第1回
本格的に小説を書くのは今回が初めてですので、未熟な点はいろいろあると思います。遠慮なく感想や要望をお寄せください。
1万2000年前
海沿いにある古代メソポタミア風の一都市の上空に暗雲がたれこめた。そして、雷鳴がとどろき、雨が降り始めた。雨はやがて豪雨になり、7日間降りつづけた。都市は水浸しになり、遂に水中に没した。
2027年、東京
あるオフィスビルの中にあるファッションブランドGB社社長室で菊永貴が1人でテレビを見ている。菊永はGB社の社長でファッション・デザイナー、25歳でスリムな体形の男だ。テレビでは地球温暖化によって世界各地で被害の出ていることが伝えられている。
「世界を変える力が欲しい」と菊永がつぶやく。すると、突然どこからか若い女性の声が聞こえてくる。
「あなたの願いをかなえましょう」
菊永の体全体が黄金の光に包まれる。光のまぶしさに菊永は目を開けてはいられなくなる。
1分くらいたって菊永が目を開けると、薄暗い洞窟のような場所にいることに気付く。そして、古代ギリシャ風の服装をした若い女性が菊永の前に現れる。その女性は先ほど菊永が聞いたのと同じ声で、「さあ、これを受け取りなさい。これであなたの願いがかなうでしょう」と言い、菊永に黒いブレスレットを渡す。
「これをどうすれば願いがかなう?」と言いながら、菊永はブレスレットを左腕にはめる。
「すべてブレスレットが教えてくれます」
また菊永の体全体が黄金の光に包まれる。およそ1分後菊永は社長室にもどっていた。
「こんなものをもらったが、1人の人間にどれほどのことができる」と菊永はつぶやく。すると、ブレスレットからあの女性の声が聞こえてくる。
「あせらないで」
菊永がブレスレットを見ると、あの女性の顔が映っている。
「このブレスレットの使い方を教えます。ブレスレットに光を当てて『変身』と言ってください」
菊永は言われた通りにすると、体全体が黄金の光に包まれた。そして、自分の姿が中世ヨーロッパの騎士のような黒いプレートアーマーをまとったものに変わっているのに気づく。
「こ、これは何だ?」と菊永は戸惑った様子で言う。
「これは地球を守る戦士の姿です。特に名前はありません」
「それなら、地球の騎士、グローブナイトと名乗ろう」
「グローブナイト、わたしはソフィア。あなたなら大抵のことはできます。まず、何をしたいですか」
「アマゾンへ行って失われた森林を回復したい」
「あなたは光の速さで移動できます」
「飛べるのか」
「もちろん、飛べますが、自分自身を行きたい場所にテレポートすることもできます」
「わかった。やってみよう」
こう言うと数秒後にグローブナイトはアマゾンに移動していた。
菊永の年齢を30歳から25歳に変えました。