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『夜明けのゾンビ』 ―無職の俺とポメラニアンにも、世界の終わりがやってきた―改稿版  作者: 天本一三


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12/14

12月3日

 かろうじて残っているネットの掲示板で、最近話題になっていることが二つある。それは原発の事故以来、ゾンビ化していた人たちが放射線のせいか元気になってきたというものである。

 ゾンビが元気、シャレのような言葉だが、事故以来無気力になっていた人々を救うことになるかもしれない。

 もう一つは、すでにゾンビ化していた妊婦が、無事赤ちゃんを出産したというニュースである。その赤ちゃんはゾンビ特有の特徴を持って生まれてきたようだが、今のところ母子共に元気らしい。

 元気らしい?あまりにも変な状況で頭が混乱するが、このニュースには誰もが希望を見出しているように見えた。

 その他にも海外のニュースが少し紹介されていた。何でも今年の八月三十一日以降、日本の上空に宇宙からの強烈な放射線バーストが何度も降り注いでいたらしい。NASAなどは早くからそのことに気づいてはいたが、軍事的なものかもしれないとの懸念から、違うとの確証が持てるまで発表しなかったようだ。そうなると、日本周辺の人は残らず被曝していたことになる。

「フフフフフ」今さら脈を計ってみる自分が、何だか可笑しくて笑えた。

 放射線のニュースに関係してか、日本での独自の研究結果も発表されていた。電力網はまだまだ復活できないが、ソーラーパネルのおかげで昼間は何とか研究を続けていたらしい。それによると、人間の体内にもともとあるウイルスが未知の放射線により変異を起こし、今回の事態を招いた可能性がある、というものだった。ウイルスの変異の仕方にバラツキがあり、細胞に影響を与えるものと与えないものに分かれるが、その見極めは現時点では困難ということだった。

 しかしそのウイルス自体も感染力を持っているので、これほどまでに急速に拡まったのだろうという解釈を出していた。

そういえば、日本にいた外国人は、一体いくつの国から来ていたのだろうか…

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