くけど。

まさにそれを実感している。

病院内を歩いてる時でも、他の人に見られる事はあってもおとがめなし。

中に入れば他に病人もいるし見舞いの人もいるし、不審には見られないって事ね。

そして。

例の問題の手術室の前まで来た。

こういう所って関係者立ち入り禁止なはずなんだけど。

「さあ、行くわよ」

手術室に通じる細い廊下の所に、規制線のテープを張る。

この病院に入る時に消した物だわ。

確かにここから先は元々関係者以外は入れない領域だから、わざわざ規制線を張る必要もないってことね。

あとは医者達に入らないようにすればいいんだし。

でも、ここの病院はそこそこは大きい。

連絡も徹底されてないと踏んで、わざと張ったのね。

「いい。開けるけど、覚悟するのよ」

覚悟?

「どういう事?」

「この先は死人が大量に出た所。想像以上の現場になってるはずよ」

そう言うと、扉を開ける。

うっ!

そこはおぞましい所だった。

部屋が血の跡だらけ。

匂いもする。

これが、人が死んだ所!?

吐き気をなんとか抑える。

現場はまだ荒らされたままになってる。

「肉片まで掃除してくれてありがたいわね」

お姉ちゃんはなんとも思ってないの?

「よく平気だね」

「そうね。これまでいろんな遺跡に入った事もあるから。死体とか見慣れてるの」

うぇええ。

考古学に興味があり、色々現場も見た事あるってのは聞いてるけど。

まさか、そんなのが平気になるなんて。

「でも、これだけじゃ分からないわね」

すると、お姉ちゃんは手袋を外す。

物を収集するのは手袋をしていても使えるけど。

あれを外すって事は。

直接触れて情報を得ようって訳!?

「これは!?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ