第3回
東京のオフィスビルのワンフロアーに雑誌『冒険マガジン』の編集部がある。桜野は編集長の梅園道夫に会った。梅園は40代半ばの男で、桜野が学生のころから桜野の冒険に関する記事を雑誌に積極的に掲載している。
「桜野君、休暇を途中で切り上げて、そろそろ新たな冒険の旅に出かけたくなったのか」と梅園は笑顔で言った。
「冒険はしたいですが、1つ気になっていることがありまして」
「何かな」
「先日東京に現れた巨大な機械のことです。その後何かわかったことがありますか」
「あー、あれね。ネットではフォレスト・メイカーと呼ばれるようになっているが、今のところ正体不明だ。ただ、たった数秒間でブラジルから東京に移動したことから考えると、人間がつくったものとは思えない」
「そうですか」
「フォレスト・メイカーも気になるが、わたしは謎のヒーローに興味があるね」
「謎のヒーロー?」
「ほら、フォレスト・メイカーをどこかに移動させた青い超人のことだ。あのヒーローがいなかったら、東京はアマゾンのような森林地帯になっていたと思う。何者なのか知りたいと思わないかい」
「そうですね」と桜野は動揺しているのをさとられないようにして言った。
「可能であればインタビューしてみたいな」と梅園は桜野の動揺には気づいていない様子で言った。
「あのヒーローはどう呼ばれているんですか」
「決まった呼び名はまだないようだ。君ならどんな名前をつける?」
「ブルーフライヤーっていうのはどうでしょう。青い体で空を飛んでいますから」
「いいね。うちのウェブサイトでそう呼ぶように提案しよう」
GB社社長室に菊永が1人でいる。
「新しい作戦を実行しよう」
ニューヨーク、マンハッタンのミッドタウンの上空にフォレスト・メイカーと同じ形状・同じ大きさの機械が突如出現する。その機械から無数のナノマシーンが放出される。ナノマシーンはエンパイアステートビル、クライスラービル、メットライフビルなど、超高層ビルの上の方からツタをはやしていく。
東京のマンションの1室に桜野がいる。左手首のブレスレットからサージョの声が聞こえてくる。
「剛、ニューヨークで事件だ」
「変身」
桜野はブルーフライヤーに変身した。
「テレポーテーション」
ブルーフライヤーの姿が消えた。
数秒後、ブルーフライヤーはニューヨークの上空にいた。超高層ビルの緑化が進んでいる。
「サージョ、どうすればいい?」
「ナノマシーンを1度にまとめて破壊するには電磁パルスを使えばよい」
「わかった。電磁パルス発射」
ブルーフライヤーの体全体から電磁パルスが放出され、ナノマシーンが破壊されていく。
誠に申し訳ありませんが、地球温暖化とからめるのが適当ではないような気がしてきましたので、この小説は打ち切りにして、別の小説の連載を始めたいと思います。