表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

春はまだ遠い

「うぅ、寒っ...うわっ凄い雪!」

 窓を開けると一面白銀の世界が広がっていた。昨日の夜のうちにどっさり積もりやがったな。私は川崎茜かわさきあかね、龍神と人間の混血であり、現在『川崎薬局』の経営している女だ。

「雪かき面倒くさいなぁ...」

 庭にも沢山積もってるし、文明崩壊した世界なのに毎年普通に降っている...あいつに依頼してやってもらおうかな。何てことを考えていたら分厚いオレンジ色のコートに身を包んだ庭師がやって来た。

「依頼されてないけど毎度のように来ちゃいました!」

「丁度いいところに来てくれた!」

「あれ、珍しいですねぇいつもは嫌そうな顔してるのに」

「私の息子狙ってる誰かさんを警戒してるからね」

「見抜かれてましたか」

「太陽が出てるうちにやってしまおうか」

「川崎さんも雪かきやるんですか?」

「雪のせいでお客さん逃げちゃったらどうすんの、ビジネスの敵!」

 彼女は浅霧睡蓮あさぎりすいれん

庭師でもあり家政婦でもある女だ。他の皆は寒さで震えてるか、酷い寝相で熟睡している。さっさとやっちゃいますか。

「どんだけ降り積もってんだ?」

「いやぁ、本当にすごいですねぇ」

「何の匂いだろ?」

「美味しそうな香りですね!私も一緒に朝ごはん良いですか?」

 彩音あやねさん寒がりのくせにもう食事の用意をしてる。凍えてばかりもいられないか...ところで今日何の日だっけ?

「食べてきてないの?」

「一応、おにぎりくらいは持ってきてます」

「来た時、手に何持ってなかったけ?」

「懐で温めてます」

「ふうん、そうなんだ」

「駄目ですよね?」

「子供達はどうすんの?」

「後で連れてきて...あ、今日雪運動会の日だ!」

「あ、そっかすっかり忘れてた!」

「こんな日でも元気に動きやがるんですから」

「さっさと終わらせないと!」

 という訳で、今日は川崎薬局休業日。一人娘の川崎亜理紗かわさきありさの幼稚園の予定をすっかり忘れていた。本当は夫にも来て欲しかったけどもうこの世界に居ない。

「じゃあね、行ってくるね大智だいちさん」

 雪かきを丁度いいところで終わらせ、睡蓮は飛ぶように帰っていた。「おはようございます」と拳法女の霞神楽かすみかぐらと、葛城かつらぎさんも朝の準備をしていた。幼稚園に着くと「ママ遅い!」と不機嫌な顔して亜理紗が待っていた。


「こんな朝早く何やってたの?」

「雪かきですよ」

「...嘘でしょ、茜、雪上車持ってない?」

「ところで、今日何の日でしたっけ?」

「雪運動会」

「何だ知ってたんだ...」

「忘れてた?」

「浅霧さんのおかげで何とか思い出せましたよ」

「へぇ来てたんだ」

「毎回思ってるんだけど、浅霧さんと茜実は姉妹なんじゃない?」

「いつもの事ですよ」

「私の思い込みか...」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ