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『夜明けのゾンビ』 ―無職の俺とポメラニアンにも、世界の終わりがやってきた―改稿版  作者: 天本一三


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1月1日

 初日の出を見るために親父と海に来た。冬の冷たい空気も体温と同じだと思うと心地いい。親父と二人でこんな風に海に来るのは子供の時以来だ。

 海岸には大勢の人たちが集まって、同じように日の出を待っている。今から来る新年に、みんなそれぞれの希望を持っていることだろう。

「この水平線の向こうって、アメリカなんだよな」と、親父がポツリと言った。

 少しすると、水平線のあたりが明るくなってきた。そして、みるみる空が紫色に染まっていく。

「ああ、この色だ」俺は思わずつぶやいていた。

 世界に夜明けが来る。これからはもっと新しい星になっていくに違いない。な、プウ。

「あけましておめでとう」とすっかり冷たくなったプウを抱っこすると、「ギャルルルル」と指を噛んできた。

「お前とはずっと一緒にいられるみたいだよ」と俺は笑った。

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